2021年9月末に初めて衝動買いした決済用のスマートリング「EVERING」が、早いもので更新の時期となった。EVERINGには、一般的なクレジットカードと同様に有効期限があり、延長といってもシステム更新ではなく、新しいリングを購入して古いものは使えなくなる仕組みなのだ。
クレジットカードは無料での更新が当たり前だが、EVERINGは有料のサブスクリプション型デバイスで、感覚的にはゴールドカードやプラチナカードの「年会費ビジネス」に近い。ただ、今回は更新案内の中にユーザーにとって判断が難しい複数のオプションが提示されていたのが気になった。
継続特典「3万8500円→2万1450円」の正体は?
更新案内では、スタンダードプラン(ブラック/シルバー系)での「通常価格3万8500円を2万1450円」で提供という文言が目立っていた。だがこの“3万8500円”は、価格改定やシリーズ差(MATTE/ZCなど)を跨いで用いられてきた「通常価格」の表示で、いつ誰に対しての定価だったのかが、文面からはすぐに理解できない。
筆者が2021年に初代EVERINGを購入した際の価格は1万9800円だったことを考えると、「いつの通常価格なのか」という素朴な疑問を持ってしまう。
さらに、この継続特典はカラーやシリーズが限定(たとえばMATTE BLACKなど)されており、他シリーズ(NEON BUZZや限定色)は「通常価格のまま」という注意書きもつく。まとめると、2万1450円は「特別価格」であるとしても、比較基準となる「3万8500円」の意味が揺らぐ。これが釈然としない最大の理由だろう。
スマートロック抱き合わせの違和感
代替候補として挙がってきた「NEON BUZZ」という新ライン
今回は継続特典の一部として、Bitlockのスマートロック3点セット(約2万4000円相当)が実質無料で付くという提案もあった。だが、筆者宅ではすでにソニーのQrio Lockを運用中であり、追加のスマートロックは不要だ。
もちろんそこに価値を見出す人もいるであろうが、不要な商品の抱き合わせは、ユーザーにとって体験価値を高めるのとは逆に「割高感」を助長するリスクがある。結果、2万1450円の4年延長+不要なスマートロックという組み合わせは、筆者にはまったく魅力的ではなかった。
そこで目に留まったのが新ラインの「NEON BUZZ」だ。こちらは一括1万1000円/有効期限3年で、スタンダードより1年短い代わりに導入コストが低い。紛失時は一定の免責金額(ユーザー負担)が生じる条件こそあるが、年換算では約3666円と明快で、スタンダードを延長する場合より(2万1450円/4年、年約5362円)に比べ45%以上安い。
機能面では「非充電」「防水」「VISAタッチ決済」というベース部分は同等で、リングの材質差(NEON BUZZはセラミック+樹脂)による決定的な使い勝手の差は見当たらない。つまり価格差の主因は保証、付帯特典、期限にあると考えられる。
最終的にNEON BUZZを選んだ筆者はホワイト×ゴールドラインの9号を選択。アプリの「リング情報」には現行サイズが表示されるため、買い替え時のサイズ迷子を防げるのが地味に便利だ。移行操作も「スマホの機種変」と比べても極めて簡単だ。
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