1964年東京五輪、「世界中の秋晴れを全部東京に持ってきてしまったような」青空をカラー化
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読売新聞の夕刊企画「Color the News」では、モノクロ(白黒)で残された昔のニュース写真を、AI(人工知能)の力を借りてカラー化している。
今回の題材は昭和39年(1964年)の10大ニュース。最初の東京オリンピックが開かれた年だ。五輪と東海道新幹線開業の光景をカラーリングした。
1枚目は1964年10月10日、国立競技場で行われた東京オリンピックの開会式。日の丸と同じ紅白のユニホームに身を包んで入場行進する日本選手団である。この日は前日までの雨がうそのように晴れ上がり、上空には雲一つなかった。開会式を中継したNHKアナウンサーは「世界中の秋晴れを全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます」という名実況を残した。
2枚目は、その開会式の締めくくりとして、航空自衛隊のブルーインパルスが空に描いた五輪マーク。快晴無風という奇跡のような好条件の下、見事な五つの輪が青空に浮かんだ。この感動の光景は、やはりカラーでないと十分に味わえない。
3枚目は閉会式の光景だ。各国入り交じった選手たちが、日の丸を手にした日本の選手を担ぎ上げている。事前の段取りでは、まず各国の旗手が1人ずつ入場し、その最後を締める日本の旗手に続いて、国ごとに選手団が行進することになっていた。ところが各国の選手たちは「国など関係なし」とばかりに腕を組んで、お祭り騒ぎに。以後、オリンピックの閉会式はこのスタイルが定着したのだった。
最後の4枚目は、東京五輪の開幕目前、10月1日に開業した東海道新幹線である。くす玉が割られ、東京駅から一番列車が出発するところだ。オリンピックに間に合わせるために、高速道路やモノレール、ホテルなどが突貫工事で建設された。
今回の写真はいずれも、新聞掲載用に撮られたものはモノクロだが、グラビア用に撮った同じ場面のカラー画像も多数残されていた。これらを参照しながら補色している。