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[この記事は Peter Lewis、プロダクト マネージャーによる Google Developers Blog の記事 "I/O session: Location and Proximity Superpowers: Eddystone + Google Beacon Platform" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

Bluetooth ビーコンは、重要な場所や対象物を携帯端末が理解できる方法でマークします。昨年、Eddystone、Nearby Messages、Proximity Beacon API などを含む Google ビーコン プラットフォームが公開されました。これによって、ビーコンを活用して近隣情報や位置情報といった機能に対応するアプリを構築できるようになっています。

Google ビーコン プラットフォームの公開以来、私たちは物理インフラの配置が関係する場合、投資から最大限の価値を引き出すことが重要となることを学んできました。Google ビーコン プラットフォームが従来のアプローチと異なるのはそのためです。

私たちは、ビーコンがアプリ内の 1 機能を指すもの、あるいは 1 つのウェブリソースを指すものとは考えていません。Google ビーコン プラットフォームは、Google デベロッパー プロジェクトを通して管理でき、何度でも再利用できる拡張可能な位置情報インフラです。それぞれのビーコンは、自分のアプリ、他のデベロッパーのアプリ、Google のサービス、ウェブを通してさまざまなインタラクションに加わることができます。こういったすべての機能は、Eddystone-UID と Eddystone-EID を利用して透過的に動作します。Google の API を使用すれば、ビーコンが送信する個々のバイトを監視する必要はありません。

たとえば、アムステルダム市が オープン ビーコン ネットワークの構築に Eddystone と新しく公開された公開名前空間機能を採用したことはうれしい知らせです。また、Eddystone と Google ビーコン プラットフォームで Nearby 通知を活用することによって、BFG Dream Jar Trail に参加する冒険者たちがロンドンの Dream Jar でクラウドからアップデート可能なコンテンツを発見できるような仕組みも構築されています。

できるだけお手軽にお使いいただけるよう、デベロッパーの皆さんをサポートするいくつかのツールも提供しています。たとえば、Eddystone で利用できるビーコン メーカーへのリンク、Beacon Tools(Android および iOS 用)、ビーコン ダッシュボードcodelabドキュメントなどがあります。今年の Google I/O に参加できなかった方は、「位置情報と近隣情報の実力: Eddystone + Google ビーコン プラットフォーム」という私のセッションをご覧いただけます。
皆さんのアプリのリリースを楽しみにしています。

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Peter について: オープン ビーコン フォーマットの Eddystone や、ビーコン技術とファースト パーティやサード パーティのアプリを結びつける Google のクラウド サービスを担当する Google ビーコン プラットフォームのプロダクト マネージャー。Google で働いていない時は、飼い犬のオスカーとハムステッド ヒースを散歩している。


Posted by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team

[この記事は Akshay Kannan、プロダクト マネージャーによる Google Developers Blog の記事 "Surface new proximity-based experiences to users with Nearby" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

Google はこのたび、ユーザーが身の回りのものを発見し、それらとやりとりするための新しい場として、Android 向けに Nearby を公開しました。これは昨年公開した Nearby API を拡張したもので、近くにある他のデバイスやビーコンを簡単に発見し、通信できるようにします。Google では今年になって既に、Chrome for Android で Physical Web 対応ビーコンの実験も開始しています。Nearby によって、私たちはこうした取り組みをさらに一歩進めようとしています。

買い物の最中にバーコード スキャナーを起動するとか、博物館を見学中にオーディオ ツアーを見つけるといった場面を考えてみてください。Nearby が実現するのはそうしたエクスペリエンスです。Google はこれを可能にするために、デベロッパーが自分のモバイルアプリやウェブサイトを、ビーコンと関連づけられるようにしました。


既に数多くのデベロッパーがビーコンと Nearby を利用して、ロケーションベースの圧倒的なエクスペリエンスを開発しています。

  • ロサンゼルスの美術館 The Broad は、Area360Sensoro と協力して、来館者が展示を楽しみながら利用できるアプリ内オーディオツアーを提供しています。
  • ユナイテッド航空Radius Networks とともに、搭乗前にアプリをインストールしておけば、機内で無料上映される映画やテレビ番組をアプリでもっと簡単に視聴できるようにしました。
  • ノートルダム大学Radius Networks と共同で、キャンパスや周辺の重要施設を紹介するバーチャルツアーを来校者に提供し、喜ばれています。
  • CVSRadius Networks と協力して、来店客が写真プリントを簡単に注文し、店頭端末でプリントできるようにしています。
  • Airside の Mobile Passport は、旅行客が事前にスマートフォンからオンラインで税関申告書に記入し、提出しておけば、空港内で税関手続きの列に並ばなくてもすむシステムを、Bluvision と共同で開発しました。


Nearby の導入は簡単です。まず、Eddystone Beacons をいくつか入手しましょう。そうしたビーコンは、Eddystone 認証メーカーに注文できます。Android デバイスや BLE 対応スマートデバイスを、Eddystone フォーマットでの送信を行えるよう設定することもできます。

次に、対象としたいエクスペリエンスをリンクするように、入手したビーコンを設定します。Physical Web を使用してモバイルウェブページにリンクすることも、自分のアプリ内のエクスペリエンスに直接リンクすることもできます。アプリを持たないユーザー向けには、モバイルウェブにフォールバックを用意するか、アプリのダイレクト インストールを要求するか、いずれかの方法が可能です。

Nearby は、近々リリースされる Google Play サービスの一部として、ユーザーへの公開を開始しており、Android 4.4(KitKat)以上のバージョンを搭載しているデバイス上で動作します。導入にあたっては、Google のデベロッパー向けドキュメントをご確認ください。Android の Nearby 通知機能について詳しく知るには、Google I/O 2016 でのセッションもご覧ください。



Posted by Takeshi Hagikura - Developer Relations Team


[この記事は Jake Leichtling、Physical Web 調査担当による Chromium Blog の記事 "Exploring the Physical Web with Chrome for iOS" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

インターネットに接続されている現在の世界では、人々と瞬時に電子的なやりとりをする方法が数多く存在します。たとえば、高度なパーキング メーターではクラウドを介して支払いをすることができます。ただし、開発者にとっては、人々が簡単にアクセスできるコンテクスチュアルなエクスペリエンスの構築は容易ではありません。スマートフォンが普及した現在でも、ユーザーは外出中にアプリのインストールをしたり URL の入力をしたがらないという傾向があります。

Physical Web は、ユーザーが抵抗なく使用できるコンテクスチュアルなインタラクションを構築するために役立つオープン ソース アプローチです。数か月前、Chrome for iOS に Today ウィジェットが追加され、ユーザーが新しいタブを開いたり、通知センターから直接音声検索を実行したりできるようになりました。 また、新しい Chrome for iOS では Physical Web が Chrome Today ウィジェットに統合され、ユーザーが自分に関係のある Web コンテンツのオンデマンド リストにアクセスできるようになりました。
先日発表されたオープン Bluetooth Low Energy ビーコン フォーマットである Eddystone を使用した Physical Web により、コンテンツを検索可能にすることが容易になりました。Eddystone では、各種のユースケースのために複数のフレーム タイプがサポートされます。Physical Web は、圧縮された URL を表示するために設計されたビーコン フレーム タイプの Eddystone-URL を使用し、ブロードキャストされるコンテンツを表示します。コンテンツを Physical Web に追加するには、Eddystone-URL をサポートするビーコンを設定して、選択した URL を送信するだけです。

Physical Web を有効にしているユーザーが Today ビューを開くと、Chrome ウィジェットがブロードキャストされた URL をスキャンしてその結果を表示し、ビーコンとの距離を推測してコンテンツをランク付けします。Physical Web によって実現されるユーザー エクスペリエンスをより詳しく知りたい場合は、Google の Cookbook にアクセスし、GitHub のオープン ソース コミュニティに参加してください。

新しい Chrome for iOS は、ユーザーの日々のモバイル エクスペリンスに、Physical Web へのアクセスを追加するための最初の試みといえます。エコシステムの拡充に伴い、 Google は Physical Web を ユーザーの手元に届ける新しい方法を模索し続けます。みなさんの開発した新しいコンテクスチュアル エクスペリエンスに出会える日を楽しみにしています。

Posted by Eiji Kitamura - Developer Relations Team


[この記事は Chandu Thota、エンジニアリング ディレクターと Matthew Kulick、プロダクト マネージャーによる Android Developers Blog の記事 "Lighting the way with BLE beacons" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

数千年に渡り世界の海を航行する船乗りの行く手を照らしてきた灯台。その灯台のように、電子ビーコンはアプリに正確な場所および状況から得られる情報を提供して、世界をナビゲートする役目を果たします。例えば、ビーコンは、バス停をラベル付けし携帯端末がバスのチケットを用意できるようにしたり、美術館のアプリは目の前にある展示物の説明を表示したりすることができます。現在、新しい一連の機能のリリースを開始しようとしており、これにより、開発者がこのテクノロジーを使用してアプリを作成できるようになります。これには、利用者のデバイスと通信するための Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンの新しいオープンなフォーマット、この有意義なデータをアプリや Google サービスに追加する方法、および保有しているビーコンを効率的に管理する方法が含まれます。


Eddystone: オープンな BLE ビーコンのフォーマット

BLE ビーコン業界のパートナーと密な協力関係を結び、既存のビーコン テクノロジーに関するニーズや制約について多くを学びました。そしてそれを基に、現実のユースケース、クロスプラットフォームのサポート、およびセキュリティに対応する新しいクラスのビーコンの作成に着手しました。

BLE ビーコンであることの中核はフレーム フォーマットです。つまり、ビーコンが世界に発信する言語です。現在、誰でも使用できる BLE ビーコンの新しいオープンなフォーマットである Eddystone を公開することによって、ビーコン テクノロジーのユースケースの範囲を広げています。Eddystoneは堅牢で拡張可能です。 各種のユースケースのために複数のフレーム タイプをサポートし、新しい機能を簡単に導入できるようにバージョニングをサポートしています。またクロスプラットフォームであり、Android、iOS、または BLE ビーコンをサポートする任意のプラットフォームをサポートできます。さらに、誰もが使用し改善に貢献できるように、オープンソースの Apache v2.0 ライセンスで GitHub から入手できます。

ビーコンはパブリックな信号である識別子を介して近くの Bluetooth Smart デバイスが検出できるように設計されています。つまり、プライバシーとセキュリティの確保が非常に重要であり、このためEphemeral Identifier(EID)と呼ばれる機能が組み込まれました。これは、頻繁に変更されて、認証されたクライアントのみがデコード可能です。EID を使用すると、飛行機を降りた後に手荷物を見つけたり、紛失した鍵を見つけたりということが安全にできるようになります。この設計の技術仕様はまもなく公開予定です。

開発者のための Eddystone: アプリにより適したコンテキスト

Eddystone は開発者に 2 つの重要な利点を提供します。より意味のあるコンテキストと正確な場所です。これらをサポートするために 2 つの新しい API が導入されています。Android と iOS 用の Nearby API を使用すると、アプリが近くにあるデバイスやビーコン(特定のバス停、美術館の特定の展示など)を容易に特定、通信を開始でき、より適切なコンテキストを提供します。Proximity Beacon API を使用すると、開発者は意味を持つ場所(つまり、緯度/経度に関連付けられている場所)とクラウドに格納されている関連するデータをビーコンに関連付けることができます。この API は既存の位置情報 API(次のバージョンの Places API など)で使用することもできます。

ビーコン メーカーのための Eddystone: 複数のプラットフォームのための単一のハードウェア

Eddystone の拡張可能なフレーム フォーマットを使用すると、ハードウェア メーカーは複数のモバイル端末プラットフォームおよびアプリケーション シナリオを単一のハードウェアでサポートできます。既存の BLE ビーコンは、簡単なファームウェアのアップデートによって Eddystone 対応にすることができます。Eddystone は基本的にオープンで拡張可能であり相互に使用できるプロトコルとして作成されました。そのため、ハードウェア メーカーのパートナーと密に連携することにより、Eddystone の認証プロセスも近々整備する予定です。Eddystone 対応のビーコンはすでに多数のパートナーによって作成されています。

ビジネスのための Eddystone: 保有しているビーコンを簡単に保護および管理

ビジネスが、ビーコンを利用したアプリの検証段階からスタジアムやターミナル駅などへのビーコンの配備に移行すると、ハードウェアの設置およびメンテナンスは容易ではなくなります。正常動作中、故障、紛失、交換などベーコンの状態を管理する必要があります。Eddystone のテレメトリー フレーム(Eddystone-TLM)と Proximity Beacon API の診断エンドポイントの組み合わせで実装されたビーコンを使用すれば、設置者はビーコンのバッテリーの状態および交換の必要性(一般的なロジスティクスの課題)を低コストのビーコン ハードウェアで監視できます。

Google 製品のための Eddystone: 新しく、より優れたユーザー エクスペリエンス

Google 自体の製品およびサービスもビーコンによる機能向上が図られています。Google マップは、今年初めにポートランドでビーコンベースの交通情報通知を導入しました。これにより、利用者は特定の駅のリアルタイムの時刻表により速くアクセスできるようになりました。まもなく、Google Now でもこのコンテキスト情報を使用して、もっとも関連のあるカードを優先させる(レストランにいるときにメニューの内容を表示するなど)こともできるようになります。

モバイル端末アプリを使用できない場合でもビーコンが機能を発揮できるよう、Physical Web プロジェクトでは URL をブロードキャストするEddystone ビーコンを使用します。これにより、ユーザーは周辺のものとやり取りができるようになります。

独自の製品やサービスで使用するために Eddystone を選択した場合でも、Places API、Nearby API などの広範な Google ソリューションの一部として使用するために Eddystone を選択した場合でも、ビーコンはアプリのユーザー エクスペリエンスを向上するための重要な方法です。アプリの開発者とビーコンのメーカーのエコシステムは、これらのテクノロジーを推進するために重要であり、最高のアイデアは 1 つの会社のみからは生まれません。ぜひ我々のパートナーから Eddystone 対応のビーコンを購入し、構築を始めてみてください。


Posted by Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team