全盛期から3000店、年間100店ずつ消えている町からそば屋が減っている。“駅そば”をはじめ、「富士そば」「小諸そば」といったチェーン店はいたるところにあるというのに、町にあるそば屋――俗にいう“町そば屋”が、年々、閉店しているのだ。私が暮らす町でも、ここ数年で2店がシャッターを下ろした。 「組合の加盟店数は、昭和60年の全盛期には4000店を超えていました。しかし、現在は961店にまで減り、年間100店ずつ減少しています」 そう語るのは、東京都麺類協同組合事務局⻑の鶴川昂さん。加盟店数に限った話ではあるが、ピークだった昭和60年(1985年)から40年で、約3000 店のそば屋が東京から消失したことになる。すさまじい数の町そば屋が、東京からなくなっていることが分かるだろう。 東京におけるそばの歴史は深い。 最近、閉店した町そば屋(筆者撮影) 江戸市中の3分の2を焼き尽くしたと言われる明暦