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Creator's Blog,record of the designer's thinking

研究者の頭とクリエイターの感性で、書き、描き、撮り、制作しています

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ドローイング319. 小説:小樽の翆250. 朝の散策

この時期、雪はしばしば降るが屋根を白くしただけで、道路には積もらない。明日から師走。 翆は夜勤でまだ帰ってこない。アチキは起きたばかり。ならば、たまには朝の散策。陽が昇るのが遅くなった。もうじき冬至だろう。 いつもと違う風景でというので、近…

ドローイング318. 小説:小樽の翆249. 30まで処女だった

晃子さんは今日も夜勤、だから文さんの居酒屋で出勤前のご飯。 晃子「あら、もうお客さんはいないのね、まだ、やってるーーー?」 文「今日、最後のお客さんねぇー、定食用意できるよ!」 そういって文さんは、刺身のたたきをつくっていた。 晃子「文さんって…

ドローイング317. 小説:小樽の翆248. ワイルド!

11月になると小樽は、雪は降るが積もらない。だが曇天の風景は冷たく湿っぽい。 夕方、日課の公園からスケッチをしていた。もちろんこの時間には、小春が通る。 小春「叔父さん、寒いのに、よく絵を描きにくるねぇー、アソコの街灯ね。少し形が違うんですけ…

ドローイング316. 小説:小樽の翆247. 15分のためのメイク!

終日、ホームワークだった。あら!珈琲が切れている。ならば近所のコンビニへ! なんか珈琲を手にした太い塊がこっちをみている。アッ、ヤバっ!、反射的に眼を背けた。そんな気分になることってあるとおもう。 「そんなに眼を背けなくても好いじゃん。アタシ…

ドローイング315. 小説:小樽の翆246. フェイクの女

さて先日、花柳界の昔話を聞かされたジャズ喫茶ウォールストリートに来ちまった。話し好きのマスターは、相好を崩して、フェイクの女の話なんか興味ありませんか?。マスター「昔といっても、それほど古くはないですが・・・。まあ男と女の話ですわ。結局お…

ドローイング314. 小説:小樽の翆245. 気の抜けた日

冬の始まりの頃は、どこかぎこちない。 夕飯、お風呂、寒いから翆を抱えてお布団へゆく。 布団で翆と足を絡ませながら枕話か。 翆「今日は、なにも話題がないの」 話題がなくても、することは一つ。アチキの指が翆の股間をはってゆく。 健康な膣だ。アチキ…

ドローイング313. 小説:小樽の翆244. 続・類の部屋

火曜日、優子さんは公園の裏にある類の部屋へゆく。誰もそのことは知らない、優子さんと累だけの秘密だ。 累と優子さんは、入ると待ちかねたように熱いキスをして抱き合っていだ。やがてお互いの指が身体をなぞるようにコスチュームを脱がせると・・・ 優子…

ドローイング312. 小説:小樽の翆243. 女の気持ち

晃子さんは、いつものように夜勤前に文さんの店で夕飯。 文「健さんとの、のろけ話ですか・・!、毎日のろけているからねぇー(笑)」 晃子「聞きたーーい」 文「この間は赤襦袢なんか着て、隠す、恥じらい、昔の人の美意識なんて褒めたじゃない。そしたら、昨…

ドローイング311. 小説:小樽の翆242. 名残

小樽の花園界隈には、2軒の画材屋がある。画材の調達に出かけた。 小樽の背後にみえる天狗山には、既に雪が積もっているが街中に雪はない。そのうちドカンと街にも積もってくるだろう。 商店街の横町のはるか先に、旧日本銀行小樽支店がみえている。寒い空…

ドローイング310. 小説:小樽の翆241. すこぶる寒い一日

11月になると、すこぶる寒い1日がある。 それは雪が降りそうで降らない曇天で、身体が縛れるような寒さがあり、もちろん外に出るのもはばかられる。体が冬の気温に慣れておらず、冬が慣れろ!、とわんばかりの寒さでやってくる。そんな寒さに遭遇すると、一…

ドローイング309. 小説:小樽の翆240. 昔の人の美意識!

夜の10時を回ると文さんの店もお客はいなくなる。その頃晃子さんが夜勤前の夕飯で文さんの店に立ち寄るのが定番だ。 晃子「いつものおのろけを聞きたいなぁ!」 文「毎日同じ事の繰り返しだから、そんなにないけどなぁー。最近、健さんが、赤い肌襦袢を買っ…

ドローイング308. 小説:小樽の翆239. 古いカフェ、ウォールストリートで

小樽の街を散歩していたら、これは古い!!、そんなカフェをみつけた。そんなオーナーのたわいない話につかまった。 マスター「昔小樽にも花柳界があったですよ。菊ちゃんといったかな、当時40歳になる芸妓がいまして、小さなアパートで一人暮らし。もちろん…

ドローイング307. 小説:小樽の翆238. オヨヨ!

夕方の日課で、公園から遠くにみえる海を描いている。 陽が沈むのが早くなった。というか、いつもより早い時間に公園に来たわけだか。といっても今日は土曜日だから、この時間に小春がくることはない。そしたら、「叔父さん、休日も絵を描いているんだね」…

ドローイング306. 小説:小樽の翆237. クロッキー中の会話

終日、寒いと感じる頃になってきた。 月平均気温4.7°。この時期スキー場がオープンする時期だ。 秋物から冬物のコートに着替える頃でもある。 部屋には、当然のように暖房がはいっている。 今日は、翆の勤務は準夜勤だから、朝食後の日課であるアチキのクロ…

ドローイング305. 小説:小樽の翆236. 冬支度

小樽近郊の山中に転がっていた、多彩な色の葉をつけた紅葉の枝が窓辺に飾ってある。もう北海道の紅葉もお終いだ。 さて、翆も、今年最後のスカート姿かな。 「スカートの腰の膨らみに欲望を感じるね」 翆「したくなる(笑)」 そういって翆の大臀筋を撫でなが…

ドローイング304. 小説:小樽の翆235. 累の部屋

累が小樽公園裏手の小さなマンションに引っ越してきた。窓からみえる落葉したあとの木々が、冬の気配だ。 累の部屋はようやく片づいたところだ。といって生活必需品に加え優子さんとの愛を確かめる大きなベッドぐらいだが。 優子「小樽で産むんだ」 累「そ…

ドローイング303. 小説:小樽の翆234. 校舎の裏で

昨日は、悪魔の友達の気まぐれな企てをつぶしたので口直しがしたい。公園から小樽の海でも描きながら、小春を冷やかして口直ししよう。子供って、時には大人のストレス緩和になるんだと気がついた。 いつものように下校途中の小春がやってきた。 小春「叔父…

ドローイング302. 小説:小樽の翆233. 悪夢の嵐

(続) 「遊び人のベーヤンが、癖になりそうってどんなん?」 ベーヤン「何しろあの主婦は、子供産んで以来10年近くセックスレスでしょう。だから最初は躊躇していたけど、燃えだしたら恥じらいなく燃え上がって身体がビクビクと反応するのね。だからいろんな…

ドローイング301. 小説:小樽の翆232. 懲りない奴

札幌のベーヤンから、久しぶりにLINEがきた。 なにしろ、あの累さんの妊娠事件があったからご無沙汰だった。 →あの累という女には、まいっちまったよ。お腹をさすりながら出社してくるんだぜ。 ←おぼこ娘なんて馬鹿にしているからだよ。それで養育費は、支…

ドローイング300. 小説:小樽の翆231. 幕間14. イラストの失敗作

このイラストシリーズも三ヶ月目に入ってしまった。 ブログテーマの冬枯れで始めた虚構の世界のお話も、コロナ禍で外出自粛が加わり、家にこもってイラストの勉強に精を出さざるを得ないはめになった。 おかげでダイビングも撮影もせず、40年ぶりぐらいで再…

ドローイング299. 小説:小樽の翆230. 玲香さん看護師

さて玲香さんは、新人看護師だから外来にいる。 午後2時前には外来も終わるので、循環器病棟の翆がやってきた。なにしろ翆の子供のマサヒロ君が小さい頃、お漏らしした時とか、何かとお世話になった玲香姉ちゃんだ。 翆「はーーい!」 玲香「あっ、翆さんだ…

ドローイング298. 小説:小樽の翆229. 玲香さんの意外な話

公立図書館のエントランスで、奥から出てきたダウンコートを手にした見慣れない女が、アチキーと呼んでいる。さて誰だったか。 「玲香よ!」 「何だ、玲香さんかぁー、若づくりーー」 小春からは、玲香姉ちゃんは時々馬鹿っぽい化粧をしていると聞いていた。…

ドローイング297. 小説:小樽の翆228. 美希姉ちゃんの悟り

さて日課の夕方の散策にでかけようか。公園は小春にきちがいよばわりされたから、今日はチクコウのいつものカフェだ。 もちろんここに来ればたまり場となっている美希さんに出会うが。 美希「おじさん、またきたね!」 「ほかに、ゆくところがなくてさ」 美…

ドローイング296. 小説:小樽の翆227. 男同士の宴会

北海道で冬になるとみられる大星雲が天空を一文字に覆っている。翼君の招きもあり、彼のアルバイト先である海沿いの小さなショップへ散策。 小樽市内から函館本線沿いを浅里方面へゆくと、線路と海岸線の間の僅かな敷地にショップがある。 翼「ここは、海水…

ドローイング295. 小説:小樽の翆226. ムンク!?

アチキの日課は、、午前中テレワークでお仕事をかたづけると午後遅くには暇になる。それでもなんとか時間をつぶして、夕方頃、この時期に見られる公園からの海の夕陽でも、描こう。 完成させて帰る頃になると、小春がやってくる。 小春「今日はオジサン、絵…

ドローイング294. 小説:小樽の翆225.  小太郎君の初体験の思い出

芋煮会は、灌木の中でマサヒロ君が子供達を遊ばせている。 ・・・ オトコ同士で密談かなぁー!、そういってウォッカでへたっているアチキのところへ小太郎君がやってきた。 翼「俺の初体験の話をしてた」 小太郎「あのブールでの!、翼の自慢だもんね」 「小…

ドローイング293. 小説:小樽の翆224. 翼君の初体験

芋煮会も、ひとしきり食べて休息にもあきると、マサヒロ君が小枝でつくった木刀風をもって「西南戦争をしよう」といってきた。それで子供達はわっと灌木がしげる原っぱへ繰り出していった。 マサヒロ「お前達がせごどん、こっちが明治政府側・・・」 そうい…

ドローイング292. 小説:小樽の翆223. 芋煮会

小樽の人も人寄せが好きだ。文化の日のお昼は、青空がひろがり晩秋といえる最後の頃だろう。10月の平均最高気温は15.7°だけど、11月は8.1°、12月1.7°、1月-0.7°と、気温は冬に向かって滑り落ちてゆく。そんな晩秋の最後、翆の実家で芋煮会だ。 だから翆は「…

ドローイング291. 小説:小樽の翆222.  15人よ!

夕方の散歩で、いつものように小樽公園で海の絵を描いている。当然下校途中の小春が通り過ぎる。めざとく人見知りしないツカモッチャンファミリーだから、アチキのところにやってきた。 小春「叔父様!お兄ちゃんやお姉ちゃん達の秘密の話ね」 「秘密の話を…

ドローイング290. 小説:小樽の翆221.  翼の彼女はスイマー

翼の中学校の屋上にあがると小樽の海が見える。その海岸線に、今は使わるとは思われない数えるほどの夏の海の家が少しばかり建ち並んでいる。翼は、夏の海水浴場の監視員のアルバイトをしたのがきっかけで、今でもときどきシーズン以外の夏のマリンショップ…