中国やロシアの現体制が「共産主義」というより「全体主義」に見えるという指摘は、多くの専門家や国際的な評価と一致しています。
中国は名目上「共産主義」を掲げていますが、実態は中国共産党による一党独裁であり、「人民民主独裁」や「社会主義的民主主義」と呼ばれつつも、実際には厳格な権力集中と政治的自由の制限が特徴です。
政府や党の公式文書では「民主主義」を強調しますが、言論・集会の自由は大きく制限され、反対勢力や異論は厳しく弾圧されます。
こうした特徴から、多くの海外専門家や一部中国国内の識者も「権威主義的」「全体主義的」と分類しています。
ロシアもかつては共産主義体制(ソ連)でしたが、現在は表向きは複数政党制を維持しつつ、実質的には一党優位・大統領権限の強い権威主義体制です。
プーチン政権下では、反対派の弾圧、選挙の操作、言論・報道の統制が強化され、ソ連時代の全体主義的手法が復活していると指摘されています。
共産主義は理論上「階級のない平等社会」を目指しますが、現実の運用では一党独裁や権力集中が進み、**全体主義(国家が社会のあらゆる側面を統制・支配する体制)**へと変質することが多くありました。
全体主義は、イデオロギーの違いに関わらず、個人の自由や多様な意見を排除し、国家や党の絶対的な支配を特徴とします。
現代の中国やロシアは、名目上は共産主義や社会主義を掲げていても、実態は全体主義的な特徴が強いと評価されています。
したがって、「共産主義=全体主義」ではなく、「共産主義を掲げた国家が全体主義的になりやすい歴史的傾向がある」と言えます。