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2020 年 2 月より AI を活用したスタートアップ向けに実施する 3 か月集中型のプログラム「Google for Startups Accelerator 」を実施します。このプログラムは、確立された製品・サービスを擁するスタートアップを対象に、これからの成長に備えるためのツールを提供します。AI や機械学習の活用を主な要素とすることで、テクノロジーを活用した社会、経済、環境への取り組みに対する支援を加速し、ひいては、スタートアップの成長が日本経済のさらなる活性化につながることを期待しています。本日より、本プログラムに参加を希望するスタートアップ企業を募集開始します。


Gooogle for Startups Accelerator 活用の利点
  • Google for Startups Campus ( 東京 ) の利用 :本プログラムに参加するスタートアップ(以下、参加企業)は、参加期間中 Campus 内のワークスペースを活用することができます。また、Campus 内にある施設の全て(飲食スペースや一部の会議室を含む)を利用できます。
  • Google 社員によるメンター制度:Google AI チームをはじめとする様々なチームとのコラボレーションや Google のテクノロジーや製品、サービス、さらに人的ネットワークを活用する機会を提供します。ベスト プラクティスの共有に加え、企業や製品に関する大枠の戦略策定サポートも提供しています。
  • トレーニング プログラム:参加企業は機械学習や人材獲得・育成、製品開発管理に関する各種トレーニングを受講できます。機械学習など技術の活用を中心としたものからリーダーシップ トレーニング等を通じ、スタートアップが必要とするサポートを提供します。
  • スタートアップ エコシステム(コミュニティ)への参画:異業種のスタートアップや VC、技術者、技術アドボケイト等との交流を通じ、人的ネットワークの拡大にも貢献します。

募集概要
  • 対象 : 社会的課題を AI/ML の技術で解決したいと考えているスタートアップ
  • 募集開始 : 2019 年 11 月 19 日(火)
  • 募集締め切り : 2019 年 12 月 13 日(金)18 時
  • 参加企業の発表 : 2020 年 2 月中旬頃を予定
  • プログラム実施機関 : 2 月 中旬〜 5 月末(予定)
  • 応募条件や審査など詳細はウェブサイトをご参照ください。


参加者の皆さんの応募をお待ちしております。


Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team

8 月末に発表して応募を開始した Google 主催のグローバル アクセラレーター Google Launchpad Accelerator Tokyo の参加スタートアップ企業 7 社が、10 月 15 日から東京の Google オフィスでブートキャンプに参加、計 4 日間のプログラムを終了しました。今回応募多数の中から厳正な審査の結果、以下の 7 社を選出しました。


  • Joyz : 学校向け英語学習アプリ。非母語話者の発話分析エンジンを開発
  • Empath : 音声から感情を読み取る技術を開発。言語非依存で短時間の音声データでも分析可能
  • Cinnamon : 金融機関向け書類認識エンジンの提供。非構造化文書も処理可能
  • PicoCELA : マルチホップ技術を使った無線ネットワーク。エッジデバイスのさらなる効率化に取り組む
  • ArchiTek : 低コストなAI向け半導体技術の開発
  • Zenport : 輸出入業者向け業務SaaSの開発
  • ThinkCyte : 独自の先端光学技術と機械学習処理を融合した高速な細胞分析選別ソリューション


当アクセラレーター プログラムはエクイティーフリーの 3 か月にわたるプログラムで、 3 つの鍵となるブートキャンプがあります。まず 10 月中旬の東京の 1 週間を皮切りに、11 月末にテルアビブ(イスラエル)、1 月末にシリコンバレーをまわり、現地のメンターコミュニティーとの交流、Google の持つ各種ワークショップに参加していただく予定です。発表時にご案内したたとおり、Launchpad Accelerator はこれまで、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、南アメリカの各都市で同プログラムを展開し、これまでに世界 40 カ国以上からスタートアップ企業が参加しています。
東京で実施したプログラムには、シリコンバレーやブラジル、ベトナム、インドネシア、イスラエルなどから集まった経験豊富な起業家や投資家からなるグローバル メンター陣に加えて、東京を拠点に活躍するローカル メンター陣の総勢 20 人が 7 社のビジネスやテクノロジーについて助言。各 1 時間のセッションが終わっても議論が終わらずに熱心にテクノロジーやビジネスを語る姿がみられました。



ビジネス面、組織面でのワークショップを提供 Launchpad 審査のポイントはテクノロジーを活用しているスタートアップ企業であることですが、プログラム自体は、必ずしもテクノロジーの助言や支援を中心としているわけではありません。むしろ、スタートアップがたどる一般的な道のりを示した上で、どの段階で何をすべきかという詳細な参加型のトークセッションからはじまり、いわゆる PMF (Product Market Fit)を達成するために必要なアプローチと考え方、そして組織が急成長するときに必要となる目標管理フレームワークや、C レベル向けリーダーシップ教育のワークショップといったものを提供しています。集中的に 2 日半をかけてプロダクトに新機能を実装したり改善する、あるいは業務プロセスを改善するデザイン スプリントも行います。





目標管理は OKR(Objective and Key Results)と呼ばれるもので、もともとインテルが発祥と言われるフレームワークです。Google でも初期からずっと使っています。達成したい目標は何か、その目標を達成するのにカギとなる結果は何かを定義して、会社、チーム、そして個々人の目標をトラックします。ただ、どう設定するべきか、そしてそれをどう評価と結び付けるべきなのかといったことは自明ではありません。例えば、目標設定は高いほうが良い結果に繋がることが分かっていますが、高すぎると逆にコミットメントが下がってチームのパフォーマンスは下がります。このため OKR の達成度は 70%となるように設定するのですが、このとき大切なのは、OKR の達成度と報酬や人事評価と連動させてはいけない、ということがあります。これは心理学の研究成果や Google 社内での実験などから得た知見が盛り込まれたもので、半分は科学、半分はアートというべきフレームワークです。Launchpad プログラムでは、こうした ノウハウをお伝えし、参加企業が 3 か月の間に取り込むべき OKR を Google 社内のファシリテーターとともに設定して、それを実際にトラックしていきます。今回の参加スタートアップ企業でいえば、新機能実装を OKR に盛り込んでいるところもあれば、あいまいだったターゲット顧客層を定義し直して、実際にニーズがあるかどうかを検証する実装までやるという OKR を掲げているところもあります。

Leader’sLab と呼ぶリーダーシップ教育プログラムは、もともとは大企業の経営層、特に CEO 向けに開発されたものです。Launchpad では、これを従業員規模が数十人〜数百人程度で急激に組織が大きくなるスタートアップ企業の CEO や CTO など経営チーム向けに改変したワークショップを提供しています。これは単なる座学ではありません。事前にリーダーとしての自己評価を多面的にしていただくと同時に、共同創業者や経営メンバー、あるいは社員からの詳細なフィードバックを事前に集めておいて、そこから学びを得るという趣旨の参加型ワークショップです。スタートアップ企業の経営陣には、大きな組織やチームのマネジメント経験のないメンバーがいることもあります。米国のある調査によれば、VC が支援するスタートアップの失敗のうち、実に 65% が組織や人に起因する問題で、プロダクトや市場による失敗は 35% という回答を投資家から得ているそうです (*1)。Launchpad が提供する Leader’sLab には、これまで 25 カ国で 450 人のリーダーが参加して高い評価を得ています。

(*1) Source: Wasserman, Noam. (2013). The Founder’s Dilemmas.

まだ開始したばかりですが、 Google Launchpad Accelerator Program Tokyo は、スタートアップ企業が直面するビジネスやテクノロジー、組織がスケールする上での課題を取り除くことで、成長軌道に乗るお手伝いをする 3 か月間のプログラムです。2 月上旬のプログラム終了時まで、熱量の高い起業家の皆さんとご一緒して、成長の一助となれることは、われわれ Google にとっても大変に光栄なことです。
Posted by Takuo Suzuki - Developer Relations Team