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2025-09-29

国宝面白いだとか面白くないだとか

職場で「国宝」が3時間もあるくせに詰まらん、と話題になった。

自分は多額のお金をかけて作られた「国宝」はたとえストーリーがつまらないのだとしても、かけられたお金の分の見応えはあるだろうと考えて見に行った。

感想としては「最高に面白い」では無いが、「つまらない」では無く、「興味深い」になる。

ビジュアルに関してはもちろん演出舞台衣装メイクと全てにお金がかかっており大変素晴らしかった。

ストーリーfunではなくintrestingだ。文学的小説を読んだ時の感覚だ。共感は出来なかったが、いくつかのシーンは深く心に突き刺さった。

では何が面白く、何がつまらないと感じる要因か切り分けて推論したいと思う。

 

  

①絵の切り取り方

自分は上映中に主人公たちの見分けがつかなかった。

それは何故か?

 1.目が悪い

 2.歌舞伎衣装になると見分けがつかない

 3.引きの絵が多い

この3点が理由と考える。

 3について考える。

 この作品においては劇中に表情がアップになる場面が少ないと感じた。

理由として、これは歌舞伎の話であり歌舞伎を見せるべきである。故に歌舞伎という全身の演技、その舞台を見せるためだと考える。

 また、表情のアップというものはある種漫画的でコミカルもしくはヒロイックな印象を与えるのではないだろうか?

今作ではあくまでもひたむきに、ひたすらに歌舞伎とそれに取り組む姿を映すため、顔に寄るカメラは最低限になっていたと感じた。

 絵の切り取り方がつまらなさを感じさせる理由について考える。

寄りの絵が無い、というのは漫画的に言うと決めゴマが無いと言える。例えるなら印籠を出さな水戸黄門のようなものだ。分かりやすく見映えのする面白い箇所が無いと冗長的でつまらないと感じる可能性がある。

故に国宝においては何を面白いと感じれば良いよのか分からず、つまらない映画だと感じる人もいるかもしれない。

 

ストーリーが合わない

 最初に述べたが本作はfunでは無くintrestingだ。主人公達が才覚を表し歌舞伎界のヒーローになる様を観たかった人にとっては残酷物語となる。

 そしてこれは文学的方向性小説と考える。良く冷えたビールのような喉越しの良さでは無く、後に残るほろ苦さの深みを味わうのが良いだろう。

 

ストーリーの間が合わない

 本作においてはテンポ感のある掛け合いというのは少ない。先の項で述べた通り小説的な映画であるため、明確に発言されるのでは無く、表情、声色、無言の間、から音声では無い秘めたセリフが現れる。故に言葉だけを追うと謎の間がつまらない上、ストーリーもついて行けない可能性がある。

 

 

 総括すると、小説慣れした人にとっては非常に面白い作品だろう。しか小説を読まない人にとっては非常につまらない作品だろう。

より本作を楽しむ一手として曽根崎心中、鷺娘、娘道明寺(二人道明寺)を少し知っておくとより楽しめる。

もちろん歌舞伎のことが全くわからなくても楽しめるので、この映画空気感は是非劇場で味わってほしい。

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