木樽仕込みの自然発酵で懐かしくも新しい味に
1914年創業の「小田島水産食品」は、戦後間もない47年から塩辛を製造する老舗。工場では長年使い酵母や乳酸菌が住み着いた木樽で、塩漬けした真イカを7日間熟成。看板商品「木樽仕込いか塩辛」のまろやかで深みある味わいは、自然発酵が生み出す旨みと手間暇が合わさる伝統の味だ。
工場直売所では、道産ヤリイカを使う一品から新潟の発酵薬味〝かんずり〟入りまで、11種類の塩辛を販売。併設の「塩辛バル」で試食や塩辛料理を楽しみながらお気に入りの味を探すこともできる。「塩辛食べ比べセット」を注文し、一つひとつ特徴を聞きながらご飯や酒と味わうと、塩分濃度やイカゴロの量、合わせる食材で、大きく印象が変わる塩辛の繊細でふくよかな味をじっくりと堪能できる。今年、創業当時の味を復刻した「本熟成木樽造り」は、塩分20%の強い塩気が地元の人から「懐かしい」と好評で、一緒に地場の日本酒もよく出るように。昔ながらの味に舌鼓を打ったり、新しいアレンジを試したり、塩辛の奥深い世界に出合える場所だ。
(ハコラク 2025年11月号掲載)
小田島水産食品 塩辛BAL
函館市弁天町20‐7
☎0138‐22‐4312
9:00~16:00
不定休
禁煙
P有り
キャッシュレス決済利用可