長寿社会の老後破綻を防ぐために、何が必要か。家族社会学者の山田昌弘さんは「高齢者が自立して100歳を全うできる社会基盤をつくること。それに、尽きる」という――。 ※本稿は、山田昌弘『単身リスク 「100年人生」をどう生きるか』(朝日新書)の一部を再編集したものです。 弱者ケアを家族に依存した社会の罪 本稿では、「単身リスク」に備える提言をお伝えしたい。ポイントは「高齢者が自立して100歳を全うできる社会基盤をつくること」、これに尽きる。 本書では、経済的に自立できない若者たちが就職氷河期に多数生まれ、多くのニートやパラサイト・シングル、さらには中高年化する引きこもりを生み出してしまったことを詳述してきた。 それとまったく同じ構造が高齢者にも当てはまる。もちろん高齢者だからもはや「ニート」や「パラサイト・シングル」「引きこもり」といった用語は当てはまらない。だが日々の収入を得るのがむずかしく