

「仕事を辞めたい」と感じているあなたは、今とても苦しい思いをしているのではないでしょうか。
「本当にこのまま辞めていいの?不安に思う」
「私はもっとがんばるべきなのかも」
「でも、もう耐えられない……!」
そんなつらさと葛藤のなかで、深く悩んでいるところかもしれません。
結論からお伝えすると、辞めるにせよ辞めないにせよ、心が混乱した今の状態では、大きな失敗をするリスクがあります。
今のあなたに必要なのは、手順にのっとって状況を整理し、最善・最適な対処法を見極めることです。
本記事では、今後のあなたの人生を左右するといっても過言ではない「仕事を辞めたい現状への対処法」について、具体的に詳しく解説します。
本記事のポイント
- 仕事辞めたい度を客観的にチェックできる
- 仕事を辞めて良いケースとダメなケースを解説
- 辞めたい理由別に適切な対処法がわかる
「仕事を辞めたくて苦しい気持ちを何とかしたい」
「仕事を辞めたいけれど、本当に辞めていいのか迷っている」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「つらい感情を整理してラクになれる」のはもちろん、今後のキャリアを冷静に考え、後悔のない決断ができるようになります。
それではさっそく、「仕事を辞めたい人の完全ガイド」をご紹介しましょう。
目次
1. 13個以上当てはまったら限界!仕事辞めたい度の診断チェック
「仕事を辞めたい」といっても、個人差があります。
なんとなく口癖のように、軽い気持ちで辞めたいと言っている人もいれば、心身の限界が迫っている人もいるでしょう。
そこで、まずあなたがどのレベルにいるのか「仕事辞めたいレベル自己診断テスト」でチェックしてみてください。
1-1. 仕事辞めたいレベル自己診断テスト
次の26個の質問に当てはまると思ったら「はい」、当てはまらないと思ったら「いいえ」と回答してください。
- 職場の人間関係が良くないと感じる
- 自宅から職場までの通勤時間は長いほうだ
- もっと自分に合う仕事がある気がする
- 現在の仕事量は自分にとって多いと思う
- 職場に顔も見たくないほど苦手な人がいる
- 自分の仕事内容や量に対して給料が少ないと感じる
- 現在の仕事とは別のやりたい仕事がある
- どうしても仕事に行きたくない日がある
- 仕事のやる気が出ない
- 職場の方針と自分の考えが合わない
- 職場の雰囲気になじめない
- このまま現在の職場にいても成長できないと感じる
- 上司を尊敬できない
- 自分は正当に評価されていないと思う
- 仕事のことを考えると強いストレスを感じる
- 現在の職場にずっといるつもりはない
- 現在の仕事では自分本来の実力を発揮できていない
- 勤務先はブラック企業だと思う
- 職場でイライラすることが多い
- 1年以上前から仕事を辞めたいと思っている
- 連休明けに出勤するのがとてもつらい
- 現在の職場は離職率が高い
- 勤務先に将来性が感じられない
- すでに転職先を探している
- 親や配偶者に仕事を辞めたいと伝えている
- お金さえあれば今すぐに仕事を辞めたい
以上の質問のうち、「はい」が13個以上のあなたは、仕事を辞めたいレベルが深刻な段階に突入しています。
仕事を辞めたい気持ちを抱えながら、苦しい日々を送っているのではないでしょうか。そんなつらい感情に耐えている自分を、まずは認めてあげましょう。
そのうえで知っておいてほしいのは、このまま仕事を辞めたい気持ちを押し殺して仕事を続けても、心や体の健康を損なう結果になりかねないということです。
仕事を辞めたいレベルが深刻な段階にあるなら、仕事を辞めたい気持ちと向き合い、適切な対処をする必要があります。具体的なやり方は、続けて次の章をご覧ください。
2. 仕事辞めたいレベルが高いとき最初にすべき3つのこと
仕事を辞めたいレベルが高く、深刻な段階に突入している場合、最初にすべき3つのことがあります。
- 自分の心身の状態は正常か確認する
- 仕事を辞めたい理由を紙に書き出す
- 勤務先のルールを調べる
それぞれ詳しく見てみましょう。
2-1. 自分の心身の状態は正常か確認する
まずは、自分の心身の状態は正常か確認しましょう。
というのも、心や体に何らかの不調があると、それに連動して「仕事辞めたい」と思ってしまうことがあるためです。
例えば、職場で何らかのトラブルがあったとしましょう。まったく同じトラブルでも、強いストレスと感じるかどうかは、その時点のあなたの心身状態によって変わります。
心や体に不調や疲労があるときには、モノの見方が狭くなり、必要以上に不安を強く感じがちです。ストレスに耐えられず「仕事を辞めたい!」と思ってしまうのは、心身の状態が正常ではないサインかもしれません。
まずは、今の自分の状態を確認しましょう。心身の不調や疲れによって仕事を辞めたい気持ちが強くなっているのであれば、それは“一時の気の迷い”の可能性がありますから、まずは不調や疲れをケアすることが先決です。
2-2. 仕事を辞めたい理由を紙に書き出す
「心身の状態はいつも通りで正常な状態だけれど、やはり仕事を辞めたいと感じている」という場合には、仕事を辞めたい理由を紙に書き出してください。
なぜなら、「辞めたい!」という強い感情に支配されていると冷静な判断ができないからです。
「仕事を辞めたい」というあなたの感情の裏にある理由を、落ち着いて整理しましょう。そのために有効なのが「紙に書き出す」という方法です。
頭の中でグルグルと考えていると、「ああでもない、こうでもない」とネガティブなことを考え続けてしまいます。これを「反すう思考」といいますが、反すう思考は気分の落ち込みを引き起こします。
反すう思考に陥らないためには、頭の中で考えるのではなく、頭の外に思考を出して客観的に眺めましょう。そのために有効な方法が「紙に書き出す」ことです。
グルグルと頭の中で考え続ける代わりに、紙に書き出して理由を整理しましょう。
なかには、理由を書き出したおかげで混乱していた思考がスッキリと整理でき、
「辞めたいと思ったのは一時的な感情で、本当に辞めるほどの理由はないな」
と気持ちがラクになる人もいるでしょう。
あるいは、理由がハッキリと明確になったことで、その理由に合わせた対処が可能です。具体的な対処法は、後ほど「4. 【理由別】仕事を辞めたい状況の対処法」にて解説します。
2-3. 勤務先のルールを調べる
理由の書き出しが終わったら、“勤務先のルール”を調べておきましょう。
その理由は、これから仕事を辞めるにせよ、辞めずに何らかの対処を行いながら続けるにせよ、勤務先のルールを把握していることが優位に働くからです。
例えば、「正当に評価されない」という不満があるとしたら、会社の人事評価制度に照らし合わせて、妥当な評価がなされているのか確認することが役立ちます。
あるいは、これから会社を辞めたいのであれば、就業規則で退職の申し出期限や退職金制度など、退職に関わる部分を熟読しておきましょう。
▼ チェックすべきルール
- 就業規則
- 人事評価制度
- 雇用契約書
- その他
勤務先のルールを把握してから動けば、トラブルを未然に防げる確率が高くなります。
3. 仕事を辞めて良いケースとダメなケース
仕事を辞めたいと感じているとき、
「思いのままに仕事を辞めて良いのか、それともここで踏ん張って辞めずに続けるべきなのか」
…というのが悩みどころではないでしょうか。
そこで、仕事を辞めて良いケースと、辞めてはダメなケースについて解説します。
3-1. 辞めて良いケース
仕事を辞めて良いのは、「仕事を辞めたいと感じている理由に対して、適切な対処をしたにも関わらず、状況の改善が見られない」ケースです。
理由別の対処法は、このあとにご紹介しますが、あなたが置かれている状況によっては、最高の対処を施したとしても改善が難しい可能性があります。
状況が変わらないのに、仕事を辞めたい気持ちを押し殺して仕事を続けることは、おすすめできません。我慢がストレスの原因となり、心身の健康を損なう恐れがあるからです。
そんなときには、仕事を辞めて、新たな環境に身を置く準備が必要になってくるでしょう。
3-2. 辞めてはダメなケース
仕事を辞めてはダメなケースは2つ挙げられます。
1つめは、「心身の状態が正常ではないときに辞めたい気持ちが募っている」ケースです。
先ほど“自分の心身の状態は正常か確認する”必要性をお伝えしましたが、心身の不調や疲労があるときの感情は、一時的なものかもしれません。まずは不調や疲労を癒して、正常な状態に戻ることを優先しましょう。
2つめは、「仕事を辞めたいと感じている理由に対して、まだ何の対処もしていない」ケースです。
ほんのちょっとの行動を起こすだけで、今いる職場の状況が劇的に改善する可能性があります。それをせずして仕事を辞めてしまえば、また次の環境でも同じことを繰り返し兼ねません。
まずは落ち着いて、転職を考える前に試したほうが良い対処法を実践しましょう。具体的なやり方は、次の章でご紹介します。
4. 【理由別】仕事を辞める前に試すべき対処法
仕事を辞めたいと思ったら、実際に仕事を辞める前に試すべき対処法を9つ、理由別にご紹介します。
▼ 仕事を辞めたい理由別の対処法
- 人間関係が良くないから仕事を辞めたい
- 給料が安いから仕事を辞めたい
- 激務で体力的につらいから仕事を辞めたい
- 適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい
- やりたい仕事内容ではないから仕事を辞めたい
- 上司が嫌いだから仕事を辞めたい
- 会社の方針や社風が合わないから仕事を辞めたい
- 他にやりたい仕事や転職したい会社があるから仕事を辞めたい
- プライベートな事情があるから仕事を辞めたい
4-1. 「人間関係が良くないから仕事を辞めたい」ときの対処法
1つめは「人間関係が良くないから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
職場の人間関係に悩んでいるときにまずすべきことは、それが「ハラスメント」にあたるものか、判断することです。
もしあなたがハラスメントの被害に遭っているのであれば、あなたに非はありません。その行為をしている人や会社が責任に問われる可能性がありますので、行政機関などに相談しましょう。
職場で起きやすいハラスメントには、パワハラ・セクハラ・マタハラがあります。
▼ パワハラ
出典:厚生労働省
▼ セクハラ
出典:厚生労働省
▼ マタハラ
出典:厚生労働省
何らかのハラスメントの被害に遭っている場合には、以下の対処をしましょう。
1 どんなことをされたのか記録する
パワハラと思われる行為をされた場合は、いつどこで誰が何を何のために(5w1h)したのかを記録しましょう。後々の事実確認などで有効なので、メモや録音など最適な方法で記録を残すことをお勧めします。2 周囲に相談する
パワハラは我慢していても解決しません。それどころかエスカレートする可能性があります。一人で悩まず、まず同僚や上司に相談しましょう。周りの協力を得ることで、パワハラを行う本人が自らの行為に気づく場合があります。3 会社の窓口や人事担当者に相談する
上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。会社等の組織は、相談者が不利益にならないよう、プライバシーの確保を配慮することを求められています。4 外部の相談窓口に相談する
社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。全国の労働局・労働基準監督署にある総合労働相談コーナーは、無料で相談を受け付けており、電話でも相談できます。出典:厚生労働省
以上をご確認いただき、「人間関係は良くないけれど、ハラスメントの被害には遭っていない」場合には、あなた自身の努力で人間関係を改善できる可能性があります。
次の4つのことを実践してみてください。
▼ 人間関係を改善するアクションプラン
- 出社時・退社時のあいさつ(おはようございます/おつかれさまでした)を、目線を合わせて笑顔で、ハッキリ大きな声で毎日行う
- どんなに小さなことでも口癖のように「ありがとうございます」と言う
- 悪口・陰口は一切言わないと決めて実行する
- 自分の仕事をキッチリやる
人間関係を改善するためにできることは他にもありますが、最低限この4つさえできていれば、人間関係は大幅に良くなるはずです。
逆に、あなたがこの4つをしっかり実践しているのに人間関係が良くならないのであれば、あなたに非はありません。相手に問題があります。それは周囲の人から見ても明らかですから、あなたの立場が悪くなることはありません。
対処法まとめ
- ハラスメントの被害に遭っていないか確認し、遭っている場合は適切な対処をする
- 人間関係を改善する4つのアクションプランを実践する
なお、職場の人間関係で悩んでいる方には以下の記事も役立つはずです。あわせてご覧ください。
4-2. 「給料が安いから仕事を辞めたい」ときの対処法
2つめは「給料が安いから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
この場合、まずすべきことは、自分が現在受け取っている給料が本当に安いのか正しく把握することです。
自分の年収は、同職種や同年代の平均と比べて高いのか、低いのか調べましょう。具体的には「職種別・業種別・年齢別モデル年収平均ランキング2020 | マイナビ転職」などのサイトが役立ちます。
調べた結果、自分の年収が水準よりも明らかに低い場合には、人事考課のタイミングなどで上司や人事に交渉しましょう。
話し合いの結果、給料が上がるにせよ据え置きにせよ、納得できる回答が得られれば、会社を辞めたい気持ちも和らぐはずです。
逆に、納得できる回答が得られない場合には、年収の高い企業への転職を視野に入れる必要性が出てきます。
対処法まとめ
- 現在受け取っている給料が本当に安いのか正しく把握する
- 人事考課のタイミングなどで給料アップを交渉する
4-3. 「激務で体力的につらいから仕事を辞めたい」ときの対処法
3つめは「激務で体力的につらいから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
まずは自分の労働時間を正確に記録して可視化しましょう。残業や休日の労働時間も含めて「激務」を数字で把握できる状態にします。
労働時間は「時間外労働の上限規制」によって、「1日8時間および1週40時間・休日は毎週少なくとも1回」と定められています。
出典:厚生労働省
これを超えるためには、企業は36協定と呼ばれる労使協定の締結と労働基準監督署への届出が必要です。この届出を行わずに従業員に時間外労働(残業)をさせた場合、その企業は労働基準法違反となります。
36協定を締結・届出をしている場合でも、時間外労働(残業)には上限があります。原則として月45時間・年360時間までです。
出典:厚生労働省
あなたの労働時間は、法律で定められた上限を超えてはいないでしょうか。超えている場合には、激務に耐える必要性はありません。会社に交渉して、適切な仕事量に調整を求めましょう。
会社が明らかな法律違反を犯している・対応が悪質といった場合には、労働基準監督署に通報することで是正勧告や指導を行ってもらえる可能性があります。
対処法まとめ
- 自分の労働時間を正確に可視化する
- 法的な制限を超えて労働している場合には会社に交渉する
- 悪質な場合は労働基準監督署へ通報することもできる
なお、仕事量が多すぎて終わらないと悩んでいる方には以下の記事もおすすめです。あわせてご覧ください。
4-4. 「適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい」ときの対処法
4つめは「適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
このケースでは自分の仕事の成果を客観的な視点で捉える必要性があります。
なぜなら、適正に評価してもらえていないという不満は、「私はこれだけやっているのに!」という主観と、会社が評価するポイントがずれているときに、発生しやすいからです。
具体的には、上司との人事考課面談があれば、その機会に詳しく質問してみると良いでしょう。現状ではどんな評価を受けているのか、何がどうなれば良い評価に変わるのか、具体的なポイントを上司との間で明確にします。
主観で「自分はこんなにできている」と思い込んでしまうと、努力が独りよがりになるリスクがあります。しかし、客観的な評価ポイントを明確にしたうえで、そのポイントに沿って成果を挙げれば、会社や上司は評価せざるを得ません。
もし、上司の評価の方法が客観性を欠いていたり、そもそも会社に明確な評価基準が存在しなかったりと、会社側に問題がある場合には、転職も視野にいれるべきといえます。
対処法まとめ
- 自分の仕事の成果を客観的な視点で捉える
- 上司との間で明確にした評価ポイントに沿って努力する
4-5. 「やりたい仕事内容ではないから仕事を辞めたい」ときの対処法
5つめは「やりたい仕事内容ではないから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
やりたい仕事内容ではないと感じるときは、あなたが行っている業務を細かくリストアップして、どの業務は嫌で、どの業務は許容できるのか、整理しましょう。
漠然と「やりたい仕事内容ではない」と思っていても、業務別に細かく分析してみると、やりたい業務とやりたくない業務があることがわかるはずです。
そのうえで、やりたい業務を増やし、やりたくない業務を減らす方法を考えましょう。
例えば、自分のチーム内での役割分担を変更できないか相談する、上司にやりたい業務をメインで担当できる部署やチームへの異動を打診するなど、さまざまな方法が考えられます。
業界や会社の仕組みの問題で、どうしても現状を打破できない場合には、転職を視野に入れることになります。
対処法まとめ
- 業務別に細かくやりたい業務/やりたくない業務を洗い出す
- やりたい業務を増やすための方法を考える
4-6. 「上司が嫌いだから仕事を辞めたい」ときの対処法
6つめは「上司が嫌いだから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
上司が嫌いと感じる理由はさまざまですが、まずは「4-1. 人間関係が良くないから仕事を辞めたい」の項でご紹介したとおり、上司からハラスメントの被害に遭っていないか確認してください。
また「上司が自分を評価してくれないから嫌い」という場合は、「4-4. 適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい」でご紹介した内容に沿って対処しましょう。
どちらにも当てはまらない場合には、次の3つのことを実践してみてください。
▼ 上司が嫌いなときのアクションプラン
- 上司のことを知り、上司が期待していることを提供する
- 上司との約束(納期、報告書の提出など)を厳守する
- 上司の成功に貢献する(上司の持っている目標の達成に貢献する)
多くの人は「上司が嫌い」という感情に支配され、プライドが邪魔をします。結果、上記のことを素直にできません。
しかし、これらは言い換えれば「部下の立場でやるべきことをキッチリやる」ということです。やるべきことをキッチリやっている部下には、誰も文句が言えません。
上司のあなたに対する評価が良くなり関係性が良くなれば、あなたの「上司が嫌い」という気持ちにも変化が訪れるでしょう。そして何より、あなた自身のスキルアップにつながります。
対処法まとめ
- ハラスメントの被害に遭っていないか「4-1. 人間関係が良くないから仕事を辞めたい」に沿って確認する
- 適正に評価されていない場合は「4-4. 適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい」に沿って対処する
- 上司が嫌いなときの3つのアクションプランを実践する
なお、上司が嫌いだから仕事を辞めたい方には、以下の記事もおすすめです。
4-7. 「会社の方針や社風が合わないから仕事を辞めたい」ときの対処法
7つめは「会社の方針や社風が合わないから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
まずは、具体的にどんな部分が合わないと感じているのか、整理しましょう。
もし、会社が掲げている理念・ミッション・ビジョンなどの根幹が自分の考え方と合わない場合、それらをひとりの従業員の立場から変えることは、ほぼ不可能です。
自分の考え方のほうを、会社に合わせて変えられるか、検討しましょう。
「それは絶対に無理、会社の方針にはついていけない」というのであれば、転職も致し方なしといえます。
一方、理念やミッションよりもブレイクダウンして、
「ある出来事に対する方針が不満」
「短期目標に納得できない」
といったレベル感で合わないと感じているのなら、改善できる可能性が残されています。
例えば、
「大地震発生時の帰宅や自宅勤務時指示などの災害対策が不十分」
「コロナ禍におけるリモートワークへの取り組み方針が不満」
といった場合には、その声を上層部へ届けることで状況が変わることもあるでしょう。
ひとりで憤りを感じるのではなく、声にして発信していくことが大切です。
対処法まとめ
- どの部分が合わないのか具体的に整理する
- 改善できる可能性がある場合は会社に働きかける
4-8. 「他にやりたい仕事や転職したい会社があるから仕事を辞めたい」ときの対処法
8つめは「他にやりたい仕事や転職したい会社があるから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
このケースでは「本当に前向きな気持ちでキャリアチェンジを考えているのか」を、改めて自問自答してみてください。
「他にやりたいことがある」といいつつ、実は現在の仕事に対する不満や逃げが根本にあると、転職してもまた同じつまずきを経験しやすくなります。
もし、前向きな気持ちではないと思うなら、今の職場でやりたいことを実現する方法はないか、「4-5. やりたい仕事内容ではないから仕事を辞めたい」でご紹介した対処法に沿って再検討してみましょう。
「今の仕事が嫌だから辞めたい」ではなく、「本当にやりたいことが他にあるから辞めたい」と前向きに思えているのであれば、転職するタイミングといえます。
対処法まとめ
- 前向きな気持ちでキャリアチェンジを考えているか自問自答する
- 今の職場でやりたいことを実現する方法はないか検討する
4-9. プライベートな事情があるから仕事を辞めたい
9つめは「プライベートな事情があるから仕事を辞めたい」ときの対処法です。
プライベートな事情としては、例えば以下が挙げられます。
▼ プライベートな事情の例
- 結婚した
- 子どもが生まれた
- 看病・介護が必要な家族がいる
- 自分が病気になった
このようなプライベートな事情の場合、まずは会社に相談してみましょう。
自分では「辞めるしかない」と思い込んでいても、さまざまな制度を利用できる可能性が高いためです。
例えば、家族を介護する場合には法律で定められた「介護休業制度」を利用する、自分が病気になった場合には「傷病手当金」を受けながら休職するといった方法があります。
特に、家族の闘病や介護、自分の病気などで心身に負荷がかかっており、経済的な安定も必要な状況では、ひとりで抱え込まずに、会社側に正直に相談することをおすすめします。
会社によっては、親身なって時短勤務や在宅勤務などの特別対応をしてもらえる可能性もあります。
対処法まとめ
- 会社に相談してさまざま制度の利用や特別対応を検討する
5. 辞めたくて仕事が手につかないときの応急措置
ここまで実践的な対処法をご紹介してきました。しかし、
「対処法には取り組みたいけれど、今は辞めたい気持ちで頭がいっぱいで、何も手につかない」
という方もいるかもしれません。
そんなときには、まずそのどうしようもない気持ちをリセットして冷静になる必要があります。具体的な応急措置を3つ、ご紹介しましょう。
5-1. 信頼できる人がいれば相談する
1つめは「信頼できる人がいれば、その人に相談する」ことです。
ただし、仕事を辞めたいという相談は、とてもセンシティブなものです。相談する相手を間違えると、あなたにとって間違った方向に引っ張られる結果になったり、職場での立場が悪くなったりする可能性があります。
そこで、「この人は信頼できる」という人物が身近にいる人のみ、この相談するという選択肢を取ってください。仕事を辞めたい相談をする相手として適しているのは、以下のような人物です。
▼ 相談相手として適している人の特徴
- 口が硬い
- 聞き役に徹してくれる
- 求めていないのに勝手にアドバイスをしない
- 相手の言うことを否定しない
- メンタルが安定していて心の余裕がある
- あなたの絶対的な味方となってくれる存在
このような人物であれば、話を聞いてもらうだけでスーッと心がラクになる可能性が高いでしょう。
なお、「上司に相談すべき?それとも社外の人物のほうが良い?」と迷う人もいますが、心を整理するために相談する相手選びとしては、「信頼できるか」のほうが重要です。
以下のなかで信頼できる人がいれば、相談してみましょう。
- 上司
- 同期
- 職場の先輩
- 身内(両親、配偶者、きょうだい)
- 友人
- 恩師
5-2. 転職エージェントから客観的なアドバイスを得る
2つめは「転職エージェントから客観的なアドバイスを得る」です。
身近な人のなかで相談できそうな人がいなければ、仕事のプロに相談するのがおすすめです。
あなたが現在の職場で受けている評価が適正なものなのか、仕事を辞めて転職したらどんな待遇を受けられるのかなど、具体的な情報を得ることで冷静になれるでしょう。
▼ 代表的な転職エージェント
名称 | 特徴 |
|---|---|
業界最大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーから応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスを受けられる | |
20代の支持率が高い転職エージェントで第二新卒の転職や初めての転職におすすめ |
転職エージェントであれば、相談した秘密は確実に守られますので、安心して話ができます。
5-3. ストレスのセルフケアを行う
3つめは「ストレスのセルフケアを行う」です。
仕事を辞めたい気持ちが募って苦しいときには、ストレスのセルフケアを行って、つらい気持ちを和らげましょう。
おすすめは、厚生労働省のサイトで提案されている以下の6項目です。
出典:厚生労働省
セルフケアで少しでも気持ちをラクにしてから、具体的な対処法を実践していきましょう。
仕事のストレスケアについてさらに詳しく知りたい方には以下の記事もおすすめです。
6. 仕事を辞める決断をしたら知っておきたい正しい退職手順
仕事を辞めたいと感じてから冷静に自分と職場を見つめ直し、本記事でご紹介した対処法を一通り実践したうえで仕事を辞める決断をするならば、それはあなたの人生にとってきっと正しい決断となるでしょう。
ここでは、仕事を辞める決断をしたときに知っておきたい、正しい退職手順をご紹介します。
▼ 正しい退職手順
- 退職の意向を直属の上司に伝える
- 退職日を確定する
- 業務の引継ぎを行う
- 退職する
6-1. ステップ1:退職の意向を直属の上司に伝える
1つめのステップは「退職の意向を直属の上司に伝える」です。
「退職したい」という意思を最初に伝えるべき相手は、直属の上司です。直属の上司に話を通す前に、社内の他の人物に口外するのはマナー違反となりますので十分に注意しましょう。
上司に辞めたいと伝えるときには、前もってアポを取ります。周囲に人がいない会議室などの個室で伝えるようにしてください。
退職の意思を伝えると、退職理由を聞かれますので、どう答えるか準備しておきましょう。あわせて、退職の希望時期も決めておきます。
退職意向の伝え方や引き留めにあった場合の対処法は、以下の記事も参考にしてみてください。
なお、法律上は退職の申し入れをしてから2週間後に退職できることになっています。
しかし、会社に迷惑をかけずに円満退職するためには、2〜3ヶ月前までには退職の意思を伝えるようにしましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
6-2. ステップ2:退職日を確定する
2つめのステップは「退職日を確定する」です。
直属の上司に退職の意思を伝えると、直属の上司が上層部や人事などに話しを通します。会社が正式に退職を受け入れれば、退職日を確定します。
退職日はさまざまな状況の兼ね合いを調整しながら決定します。例えば、以下の項目です。
- 業務の引継ぎに必要な期間
- 会社の後任者の採用状況
- 有給消化の日数
- あなたの転職先の入社日
- その他
会社とあなたの双方にとって都合の良い落としどころを、話し合いながら見つけていきましょう。
6-3. ステップ3:業務の引継ぎを行う
3つめのステップは「業務の引継ぎを行う」です。
円満に退社するためには、会社に迷惑をかけないように引継ぎをしっかり行いましょう。引継ぎのスケジュールを作成し、後任者に継承すべき情報や業務内容、注意点などを資料にまとめます。
取引先の担当を代わる場合には、後任者とともに挨拶回りに行くなど、会社やあなたの担当してきた業務内容によって、すべきことは変わります。
直属の上司とコミュニケーションを取りながら、必要な引継ぎ業務をこなしていきましょう。
6-4. ステップ4:退職する
4つめのステップは「退職する」です。
退職日の当日までに、会社から貸与されていた備品・鍵・社員証・健康保険証・制服などを返却します。
また、健康保険資格喪失証明書・離職票・退職証明書など、会社から受け取るべき書類がありますので、人事担当者の指示に従って手続きを進めていきましょう。
退職についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
退職した後に必要な手続きは、以下の記事で解説しています。
7. 仕事を辞めたいと思ったときの注意点
最後に、仕事を辞めたいと思ったときの注意点を2つ、お伝えします。
7-1. 必要以上にネガティブにならない
1つめの注意点は「必要以上にネガティブにならない」ことです。
「仕事を辞めたい」と思うことは、悪いことではありません。あなたが仕事を辞めたいと感じるには、それ相応の理由があるはずです。
それなのに、仕事を辞めたいと思う自分を責めたり、必要以上にネガティブな気持ちになって落ち込んだりするのはやめましょう。
仕事を辞めたいと思ったときこそ、自分自身や職場環境を見つめなおし、レベルアップするチャンスです。ぜひ前向きに捉えてみてください。
7-2. 感情だけで重要な判断をしない
2つめの注意点は「感情だけで重要な判断をしない」ことです。
仕事を辞めたいという感情だけで行動してしまうと、あとで大きく後悔する可能性が高くなります。
本記事では、冷静かつロジカルに仕事を辞めたい気持ちと向き合う方法をご紹介してきました。「辞めたい!」という気持ちが募ったときほど、頭はクールに論理的に対処しましょう。
それができれば、あなたの今後の仕事人生は、より幸せで充実したものに変わっていくはずです。
8. 転職を成功させるために利用したいサービス
「仕事を辞めて、転職を考えたい」という場合は、転職エージェントや求人サイトを賢く利用しましょう。
転職を成功させるために利用したいサービスを4つ、ご紹介します。
ご自身にあったサービスに出会うためにも転職サイト・転職エージェントは複数登録することをおすすめします。
8-1. リクルートエージェント

出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界最大手の転職エージェントです。
転職事情に詳しいプロのキャリアアドバイザーからアドバイスを受けられるのが強みです。
一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人が10万件以上あるため、登録だけでもしておくことをおすすめします。
転職書類の添削や面接対策などのサポートも充実しており、より良い条件での転職にぜひ利用したいサービスです。
8-2. マイナビエージェント
出典:マイナビエージェント
マイナビエージェントは、20代に信頼されている転職エージェントです。第二新卒や初めての転職の強い味方となります。
はじめての転職には不安や悩みがつきものですが、マイナビのキャリアアドバイザーは転職初心者にも寄り添ったきめ細やかなサポートが魅力的です。
転職活動の疑問に対して、ひとつひとつ丁寧なアドバイスを得られます。
8-3. リクナビNEXT
出典:リクナビNEXT
リクナビNEXTは、国内No.1の求人情報数を誇る転職サイトです。転職を少しでも検討し始めたら、まずは登録しておくべきサイトといえます。
転職エージェントとは違ってキャリアアドバイザーはつきませんが、サイト上で求人情報を検索して、どの求人でも自分で応募できるシステムになっています。
職歴やスキルを登録しておけば、企業からオファーを受け取ることもできます。「とりあえずここに登録しておけば間違いない」といわれるサイトがリクナビNEXTです。
リクナビNEXTは水曜・金曜に新着求人が更新されます。週に1〜2回はチェックしておきましょう。
8-4. doda
出典:doda
dodaは正社員の仕事を中心に、さまざまな求人情報が掲載されている転職サイトです。20代の若年層の転職にも強く、前述のリクナビNEXTとあわせて登録しておきたいサイトといえます。
dodaでは、求人情報の公開だけでなく、転職エージェントサービスも展開しています。
まずは自分で求人情報を検索して、途中でキャリアアドバイザーのサポートを得たいと思ったときには、エージェントサービスを利用できる点がユニークです。
dodaは月曜・木曜に新着求人が更新されます。週に1〜2回はチェックしておきましょう。
9. まとめ
仕事を辞めたいと思ったら、まずは冷静に状況を判断して対処法を見極めることが大切です。
仕事辞めたいレベルの自己診断テストを行って、仕事辞めたい度を客観的に診断しましょう。
仕事辞めたいレベルが高いときは、最初に次の3つのことを行いましょう。
- 自分の心身の状態は正常か確認する
- 仕事を辞めたい理由を紙に書き出す
- 勤務先のルールを調べる
仕事を辞めて良いケースとダメなケースは以下のとおりです。
辞めて良いケース |
|
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辞めてはダメなケース |
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本文中では、以下の9つの仕事を辞めたい理由別に、具体的な対処法をご紹介しました。
- 人間関係が良くないから仕事を辞めたい
- 給料が安いから仕事を辞めたい
- 激務で体力的につらいから仕事を辞めたい
- 適正に評価してもらえないから仕事を辞めたい
- やりたい仕事内容ではないから仕事を辞めたい
- 上司が嫌いだから仕事を辞めたい
- 会社の方針や社風が合わないから仕事を辞めたい
- 他にやりたい仕事や転職したい会社があるから仕事を辞めたい
- プライベートな事情があるから仕事を辞めたい
仕事を辞めたくて仕事が手につかないときの応急措置としては、以下を行ってください。
- 信頼できる人がいれば相談する
- 転職エージェントから客観的なアドバイスを得る
- ストレスのセルフケアを行う
仕事を辞めたいと思ったときの注意点として、必要以上にネガティブにならないこと、感情だけで重要な判断をしないことを覚えておきましょう。
「仕事を辞めたい」というあなたの正直な気持ちを、抑えつける必要はありません。本記事でご紹介した手順に沿って、自分の気持ちに真正面から向き合ってみてください。
その勇気が、あなたを新しい世界へと連れ出してくれるはずです。





















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