ロシア凍結資産をめぐる奇妙な動き EUは2025年12月18~19日の欧州理事会サミットで、ロシア中央銀行の凍結資産約2100億ユーロを活用し、ウクライナに1400億ユーロ規模の無利子融資を行う決定を下すと報じられている。この資産の大部分はベルギーのユーロクリアに保管されており、EUはこれを担保に市場で資金調達し、ウクライナの2026~2027年の財政赤字1530億ユーロを埋める構想だ。直接的な没収を避けるため「賠償担保融資(リペアレション・ローン)」と称し、戦後ロシアの賠償金で返済させる仕組みである。 しかし、この計画にはすでに各方面から批判されているように重大な疑義がある。経緯もそれを示している。10月23日のサミットではベルギー首相バルト・デ・ウェーフェル氏の抵抗により先送りされた。ユーロクリアに1830億ユーロ(全体の86%)を預かるベルギーは、ロシアからの法的・金融的報復リスクを