仏当局の取り調べを受ける「プシュパ号」(別名「ボラカイ号」、10月2日) STEPHANE MAHEーREUTERS <バルト海で活動する船団が、ドローン飛行や水先人拒否といった「軍事境界線すれすれ」の行動を見せ始めている。西側への新たな挑発として、ロシアのグレーゾーン戦略はさらに深化している> フランス当局は先頃、同西部沖で船籍不明の石油タンカー「プシュパ号」を拿捕した。このタンカーは、ロシアが西欧諸国などによる制裁を回避して原油などを輸出するために運航させている「影の船団」の1隻とみられている。 しかも、プシュパ号の活動内容は、制裁逃れだけにとどまらない可能性がある。最近、ロシアの「影の船団」──船籍はほかの国に置いているが、ロシア政府の指示の下で運航している──は、バルト海でこれまで以上に攻撃的な振る舞いを見せ始めているのだ。 ここにきてロシアは西側諸国を標的に、新しい「グレーゾーン