Lepton Mini B860iをレビュー
通気性全振りの全面メッシュな容積14.9Lの小型ワークステーションが爆誕!RTX 5060 Ti 16GBもCore Ultra 9 285Kもばっちり運用できる
2025年10月21日 10時00分更新
サイコムのLeptonシリーズは、映像やAI、ゲーム開発といったプロの現場はもちろん、趣味の動画・写真編集やCG作成を快適に行いたいというハイアマチュア向けのワークステーションだ。高性能なCPUとビデオカードを採用し、メモリーもストレージも大容量といったリッチなスペックが特徴となる。
そして、Leptonシリーズには多くのモデルがある。性能だけではなくデザインにまでこだわった「Lepton Motion Pro」、キャプチャーボードを標準装備した配信者向けの「Lepton Stream Box」、安定性重視のデュアル水冷モデル「Lepton Hydro」などを展開している。
ここに新たに加わったモデルが「Lepton Mini」だ。インテル製CPUを搭載した「Lepton Mini B860i」と、AMD製CPUを採用した「Lepton Mini B850A」の2モデルだが、今回は前者のレビューをお届けする。
名前からもわかる通り、本機の最大の特徴は小型なところ。サイズは167(W)×363(D)×247(H)mmで、容積は14.9Lとかなり小さい。ほぼ全面がメッシュパネルで、通気性に全振りしたかのような構造になっている点もおもしろい。今回はCPUにCore Ultra 9 285Kを採用した試用機をお借りできたが、はたしてこの通気性がどう影響するのか検証してみたい。
| Lepton Mini B860i | ||
|---|---|---|
| 標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
| CPU | インテル「Core Ultra 5 235」(14コア/14スレッド、最大5GHz) | インテル「Core Ultra 9 285K」(24コア/24スレッド、最大5.7GHz) |
| CPU クーラー |
Noctua「NH-L12Sx77」(空冷、ボトムフロー、120mmファン) | |
| マザー ボード |
ASRock「B860I WiFi」(インテルB860、Mini-ITX) | |
| メモリー | 32GB(16GB×2)、DDR5-5600<メジャーチップ・JEDEC準拠品> | 64GB(32GB×2)、DDR5-5600<メジャーチップ・JEDEC準拠品> |
| ストレージ | Crucial「T500 CT2000T500SSD8」(2TB M.2 SSD、PCIe 4.0) | Crucial「T700 CT1000T700SSD8」(1TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
| ビデオ カード |
MSI「GeForce RTX 5060 Ti 16G SHADOW 2X OC PLUS」(16GB GDDR7) | |
| 電源 ユニット |
CWT「CSN650M-G」(650W、80 PLUS GOLD) | |
| PCケース | SSUPD「Meshroom D BK」(Mini-ITX) | |
| PCケース ファン |
前面:Noctua「NF-F12 PWM」(120mm)×2、背面:Noctua「NF-A9x14 PWM」(92mm) | |
| OS | Microsoft「Windows 11 Pro 64bit」 | |
| 直販価格 | 31万2310円~ | 40万7640円 |
低背の空冷クーラーにひと工夫あり
ここまで小型になると、大型のCPUクーラーは載せづらい。しかし、ビデオカードの搭載が前提だと、簡易水冷クーラーも厳しくなる。とはいえ、小型の空冷クーラーではハイエンドCPUの冷却が間に合わず、本来の性能を引き出せなくなってしまう可能性が高い。
では、Lepton Mini B860iはどうしているかといえば……なんと、約77mmと低背のNoctua製空冷クーラー「NH-L12Sx77」を採用していた。
このCPUクーラーのユニークな点は、ファンがヒートシンクの上ではなく下にあること。つまり、下から吸気して上部のヒートシンクに風を吹きつけて冷却するわけだ。ただし、これは一般的な標準的な装着方法の場合だ。
試用機ではファンの向きが逆になっており、風向は下から上への吹きつけではなく、上から下へというエアフローを構築していた。理由は色々考えられるが、一般的なトップフローのCPUクーラーと同じく、マザーボードの電源部やメモリーの冷却も兼ねるためだろう。
とはいえ、吸い出しだと風圧が弱くなりがちで、ヒートシンクから熱を奪う力が落ちてしまう懸念がある。しかし、この懸念はサイドにある2基のPCケースファンで払拭する。側面から取り入れた冷たい外気をCPUクーラーとマザーボードに直接吹きつけることで、冷却を補助しているのだ。
とはいえ、この組み合わせで本当にハイエンドCPUの冷却が間に合うのかは気になるところ。この点は後述の検証で紹介する。
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