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朝日新聞デジタル

アウディの「A6 e-tron」 操縦のたのしさ感じさせる進化形BEV

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2025.10.20

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A6アバント e-tronはゴルフやキャンプ好きにもよさそう

A6アバント e-tronはゴルフやキャンプ好きにもよさそう

  • 小川フミオ
    モータージャーナリスト

    クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。 <p id="gallery"></p>

アウディ「A6 e-tron(イートロン)」がアウディジャパンの手によって2025年7月に発売された。ポルシェと共同開発した車台を使うバッテリー駆動EVだ。

豊富なラインアップ BEVらしいスムーズな走り

A6 e-tron(写真)は後輪駆動、S6 e-tronはクワトロ(全輪駆動)
A6 e-tron(写真)は後輪駆動、S6 e-tronはクワトロ(全輪駆動)

モデルラインアップの豊富さも特徴のひとつ。日本には「A6スポーツバックe-tronパフォーマンス」、高性能の「S6スポーツバックe-tron」、車型の異なる「A6アバントe-tronパフォーマンス」と「S6アバントe-tron」が導入される。

乗った印象はスムーズ。加速がナチュラルなのは、回転に関係なく最大トルクをぱっと出すモーターの特性のせい。そこがBEV(バッテリー駆動EV)のよさで、A6 e-tronは走りやすい。ちょっとぜいたくなBEVを探しているひとは、いちど乗ってみる価値があると思う。

薄いヘッドランプと平面的なパネルグリルと左右のエアインテークなど特徴的なフロントマスク
薄いヘッドランプと平面的なパネルグリルと左右のエアインテークなど特徴的なフロントマスク

減速も特徴的だ。ブレーキの摩擦を利用して充電する回生ブレーキを使う。アクセルペダルを踏む足の力をゆるめると、ブレーキペダルを踏まずに強めの制動がかけられる。アクセルペダルの操作だけで加減速が行えるので、慣れるとかなり楽ちんだ。

カーブを曲がるときの、いわゆるコーナリング性能も、A6 e-tronにおいて感心した点。軽くアクセルペダルを踏むだけで力強く加速するトルク感と、車体の姿勢保持をするサスペンションシステムのおかげで、痛快、というかんじでカーブを抜けていける。

堅調な市場に対応 改良重ねて“操縦をたのしむクルマ”へ

ルーフにはめられたガラス部分の長さが印象的
ルーフにはめられたガラス部分の長さが印象的

車名にあるe-tronは、アウディが自社のBEVにつけたサブネーム。エンジン主体のマイルドハイブリッド車のセールスにも力を入れているアウディジャパンだけれど、BEVも出来の良さが光る。A6 e-tronも例外ではない。

欧州でもいっとき下火になるかと思われたBEVだが、世界的には市場は堅調という。

ロールス・ロイスのBEV「スペクター」は販売好調と、先日来日した本社のクリス・ブラウンリッジCEOは言っていたし、つい最近フェラーリが「量産前提」というBEVのシャシーとコンポーネンツを公開した。そういう時代なのだ。

ヘッドランプとリアコンビネーションランプにはLEDによるライトパターンが変化するコミュニケーションライトが用意される(オプション)
ヘッドランプとリアコンビネーションランプにはLEDによるライトパターンが変化するコミュニケーションライトが用意される(オプション)

アウディのA6に乗って感じられるのは、着実な進化ぶりだった。2019年発売の、その名も「e-tron」いらい、改良を重ねてきた結果、スムーズで、かつ操縦がたのしめるクルマになっている。

私が乗ったのは、A6スポーツバックe-tronパフォーマンス。クーペのように後方まで流れる流麗なシルエットが、スポーツバックの特徴だ。

スポーツワゴンともいえるA6アバント e-tron
スポーツワゴンともいえるA6アバント e-tron

アウディではステーションワゴンを意味するアバントはルーフの前後長が長めで、じっさい荷室容量は、後席を畳んだ際はスポーツバックより112リッター大きな1442リッターとなるなど、メリットもある。

スタイルからいえば、個人的にはスタイリッシュなスポーツバックのほうがより好みだ。セダンでもSUVでもないBEVとして、クーペ的なデザインがいい雰囲気のA6スポーツバックには存在感がある。

斬新な機能 大容量バッテリーも収める巧みなデザイン

アウディでうまいなと思うのは、室内の作りの質感の高さとともに、斬新な機能を採り入れる点。A6 e-tronでは、乗員を包み込むような「ソフトラップ」デザインとともに「MMIパノラマディスプレイ」が目をひく。

ドライバーには二つ、パッセンジャーには一つ(オプション)用意される大きな液晶ディスプレイが印象的
ドライバーには二つ、パッセンジャーには一つ(オプション)用意される大きな液晶ディスプレイが印象的

MMIパノラマディスプレイは、曲面デザインとOLED(有機発光ダイオード)技術を備えた11.9インチのAudiバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成。スマートフォンの画面を操作するようなたのしさがある。

アウディとポルシェの共同開発による高性能BEV用車台を採用。最大で846kmの一充電走行距離を実現する100kWhの大容量バッテリーを床下に収める。

ホイールベースが3m近くあり後席はレッグルームもヘッドルームも十分にある
ホイールベースが3m近くあり後席はレッグルームもヘッドルームも十分にある

ボディーが厚く見えてしまうのを回避すべく、アウディのデザイナーは努力している。ヘッドランプやグリルまわり、加えて車体側面のキャラクターラインと、さまざまなデザイン処理をほどこしているのだ。

じっさいの全高も1470mmに抑えられている。床下のバッテリーの存在を意識するのは、後席シートに座ったとき。膝の曲がりかたで、床面がやや高いと感じるかもしれない。それぐらいだ。

初代e-tronより精度が上がり視認性も向上したというバーチャルエクステリアミラー(オプション)は空力にも寄与
初代e-tronより精度が上がり視認性も向上したというバーチャルエクステリアミラー(オプション)は空力にも寄与

ラインアップはスポーツバックが、280kWの最高出力と565Nmの最大トルクをもつ「A6スポーツバックe-tronパフォーマンス」(981万円)と、405kWと580Nmの「S6スポーツバックe-tron」(1440万円)。

荷室容量が大きめになるアバントが、「A6アバントe-tronパフォーマンス」(1012万円)と「S6アバントe-tron」(1471万円)。出力とトルクはスポーツバックに準じる。 

【スペックス】
Audi A6 Sportback e-tron Performance
全長×全幅×全高:4930×1925×1495mm
車重:2220kg
ホイールベース:2950mm
電気モーター
駆動用バッテリー容量:100kWh
最高出力:280kW
最大トルク:565Nm
変速機:1速固定式
後輪駆動
一充電走行距離:769km(レンジプラスパッケージでは846km)
乗車定員:5名
価格:981万円〜

写真:アウディジャパン

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