パリ五輪準備のキーワードは「安全」 なのに移民は対象外なのか

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Sarah Hurtes/The New York Times 翻訳=城俊雄/朝日新聞GLOBE編集部
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France Says It Built the Olympics Safely. Migrant Workers Don’t Count.

 フランスのマクロン大統領は、2024年夏のパリ五輪の準備は安全に行うと公約した。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会の評判を傷つけた、危険な工事現場や移民労働者酷使といった問題が起きないようにする、と強調した。

 開幕まで数カ月となった2024年2月、マクロン氏は、大会の準備は成功した、と宣言した。

 「我々は約束を果たしている」と胸を張った。

 フランス政府のデータによれば、パリ五輪に向けた突貫工事の4年間で、けがをした人の数は200人未満。死者は出ていない。

 だが、安全や事故に関する検査記録や関連資料は、五輪施設の建設現場は、実は関係者が公表している以上に危険であり、基本的な安全基準を満たしていない現場もあることを示している。現場の労働者や政府関係者らによると、不法滞在移民が作業中にけがをした場合、記録に残さないことがよくあり、政府統計に載らないのはほぼ確実だ、という。

「五輪関連」にカウントされない死者

 合法的に働いている労働者の死亡事故でさえ、五輪関連の記録から除外されることがある。

 クレマン・ボーヌ前運輸相が「オリンピックの生命線[the lifeline of the Olympics]」と呼んだ地下鉄プロジェクトの現場で起きた2人の作業員の死亡事故は、五輪関連統計の集計に含まれていなかった。

けがをしても、解雇を恐れて言い出せなかったり、口封じされたりしている、と記事は続きます。パリ五輪の開催準備では、マクロン政権が公式に認めている以上に、不法滞在移民が重要かつ危険な役割を負わされてきた、とNYTは報じています。

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