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キダルト人口は535万人規模と推定

大人が“自分のために”買う玩具市場、推定780億円規模 「キダルト」層が業界の新ターゲットに

2025年10月21日 12時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

 ハピネットは、18歳から60歳までの男女1089名を対象に「キダルト(Kidult)に関する実態調査」を実施し、その結果を10月15日に発表した。

 「キダルト(Kidult)」とは、「Kid(子ども)」と「Adult(大人)」を組み合わせた造語で、子どもの頃に親しんだ玩具やキャラクター、ホビーを大人になっても趣味として楽しむ人々を指す。

 近年では、キダルト層向けの商品が多様化・高品質化しており、国内外で注目を集める市場となっている。

 本調査では、玩具売場におけるキダルトの実態を調査するため、キダルトの定義を「過去1年以内に自分用に玩具を購入したことがある」「購入した商品に子どもを主ターゲットとした下記11カテゴリの商品が含まれる」のいずれにも該当する大人としている。

質問「あなたは過去1年以内に玩具を買ったことがありますか。買ったことがある人は購入目的をお知らせください」の回答

 調査の結果、全国の18〜60歳の男女を母数に換算すると、キダルト層はおよそ535万人に達すると推定された。

 年間平均購入金額が1万4574円であることから、このキダルト市場の規模はおよそ780億円に達すると算出している。

質問「過去1年以内に自分用に玩具を購入した総額をお知らせください」の回答

 購入動機としては、「懐かしい気持ちになって、つい手に取ってしまった」が最多で48.6%、「昔から欲しかったが、子どもの頃は買えなかったから」が27.6%という結果で、大人が玩具を購入する背景には「子ども時代の憧れ」や「懐かしさ」という感情が強く影響していることが示された。

質問「過去1年以内にご経験した自分用の玩具購入についてお尋ねします。玩具を購入した理由をお知らせください」の回答

 また、どのカテゴリにおいても男性の平均購入額が女性を上回っており、特に男性30〜39歳では平均1万8214円ともっとも高い水準だった。

質問「過去1年以内に自分用に玩具を購入した総額をお知らせください」の回答者層

 購入頻度・継続性にも特徴があり、「子どもの頃は買っていたがしばらく買っていなかったが大人になってから再び買った(回帰)」という層が、キャラクタートイやぬいぐるみなどでおよそ3割存在しているという分析も示されている。

 購入した商品に関しては、「ぬいぐるみ」が48.5%で最多、「コレクショントイ」が35.0%と続くというデータが得られた。

質問「過去1年以内に自分用に購入した玩具・キャラクターグッズに当てはまるものをすべてお答えください」の回答

 さらに、玩具購入後の満足度については「とても満足」または「やや満足」と答えた割合が93.9%、今後も購入したいと回答した割合が91.6%に上っており、高い満足度と次の消費意欲が購入後にも維持されていると推測できる。

 この調査によれば、キダルト市場は既に数百億円規模に達しており、玩具やキャラクター商品を対象に「大人の消費」として確立しつつあるといえる。調査によれば、玩具を購入していない層にもライフステージの変化や商品タッチポイントの拡大により、新たにこの市場に参入する余地があるとの見方も提示されている。

 今後、玩具・ホビー業界においては、こうした「キダルト」需要を見据えた商品企画・販売戦略が一層重要となりそうだ。

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