45億年前、火星に衝突した巨大な天体の破片が、いまも火星の内部にたくさん残っていることが分かった。米火星地下探査機「インサイト」が観測した地震データなどをもとに、英米などの研究グループが解明した。火星には地表のプレート(岩板)が移動するプレートテクトニクスの仕組みが存在しておらず、同じような惑星の内部構造の理解につながるという。 火星断面の想像図(縮尺は不正確)。地殻の下にあるマントルに、太古の天体衝突でできた岩石の破片が散在している。地表の左側の明るい部分は、天体が衝突して内部に地震波が生じる様子、右側はインサイトの機体を示している(NASA、米カリフォルニア工科大学提供) 地球とは違いプレートテクトニクスがない火星では、プレートの動きで地殻にひずみがたまって起きる地震はないものの、熱や圧力で岩石が割れて起きるタイプの地震と、天体の衝突で起きる地震はあるとされる。地震で生じた波はさまざま