今回の論文のポイント 労作後倦怠感(PEM: Post-exertional malaise)*1は、新型コロナ感染症(COVID-19)の後遺症や慢性疲労症候群*2の主症状の一つであるが、そのメカニズムは不明である。 本研究では、COVID-19罹患後に後遺症が現れる患者さんにおいては、現れない患者さんに較べて、筋力が低下し、ミトコンドリアの機能不全が起きていることがわかった。 本研究の結果より、コロナ後遺症や慢性疲労症候群に対して、ミトコンドリアを標的にした治療法の開発が期待される。 最近は、新型コロナ感染症(COVID-19)の重症化率は下がってきましたが、後遺症の問題は増加しています。これまで、新型コロナ後遺症で多いのは、喀痰・咳嗽、倦怠感、筋力低下や嗅覚・味覚障害障害などで、記憶障害も起こりやすいことが知られています。これらの後遺症は、年齢や既往症、基礎疾患の有無、コロナ発症時の