分析は、2010~2016年にかけて実施された全国調査のデータを用い、小学1年生から中学3年生までの1971人(1203世帯)の子どもを対象としている。マルチレベル分析という手法により、家族間の違いを統制しながら、同一家族内のきょうだい同士を比較することが可能となった。 分析の結果、きょうだい数については負の影響を確認。算数・数学では一人っ子と2人きょうだいの間に学力差は認められなかったが、国語では2人きょうだいの時点から学力低下が表れていた。3人きょうだいになると両教科で学力低下が見られ、4人以上では更にその傾向が強まった。 算数・数学よりも国語において、きょうだい数の負の影響が大きかった要因として、国語能力が家庭内での読み聞かせや宿題の手伝いなど、親子のやりとりを通じて育成される側面が強いためと考えられる。きょうだいが多いと、親が個々の子どもに割ける時間が減少し、特に家庭内で育成されや