猛暑が人間だけでなくスマートフォンにも牙をむく時代になった。今年の夏は例年にも増して“熱中症警戒アラート”の発令が多く、人間が屋外で注意が必要なように、スマートフォンもまた容易に熱暴走してしまう。
特に屋外での動画撮影や、ゲームの連続プレイ中などは、CPUやバッテリーがフル稼働状態となり、あっという間に内部温度は上昇し、動作制限や強制シャットダウンを招く。
こうした状況で、対策として冷蔵庫に入れたり、水に浸すなどの“都市伝説的”な応急処置を耳にするが、それはむしろスマホを破壊する危険行為である。そんなとき頼れるのが、先回りしてスマホを冷却するためのガジェットだ。
スマホ用クーラーにも“室外機”の時代がやってきた
これまでにも筆者は、ペルチェ素子を搭載したスマホクーラーや、強力な冷却ファンを備えたハンディ扇風機などを紹介してきたが、今回の衝動買いは一線を画す存在感を放っている。その名も「スマートフォン冷却クーラー 室外機モデル」。名前のとおり、まるでベランダに置かれたエアコンの室外機のミニチュアのような見た目で、遊び心と実用性を兼ね備えた異色の一品だ。
片手に収まるサイズながら、金属製の冷却プレートとペルチェ素子による2段階冷却機構を搭載。スマホとの接触面は広く、クリップ式の固定機構もよく考えられており、着脱は非常にスムーズだ。稼働中はRGBカラーLED照明が内部を照らし、カラフルな照明が冷却ファンを怪しく彩る。冷却という実用目的ながら、ビジュアル的なインパクトも申し分ない。
重量は、筆者の愛用するSHARGE社製「Flow Mini 2」(容量5000mAh・5V/2.4A出力)との組み合わせで計測すると190g。スマホ本体と合わせれば400g近い重量となるが、使用中の体感としてはスマホ2台を持っている程度。手持ちや片手操作を想定した設計ではないが、三脚や自撮り棒との併用であれば問題ないだろう。
数字で見える安心感、でも「過信」は禁物
スマートフォン冷却クーラー“室外機”の特筆すべき点は、冷却プレートの温度をデジタルで表示してくれるところだ。装着後わずか数秒で表示温度が下がりはじめ、「26度」「21度」「16度」といった具合に変化していく。目に見える“冷却中”の証拠は心理的にも安心感がある。
ただし、ここで表示されるのはあくまで「冷却プレート側の表面温度」であり、スマホ内部のセンサー温度ではない。さらに筆者の実験では、空調のない室内など穏やかな環境下では、スマホの温度上昇をある程度緩和できるものの、真夏の屋外で撮影やゲームを続けていると、“温度を下げる”というよりも、上昇を鈍らせる・遅らせるという効果に近いと感じられた。
つまり、この製品はスマホを“キンキンに冷やす”ことを目的とするのではなく、過度な温度上昇によるシステム停止や発熱暴走の予防手段として捉えるべきだろう。冷蔵庫的なイメージよりも、うちわで扇ぎながら汗をかかせないように気遣う。そんな立ち位置の製品だ。なので本来ならケースカバーなどを外した“生スマホ”が前提だ。
給電はUSB Type-C端子からの5V/2Aが基本で、筆者が使用している「Flow Mini 2」では、5000mAhの容量で計算上約2時間半程度の連続駆動が可能だった。これは、クーラー本体の消費電力が8W前後(5V×1.6A程度)と仮定し、5000mAh÷1600mAで約3.1時間という計算に基づいている。
なお、RGBカラーLED照明は自動点灯式で節電は無理だ。しかい実際の駆動時間は1時間半~2時間は可能だった。またFlow Mini 2のようにコネクタとケーブルで同時に2つのデバイスに充電・給電可能なモバイルバッテリーなら駆動時間は短くなるがスッキリと収まった形態での活用も可能だ。
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