今年4月に開幕した2025年大阪・関西万博の会期は、残り約1カ月となった。無策のツケともいえる海外パビリオンの建設費未払い問題。起きた経緯やそれぞれの事情を多角的な視点で検証する。 ◇ 「彼らの知識やノウハウ、人脈などが万博協会内部に蓄積されなかったことがトラブル拡大の一因だ」 「彼ら」とは国内トップの広告大手、電通グループ。東京五輪・パラリンピック大会を巡る談合事件に関与したとして捜査のメスが入り、大阪・関西万博の運営側から撤退するという前代未聞の事態を踏まえ、ある万博関係者は、複数の海外パビリオンで発覚した建設費の未払い問題についてこう漏らす。 五輪談合の余波電通グループの2024(令和6)年12月期連結決算は、最終赤字とはいえ収益が1・4兆円。広告やマーケティングにとどまらず、国家イベントの運営や地方創生など事業内容は多岐にわたり、過去の万博運営でも、存在感を発揮し続けた。 1970