歌会始に入選 つくばの芳山さん 犬の散歩中にイメージ

谷口哲雄
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 【茨城】18日に皇居で催される「歌会始の儀」の入選者に、つくば市の芳山三喜雄さん(49)が選ばれた。前回の佳作に続く朗報に「うれしくて、びっくり。大変光栄です」と喜びを語る。

 今回の題は「窓」。東日本大震災から数年後、被災者と出会った時の光景を詠んだ。「震災当時はタイに出張中で、自分では揺れも体験していない。世間はもう落ち着いているように見えたが、改めて震災の大きさを思い知らされた」

 愛知県常滑市出身。筑波大学で大学院まで進んだ。現在は農研機構(つくば市)でミツバチを研究し、遺伝子解析などに携わる。

 歌を作り始めたのは4年前。腰を痛めて自宅で療養中、たまたまテレビで短歌の番組を見た。情景が心に浮かぶ素晴らしい作品がたくさんあり、自分でもやってみたいと思ったのがきっかけだった。地元の短歌教室に毎月通い、表現力を磨くようになった。

 夕方、愛犬のチワワと日課の散歩をしながら歌を詠む。「近所の公園でぼーっとしていると、かつて訪れた場所などが絵や短い動画になって浮かんでくる」。そのイメージを言葉にしてスマホに打ち込んでいく。

 歌の題材に決まったジャンルはない。心の赴くまま景色や情景を詠むこともあれば、心情や回想を文字にした作品もある。無理に形を整えようとはせず、素直な表現を心がけている。

 「これからも浮かれることなく、初心を大切にしたい。出来栄えは気にしないで、自分のペースで楽しく歌を作っていきます」

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