(唐鎌 大輔:みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト) 皮肉な結末になった総裁選 10月4日に実施された自民党総裁選は決選投票において高市早苗氏が小泉進次郎氏を破り、初めて自民党に女性総裁が誕生する運びとなった。もちろん、首班指名で選ばれれば初の女性首相である。 高市氏のリフレ思想に賭ける勢いは強く、東京時間6日朝から円売りは加速し、日経平均株価指数も前日比+4.5%以上(+2000円以上)の急騰を示している。 近年、物価高対策に苦慮してきた自民党が最もリフレ思想の強そうな候補者を選出したことは皮肉だが、昨今の国政選挙では物価高対策として拡張財政(給付や減税など)という矛盾する政策が平然と持ち出され、しかもそれが支持されてきた経緯がある。 達観すれば、民意を反映した指導者が選ばれたということなのかもしれない。後述するように高市氏がどれほどリフレ政策に傾倒するのか現時点では定かではないが、