カリスマ経営者・永守重信氏の“精神論”についていけないという社員が続々流出しているという(日本電産本社、時事通信フォト) 京都・桂川のほとりのプレハブ小屋で日本電産が産声を上げてから今年でちょうど50年。現会長の永守重信氏(78)ら4人でスタートした会社は、いまや売上高2兆円に迫る世界最大手のモーターメーカーとなった。その日本電産で社員の「大量退職」が起きている。彼らはなぜ辞めたのか──会社を去った者たちの肉声をジャーナリストの大清水友明氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む】 * * * 競合他社のシェア拡大 日本電産で課長職にいたB氏も昨年退社した一人だった。前職場が他社との経営統合を機にリストラを進めたため転職先を探すうちに日本電産を紹介された。 「採用後に本社で研修を受けましたが、永守イズムとは何かといった精神論が中心でした。研修中に永守会長が考案したPB商品を配られたので