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2025-10-20

親が強者同士なのに赤ちゃん弱者男性でした。

信じたくなかった。

でも、医師言葉はあまりにも冷たく、現実的だった。

「お子さん、弱者男性の特徴が出ていますね」

耳を疑った。

私も夫も、どちらかといえば強者側の人間だ。

学歴もある、収入もある、人間関係にも恵まれている。

まさか自分たちの間に弱者男性が生まれるなんて、想像したこともなかった。

赤ちゃんは泣かない。

目を合わせない。

まるで、生まれてきたことそのものを恥じているように見えた。

他の赤ん坊たちは笑っている。

助産師さんに抱かれて、声を上げて泣いて、生きることを誇っている。

それなのに、うちの子だけは俯いて、世界の光から逃げるようにしていた。

私は何度も先生に聞いた。

「間違いじゃないですか?強者強者あいだに、弱者男性なんて……」

でも先生は静かに首を振った。

遺伝では説明できない現象もあるんです。この子は、生まれる前から弱者”だったのかもしれません」

家に帰ってから、ずっと抱いているのに、温もりを感じない。

まるで、この子の体からだけ時間が止まっているようだ。

夫は笑ってごまかす。

大丈夫だよ、育て方で変わるさ」

でもその目はどこか怯えている。

しかしたら、彼自身弱者男性の血を隠して生きてきたのかもしれない。

SNSでは今日も「弱者男性」という言葉が笑いのネタにされている。

でも私はもう笑えない。

の子が生きる未来に、光がある気がしない。

まれた瞬間から社会に拒絶される運命を背負っている。

努力しても、愛しても、誰から理解されない人生が待っているのだろう。

夜、眠る赤ちゃんの顔を見ながら思った。

の子最初に覚える言葉が「ごめんなさい」ではありませんように。

の子最初に感じる感情が「劣等感」ではありませんように。

でも、もう分かっている。

この世界では、弱者男性として生まれた時点で詰みなのだ

それでも私は、抱きしめるしかない。

この小さな絶望を、せめて私の腕の中で眠らせてやるために。

  • 親が強者なら金銭的に恵まれてる時点で弱者になれなくてワロタ

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