まず前提を書いておこう。
私は腐女子である。一般的な腐女子ではないかもしれないが、歴としたBL文化を好む腐女子だ。無論二次創作もしている。
何がどうあれ、それは事実だ。
それから事の発端は皆さんもご存知だろうが「いちばん美味しいゴミだけ食べさせて」というSteamのゲームである。
私がこのゲームのことを知ったのはXの電ファミニコゲーマーのポストだ。それを見た時におもしろそうなゲームだな、と思うと同時に不味いなとも思った。
さて私の立ち位置を明確にしよう。
どのような内容であれきちんとR指定などをしているのならば現状は問題ないはずである。
だが不適切な場所での性的なWeb広告などには反対をしていきたい。それはきちんと線引きができていないからだ。今はその話ではない。ゲームである。
だが考えてみて欲しい。このゲームはまだ発売していないのだ。発売していないゲームの中身なんて、誰にも本当のところは分からない。
このゲームを本当に評価するなら、買って遊んで中身を確かめてから然るべき批評をすべきだ。
だってこのゲームに出てくるラブリィドールとやらにゴミを食べさせて賢くなったらそのラブリィドールが今度はプレイヤー(人間?多分、知らないけど)と立場を入れ替えて今度は人間に美味しそうな残飯料理を振る舞うようになるかもしれない。
それならこのゲームは知能を持つことやその存在との関係性の構築に対するカウンターとして機能することになる。
このあらすじだけではゲームの全貌は分かりっこない。
仮に本当にあらすじからそのまま連想されるような女性蔑視的な視点が含まれていたとしても、別にそれは悪いことでは無い。
それなら世の中のそう言った生き物(男性/女性/動物/有機物/無機物を問わず、命あるもの全て)を物扱い(この場合、ラブリィドールは物だから別に物扱いしても構わないとも思うが)して性的搾取していると思われる作品は全て検閲対象にせねばならない。
道徳的に問題のある作品の全てがダメなのなら、その前に規制や検閲を受けるべき作品など山ほどある。
現状そんなルールは存在しないのでその方向でこのゲームを取り沙汰するのはどうにもおかしなように思う。
それから純粋に、アルジャーノンに花束をからインスピレーションを得たとするこの設定は挑戦的でおもしろそうなことは間違いない。私はSteamのウィッシュリストに放り込んだ。閑話休題。
そしてBLだ。
私はいつも近所の本屋に行くと、その本屋では児童書コーナーの奥まった場所にBLコーナーがある、それを見る度にせめて場所を変えてくれないかと思っていた。
男性向けR指定コーナーと同じにすると女性が性的被害を受けるので現状は難しい、と言うのなら今後は男性と女性それぞれのR指定コーナーを設ける、と言うことを検討してもいいと思う。
児童書コーナーの奥よりはマシだ。
それをすると腐男子の方々がBLを購入するのに差し障りがあるかもしれない。まあ私も男性向けのR指定本を買う時に困るが……現状世の中には通販と言うものもある。
なんなら全てを通販で済ませても良い、と思う時もあるが本屋には総覧性という素晴らしい利点と思い立った時に手にすることが出来るという通販では得られない即時性もある。
ならば現状を維持する為に男性向けも女性向けもR指定の権利と表現の自由を主張するべきだろう。
それが筋というものだ。
エロの表現のきれいさとか性的搾取が無い作品だとか、そんなものは男性向けにもあるし女性向けにだって強姦表現やとても口に出すのは憚られるようなものもある。数の問題では無い。表現の内容を全てを一纏めに語るのは暴論だし、そうなったらどちらも規制である。
あと私は男性向けとか女性向けとかそんな括りは関係無く全ての作品が読みたいし、全ての表現を尊重したい。
ちなみに個人的な考えを言うと作品の倫理観は時に読み手とナラティブに呼応し、時に逆照射されて読み手に倫理的に働きかける(その逆もある)というのならば読み手と書き手は両者共に倫理的に成長すべきだし、その営みを守ることに対して声を上げたいと思う。