

- 「転職するなら資格は持っておくべき?」
- 「キャリアアップが叶う資格はどれ?」
キャリアアップや、将来のライフプランを考えたとき、自分のスキルを証明できる「資格」の必要性について疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
実は、必ずしも資格の取得が転職に有利に働いたり、キャリアアップにつながったりするとは断言できません。転職では資格よりも実務経験が重視されやすいからです。ただし、資格によってはキャリアチェンジに役立ったり、実務経験を証明できたりと、転職に有利に働くケースもあります。
そこで気になるのは「実務経験を重視する転職において有利な資格とは一体何か?」「転職に有利に働くケースとは?」という点ですよね。
必ずしも資格を持っていることが転職で優遇されることにつながるわけではありませんが、資格の取得は自身のスキルを客観的に証明してくれる存在になることは確かです。
この記事を通して転職に有利な資格の選び方や資格の種類を確認すれば、取得するべき資格や転職活動において行うべきことが分かるでしょう。ぜひ自己研鑽の参考にしてください。
目次
1.どんな資格でも転職に有利とは限らない理由
資格の取得について前向きに検討する前に知ってほしいことがあります。それはどんな資格も有利に働くわけではないということです。
資格が転職に有利に働かない2つの理由について解説します。
1-1.中途採用では資格よりも実務経験が重視されやすい
中途採用の場合、企業が注目するのは『実務経験』の部分です。
なぜなら、中途採用を行っている企業が求めている人材は意欲やフレッシュさのある新卒ではなく、企業の対応力を高め、厳しい競争環境の中でもスピード感を持って成長していける人材を求めているからです。
新卒から専門性を持った人材へと育成していくには時間もコストも必要になるため、中途採用では「すでに実務経験を通して培った知識のある人材を採用して企業成長につなげたい」と考えている企業も少なくありません。
資格取得に力を入れるよりも、すでに持っている経験やスキルをどのようにアピールするかをブラッシュアップしたり、ポートフォリオとして提示できる制作物を作ったりなど、実務経験を補うような活動が有効に働く場合もあることもおさえておきましょう。
資格の取得には少なからず時間もコストも必要になるため、どこに時間やコストを使うかをよく考える必要があります。
1-2.資格が評価対象にならない場合もある
実務に関連性が低い資格をアピールしても有効性は低く、資格が評価されない場合もあります。
なぜなら、企業は企業としての力を促進させてくれる人材を求めているからです。
例えば、業務の効率化を図るために社内プロセスをIT化できる即戦力のあるエンジニアを求めている企業があるとします。
このような場合、ExcelやWordが使えることを証明できる資格を持っている人と、資格を持ち合わせていないが業務プロセスのIT化を行えることが証明できる人、どちらが企業が求めている人材であると言えるでしょうか?
採用に至るまでにはもっとさまざまな要因がありますが、即戦力を求めている企業であれば、後者の方が優位性があると言えるでしょう。
資格の取得が必ずしもスムーズな転職やキャリアアップにつながるわけではないことをおさえ、資格に有効性があるかどうかを見極めてから資格取得を目指すことが賢明です。
次の章では転職の際に有利に働く資格選びについてご紹介します。
2.転職に有利な資格とは?資格選びのヒント
資格が有利に働くかどうかはご自身の状況や目指すキャリアによって異なるため、一概に「この資格なら間違いない」と言える資格はありません。
そのため、「自分にとって有利に働く資格か?」を考える必要があります。資格が有利に働くかを見極める際は、以下の観点から考えていきましょう。
- キャリアプランを明確にする
- 取得できそうかを調査する
2-1.キャリアプランを明確にする
まず自分のキャリアプランを明確化したうえで必要な資格があるかを考えていきましょう。
その理由は、資格取得には時間もコストも労力も必要だからです。せっかく時間も費用も使って資格取得したにも関わらず、転職で優位性を持てなかったり、キャリアアップにつながらなければ資格の意味がありませんよね。
時間もコストもかけて取った資格を有効なものにするために、資格を選ぶ際は自分の目指すキャリアプランを叶える資格であるかどうかを見極めることが重要です。
キャリアプランを明確にすると、何のために、どんな資格が必要なのかが見えてくるでしょう。

人によって思い描くキャリアプランは異なります。自分の理想とする将来像に資格が必要であるかをキャリアプランから考え、有利に働く資格にはどんなものがあるかを絞り込んでいくと効率的です。
第3章では、転職に有利に働きやすい権威性のある資格を紹介しています。職業別に紹介しているので、ご自身の属する、もしくはこれから属したいと思っている職業と照らし合わせてご確認ください。
2-2.取得ができそうか調査する
「資格を取得する」と言っても、勉強に必要な時間や試験のタイミングは資格それぞれで違うため、「資格が欲しい」と思ってもすぐに取得できるものではありません。
難易度の高い資格であれば、それなりに勉強時間を確保しなければなりませんし、場合によってはお金をかけて資格スクールに通う必要がある場合もあるでしょう。
資格はいつまでに必要で、資格取得までにどれくらいの勉強時間が必要か、実際に勉強時間をどれほど確保できるのかなど、資格の難易度と自身のスケジュールと照合して、資格取得が現実的かを考える必要があります。
次の章で紹介している資格一覧では、資格別に取得の難易度と学習期間の目安を記載しました。個人が持つ知識や経験などによっても難易度と学習期間は大きく異なりますが、目安として参考にしてください。
3.【職種別】転職に有利な資格一覧
2章でお伝えしたように、転職に有利に働く資格かを見極めるには、自身のキャリアアップを明確にすることと、資格取得が実現できるかを確認することが鍵となります。
もしも転職に有利に働く資格の取得ができれば、文章や言葉で自分のスキルを説明するよりも、端的かつ信用性を高めて伝えることができるため、心強い味方になってくれるでしょう。
そこで3章では具体的にどのような資格が有利に働く資格なのかを職業別にお伝えいたします。
「資格の取得が理想とするキャリアプランの実現につながるか」に注目しながら、どのような資格があるかを見ていきましょう。
3-1.営業職
営業職はお客様の要望や悩みを正確に聞き取るスキル、PCスキル、企画提案力、スケジュール管理能力、などのスキルを駆使し、お客様に寄り添いながら解決に導く職業です。
有利な資格は営業スタイルや営業の内容によっても異なりますが、以下のような資格は営業職のキャリアアップに役立ちます。
3-1-1.中小企業診断士
中小企業診断士は中小企業の抱えている課題を解決に導くために診断および助言を行う専門家です。国家資格であるため、国も認める経営コンサルタントとして働くことができます。
経営戦略からマーケティング、製品管理、IT、総務や人事に至るまで経営全般に関わる知識が身についていると証明できるため、経営に課題を抱えている中小企業に求められる人材になれるでしょう。
横断的な視野で考えられる能力は会社経営に重宝されるスキルであるため、大きな強みになる資格と言えます。転職はもちろん、独立や開業も目指せる資格です。
ただし、合格率は約5%と低く、他の資格と比較しても難易度は高いです。試験のためにしっかりと勉強する時間を確保する必要があります。
資格取得の難易度:★★★★★
学習期間:8ヶ月~1年半
3-1-2.ファイナンシャルプランニング技能士
お金の悩みを抱えている顧客の日々の節約方法から投資、住宅ローン、教育、老後、相続などを経済的な面から助言し、顧客が理想としているライフプランの実現をサポートする資格です。
人生に必要となるあらゆるお金の基礎知識があると証明できるため、銀行や証券、保険などの金融機関をはじめ、長期間にわたる住宅ローンを組んで購入する人が多い不動産業界でもアピールできる資格と言えます。
実務経験を補強できることはもちろんのこと、新しく金融機関や不動産業界へチャレンジしたいという場合でも有利に働く可能性がある資格です。
ファイナンシャルプランニング技能士には1~3級に分かれています。まずは3級を保有していなければ2級や1級の受験資格は受けられないため、まずは3級の取得を狙いましょう。
3級は合格率が70%と難易度が低いためチャレンジしやすい資格と言えます。
資格取得の難易度:★★☆☆☆(3級の場合)
学習期間:2ヶ月~1年
3-1-3.TOIEC
TOIECとは英語のコミュニケーション能力を評価するテストです。世界共通のテストであるため、英語レベルを示す国際的な基準となっています。
英語はほとんどの国の共通言語となっているため、海外の起業と取引する際は英語でコミュニケーションを取ることが一般的となっています。海外企業とオンラインミーティングをしたり、テキストでやり取りしたりすることが一般的な企業もあるでしょう。
そんな企業で働くなら、必然と必要になるスキルが英語力です。採用時や昇進時には客観的な視点で判断するためにTOIECのスコアを基準にしている場合もあるため、TOIECの高いスコアはキャリアアップにつながる資格の1つであると言えます。
スコアレベルは700点以上を目標にすることがおすすめです。700点とは日常のコミュニケーションに支障がないレベルとみなされるため、転職がスムーズにいきやすいでしょう。
資格取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:3ヶ月~1年
3-2.IT職
「IT職」とひと言で言っても、ITが身近な現代はどんな職種を選ぶかで仕事の内容は大きく異なります。
また、IT系の資格には多くの種類があり、難易度にも幅がありますが、ここでは3つの資格についてご紹介します。
3-2-1.基本情報技術者
基本情報技術者は情報処理を行うためのプログラミングなどの知識や言語が身についていると証明できる資格です。
数多くあるIT系の資格の中でもIT業界への転職やキャリアアップに有利と言われている国家資格で、特に人気が高く、資格取得を目指して年間10万人もの人が受験に挑戦しているという統計も出ています。
IT業界にはインフラ構築、システム構築など異なる分野がありますが、基本情報技術者はあらゆる分野でも共通している基礎知識を身についていることを証明できるものなので、転職の際には選択肢が増えることが期待できるでしょう。
基本情報技術者の合格率は20~30%と低く、安易に取れる資格とは言えません。だからこそ、資格取得者は企業から注目を集める資格になると言えます。
資格取得の難易度:★★★★☆
学習期間:2ヶ月~6ヶ月
3-2-2.情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士とは情報セキュリティに特化した知識があることを証明する国家資格です。
情報を守るべく、国も力を入れている資格で、合格後に情報処理安全確保支援士として登録した後は定期的に行われる研修を受けられるため、最前線のスキルを維持できる制度が取り入れられています。
情報セキュリティは企画から開発、運用におけるすべての工程で求められるためIT業界で重宝される資格であることは間違いありません。
そのため、エンジニアはもちろん開発や運用、コンサルティングとして従事し、活用することもできる資格です。持っていると強みになる資格であるため、キャリアアップの叶う資格であると言えます。
合格率は10~20%とIT系の中でも特に難しい試験内容ですが、資格を取得できれば情報セキュリティのスペシャリストとして転職では優位性を得ることができそうです。
資格取得の難易度:★★★★★
学習期間:6ヶ月~1年半
3-2-3.GCP・AWS・Microsoft Azure
GCP・AWS・Microsoft Azureはパブリッククラウドサービス認定資格における代表的な資格です。
パブリッククラウドサービス認定資格とは、GoogleやAmazon、Microsoftなどクラウド事業者が公式に展開している資格を指します。
パブリッククラウドはコストや時間をかけずに導入できるうえ、インターネット環境があればどこからでも利用ができたり、誰でも使いやすい使用感であったりと、業界や職種を問わず活用されているものです。しかし、誰しもがクラウドを正しく理解して扱えているとは限りません。
パブリッククラウドサービス認定資格を所有していると、クラウドに関する基本的な知識のほかに、サービス内容の熟知や応用ができると証明できるため、転職に有利に働く可能性があると言えるでしょう。
代表的な3つのパブリッククラウドサービス認定資格については以下のとおりです。
GCP(Google Cloud Platform)
GCPはGoogleの提供する認定資格です。9種類の資格がありますが、大きく分けるとアソシエイト資格とプロフェッショナル資格に分かれています。
例えば、『アソシエイトクラウドエンジニア』を取得すると、設定や実装、アクセスやセキュリティの構成ができるスキルを証明することができます。実務実績が6か月以上あることが受験資格となっているため、実際にGCPを活用して学ぶことがおすすめです。
取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:6ヶ月~
AWS(Amazon Web Service)
Amazonが提供する認定資格で、認定資格は12種類あります。
資格の内容は異なりますが、例えば『クラウドプラクティショナー』という資格は「Amazonの基本的なサービス内容やメリット、持っている機能、運用について説明できる」ことを証明できる資格です。
取得の難易度:★★☆☆☆
学習期間:6ヶ月~(受験資格として6か月の使用期間があることと定められています)
Microsoft Azure
Microsoftが提供する認定資格で19種の資格があります。基本的な資格は「マイクロソフトアジュールファンダメンタルズ」で全般的な基本知識とサービスの提供方法の知識があると証明できます。
Microsoft Azureのセキュリティ機能や管理ツール、料金プランなど全体的なサービス内容の知識を得られれば合格を狙える難易度です。
取得の難易度:★★☆☆☆
学習期間:1ヶ月
3-3.建設・住宅系職
建設関係や不動産業界など、人の暮らしに欠かせない建物に携わる仕事ではどのような資格が有利に働く資格なのでしょうか。3つの資格を紹介します。
3-3-1.建築士
建築物を創造し、設計する建築士はハウスメーカーやゼネコンに転職できたり、建築事務所を開業したりとキャリアアップにつながる働き方ができる資格です。
「建築士」は二級建築士と木造建築士があり、資格試験を受けるためには大学や専門などの建築学科を卒業する、もしくは数年の実務経験を積む必要があります。
二級建築士の資格を持ちながら実務経験を数年こなすと、一級建築士の受験資格を得ることができ、権威性のある資格の取得へ挑戦することも可能です。
受験できるまでに実務経験を積んだり、大学や専門学校で学ぶ必要があるため、取得までに時間がかかることがデメリットではありますが、資格取得後はスペシャリストとして権威性を示すことができるでしょう。
取得の難易度:★★★★★
学習時間:2年~
3-3-2.宅地建物取引士
宅地建物取引士とは略して「宅建士」と呼ばれる資格です。宅地建物取引士は年間約20万人もの受験申込がある人気の高い国家資格で転職を有利に進められる資格と言えます。
その理由は、宅地建物取引士の資格を保有していなければ、土地や物件の売買・賃貸物件のあっせんなど、不動産に関わる業務を行うことが許されていないためです。
法律では不動産を経営する条件として“従業員の5人に1人は必ず宅地建物取引士を置くこと”と定められているため、不動産業界では宅地建物取引士の資格所有者は重宝されます。転職や昇給などにつながる資格です。
取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:2ヶ月~1年
3-3-3.インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターはセンスを活かしながら快適な空間を作り上げる仕事です。お客様の要望を的確に把握し、悩みを解決しながら要望に寄り添う空間を提供するために内装で扱う家具や壁紙、建材などに関する専門的な知識を持つ必要があります。
インテリアコーディネーターの資格は有効期限が5年と定められており、継続して所有するには研修を受け、更新料を支払う必要があります。
必ずなくてはいけない資格ではありませんが、合格率は30%に届かず、安易に取得できる資格ではありません。誰しもが持てる資格ではないため、取得すると意欲や専門的な知識を網羅していることをアピールできるでしょう。
インテリアコーディネーターは建築関連や住宅設備を扱うメーカー、メディアやイベント会場、ホテルなど多くの場面で求められるスキルのため転職の選択肢が広がったり、キャリアアップが叶う資格であると言えます。
取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:3ヶ月~6ヶ月
3-4.事務・管理部門職
縁の下の力持ちと言われる事務職は組織が円滑に回るようにサポートをして社内の人のサポートを行ったりする仕事です。企業の売上に直接的な関わりがなくても、企業になくてはならない存在と言えます。
そんな事務職の業務は多岐にわたるため、有利になる資格も多く存在します。事務・管理部門職に有利な資格を4つご紹介します。
3-4-1.日商簿記
日商簿記は社会人が持つべきスキルとして認知されています。経理や財務、一般事務など活かせる場面は多く、絶対的な信頼を得ている資格であるため受講生は年間60万人を超えるほどの人気ぶりです。
業界や職種に縛りはないため、あらゆる業種への転職で有利に働くでしょう。結婚や育児などのライフスタイルの変化が生じた場合も転職が有利に働くケースもあります。「最も企業で求められている資格」とも言われているため、多くの人に役立つ資格であることは間違いありません。
日商簿記には1級~3級まで種類があります。2級は難易度が高いですが、商業簿記(株式会社の簿記)と工業簿記(工場で使われる簿記)もできることが証明できるうえ、仕事に対する熱意も伝わりやすいです。日商簿記の取得を目指すのであれば2級の取得がおすすめです。
取得の難易度:★★★★☆(2級)
学習期間:月6ヶ月~8ヶ月
3-4-2.行政書士
行政書士とは国民や企業が行政に対して行う複雑な書類作成や提出を代行して行ったり、相談にのったりして生活や業務を円滑に進めるサポートをする仕事です。
会社設立の手続きや建築の許認可を申請したり、相続や不動産登記を行ったり、外国人に関する手続きを代行したりなど、活躍できる場面は多く、転職にもキャリアアップにもつながる資格として性別や年齢を問わず人気が高まっています。
行政書士の合格率は10%前後と決して簡単に取れる資格ではありませんが、多様な分野で使える資格であるため、実務経験を補強する資格にもなり得ます。
取得の難易度:★★★★☆
学習期間:6ヶ月~1年
3-4-3.社会保険労務士
社会保険労務士とは就業規則や社会保険、年金制度など「人」に関わるところに特化した知識を持っていると証明できる資格です。
企業経営には人の存在は欠かせないため、問題点を洗い出したり、助言を行ったりして会社の経営を守りながら成長させていく重要な役割を担っています。
近年では働き方改革や少子化・高齢化による社会保険の拡充、コロナ禍など社会の変化に対応していく力が問われています。人に関する問題を取り扱える社会保険労務士に注目している企業も増えているため、転職に有利な資格であると言えます。
取得の難易度:★★★★☆
学習期間:6ヶ月~1年半
3-4-4.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSとはMicrosoft Office Specialistの頭文字をとって略したものです。国際資格の一種で、今やビジネスの基本ツールとなっているWordやExcel、PowerPointなどのスキルを証明できます。
データを入力したり、書類の作成やファイリングをしたり、備品管理を行ったりなどの業務をWordやExcelを使っている企業が多いでしょう。また、書類作成の中にはプレゼンテーション用にPowerPointにまとめることも要求される場合もあるかもしれません。
ビジネスシーンでは基本的なスキルになるため、パソコンの操作性に問題がないことを証明するためにもMOSの資格は役立ちます。
取得の難易度:★☆☆☆☆
学習期間:1ヶ月~3ヶ月
3-5.飲食・サービス職
健やかや、豊かさ、癒やしを与えてくれる飲食・サービス職は学生でも挑戦しやすい職業で多くの人に選ばれている職業の1つです。
食やサービスを提供する飲食・サービス職に就く際に有利な資格についてご紹介します。
3-5-1.調理師免許
調理師免許とは、食に関する基礎知識や調理技術、衛生面のことから、栄養に対する知識などを持っていることを証明する資格です。
調理師として働く際に必ず持ってなくてはいけない資格ではありませんが、客観的に専門知識を持っていることを証明できるため、お店の信頼度を上げたいと思っている企業への転職であれば資格の取得は有利になると言えるでしょう。
調理師免許は調理科の高校や大学、専門学校を卒業するか、調理師としての実務経験を2年以上積んで試験を受けて資格を取得する方法の2パターンがあります。
取得の難易度:★★☆☆☆
学習期間:3ヶ月~6ヶ月
3-5-2.管理栄養士・栄養士
管理栄養士と栄養士は、栄養面から食事の指導をしたり、栄養素のバランスを考えた献立作成をしたり、食材の発注を行ったりと、食事の管理を行う仕事です。
学校や介護福祉施設などの集団に向けた指導を行う場合もあれば、病院などで療養している人やアスリートなど個人の栄養面を指導する場合もあります。
管理栄養士と栄養士はどちらも食事の栄養から人を健やかにする仕事ですが、管理栄養士は集団施設の栄養指導を行い、栄養士は食生活アドバイザーなどで活躍するケースが多いようです。
健康的な食事は人にとって欠かせない課題であるためニーズは安定しています。資格の取得はスムーズな転職につながると言えるでしょう。
【管理栄養士(都道府県知事の免許を受けた国家資格)】
取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:3ヶ月~6ヶ月
【栄養士(厚生労働大臣の免許を受けた国家資格)】
取得の難易度:★★☆☆☆
学習期間:2ヶ月~3ヶ月
3-5-3.ワインエキスパート
ワインエキスパートとは、ワインに関する専門知識を持っていることを証明できる資格です。ワインの資格と言えば、「ソムリエ」と言われる資格が代表的ですが、ソムリエの受験資格には『実務経験が3年以上、かつ第1次試験日にも従事している』という条件があります。
一方ワインエキスパートは実務経験がない人でも20歳を超えていれば試験が受けられる資格です。
一般社団法人日本ソムリエ協会が認定しており、試験形式もソムリエの資格と同じであるため、ワインエキスパートの資格はソムリエと同等の専門知識を持っていることを証明することができます。
実務経験がなくてもワインに関する高い知識を持っていることを証明できるため、サービス業に転職する際は有利に働く資格であると言えます。
取得の難易度:★★★☆☆
学習期間:2ヶ月~6ヶ月
3-6.医療・介護・福祉職
命や健康を守りながら生活の自立を目指す医療・介護・福祉職は、高齢化が進む日本で今後ますます求められる職業です。
ニーズは今後も上昇していくことが予想されるため、医療・介護・福祉分野の資格は転職や復職にも役立つと言えるでしょう。おすすめな資格についてご紹介します。
3-6-1.医療事務
医療事務は医療現場で必要になる事務をサポートできることを証明できる資格です。
例えば、外来や入退院の受付・清算を行ったり、カルテの管理を行ったりする窓口業務から、診療報酬明細書(レセプト)の作成、医療保険に請求を行う業務などを行います。
資格を取得すると専門知識を持っていることを証明できるため、未経験やブランクがあっても転職に有利に働く資格であると言えます。
医療事務の資格には4つの種類があります。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務 管理士技能認定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務認定実務者
複数あると何を選べばいいのか迷ってしまいますが、難易度はさまざまなので「未経験でも取得しやすい」「実務経験を補強してキャリアアップにつなげられる」など要望に合わせて選ぶことがおすすめです。
取得の難易度:★☆☆☆☆~★★★★☆
学習期間:1ヶ月~1年半
3-6-2.社会福祉士
社会福祉士は身体的・精神的・経済的な面でハンディキャップがあり、助けを必要とする人に対して相談や助言・指導を行う人です。ソーシャルワーカーとも呼ばれ、医療機関や行政、各関連施設をつなぎ、支援を行っていきます。
少子高齢化社会が課題となっている現代では福祉的な課題が多く、求められている職業の1つです。資格を取得しなくても従事することは可能ですが、社会福祉士の資格の難易度は低くありません。
そのため、高い専門的知識を持っていると端的に証明できる資格は転職で有利に働くと言えるでしょう。
取得の難易度:★★★★☆
学習期間:3ヶ月~1年
3-6-3.ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネジャーは介護を必要とする人が適切に介護保険サービスを受けられるよう、相談者の心身の状態や相談内容に応じてサービスのプランニングを考えて計画書を作成したり、サービスを提供する事業者とのやり取りを代行したりする専門家です。
ケアマネジャーとして働く場合は介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要がありますが、受験資格は指定業務が5年以上経験することで得られるため、高い専門性を持っていることを証明できる資格となるでしょう。
介護業界のニーズは高まり続けているため、ケアマネジャーは今後ますます必要とされる資格であることは間違いありません。業務範囲が広く、専門的な知識が求められるため、活躍できる場がグッと広がる資格であると言えます。
取得の難易度:★★★★★
学習期間:6ヶ月~1年
4.【年代別】20代と30代におすすめな資格とは
資格が有利に働くかどうかは、自身の年齢にも注目して考えるといいでしょう。
なぜなら、年齢はキャリアの方向性を左右する1つの要因になるからです。ここでは、20代と30代で異なるおすすめの資格をご紹介します。
4-1.【20代】キャリアチェンジを目指せる資格
20代はキャリアチェンジを目指せるような資格の取得にトライしてみることもおすすめです。
20代はビジネスパーソンとしての基礎を身に付けている時期であり、実際に社会に出てみてから「自分は何をしたいか」「何ができるのか」が見えてくる時期でもあります。
もしも働きたいと思う仕事が別に見つかったなら、大きくキャリアチェンジすることも実現できる年齢であると言えるでしょう。
例えば、高いニーズや権威性のある資格を取得してキャリアチェンジやキャリアアップが叶う転職につなげることもおすすめです。
20代のキャリアチェンジにおすすめな資格
- 中小企業診断士
- 情報処理安全確保支援士
- 建築士
- 行政書士
- 医療事務
- ケアマネジャー
4-2.【30代】専門性を高めて価値を上げる資格
30代はこれまでの経験を証明できたり、より専門性を高めて自分の価値を上げることができる資格の取得がおすすめです。
なぜなら、30代はある程度社会経験を積んできているため、キャリアとの関連性を重視した方が高い専門性があることをアピールできる資格になるからです。
20代のように大きなキャリアチェンジを目指す資格よりも、これまで積んできたキャリアを証明する資格であったり、より希少性の高いスキルがあることを証明できる資格を取得することで、キャリアを活かした転職が叶う資格につながりやすくなるでしょう。
これまで積み上げてきたキャリアをより強固なものにする資格で自身の価値やスキルを高めることがおすすめです。
30代のキャリアアップにおすすめな資格
- ファイナンシャルプランニング技能士
- TOIEC
- 基本情報技術者
- 宅地建物取引士
- インテリアコーディネーター
- 社会保険労務士
5.まとめ
中途採用では実務経験を重視する傾向にあるため、資格の取得が必ずしも転職で有利に働くと限りません。しかし、資格取得は働くことに対する姿勢や専門性を端的に証明できる存在であることは確かです。
ただし、「人気があるから」など安易な考えで資格の取得を目指すことはおすすめしません。
どのような資格も取得するためには時間もコストも必要だからです。しっかりした目標がなければモチベーションを維持することは難しいでしょう。
まずは自身のキャリアプランを明確にして、実現するためにはどのような資格が必要なのかを考えることがおすすめです。
時間や労力、コストを無駄にしないためにも、慎重に資格選びをして自分のキャリアプランの実現を目指していきましょう。




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