(社会新報2022年8月3日号3面より) ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBSワシントン支局長のジャーナリスト・山口敬之氏から性暴力を受けたとして1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)が7月7日付で双方の上告を退け、二審判決が確定した。これを受けて、伊藤さんが7月20日、都内で記者会見を開き、5年間の闘いへの思いを語った。 ◇ この事件が特異なのは、安倍晋三元首相と親しい関係にあった山口氏が、伊藤さんへの準強姦罪容疑で逮捕される直前の2015年6月8日に、当時の中村格・警視庁刑事部長(元菅義偉官房長官秘書官、現・警察庁長官)の指示により逮捕が突如取り消しとなったことである。刑事事件が警察幹部によってもみ消された。伊藤さんは民事訴訟の闘いへとかじを切った。 2019年12月18日の東京地裁では「合意のないまま行為に及んだ」と認定し、慰謝料など330万円の支