地方ローカル線はどう記述されているか 『日本列島改造論』が説く鉄道政策の大部分は、新幹線ネットワークの拡大に関することが占めている。在来線に関することは、全国新幹線鉄道網ネットワークを整備して長距離旅客需要を新幹線へ集約させたうえで、旅客輸送力に余裕ができた在来線が貨物輸送や地域密着輸送の主役として機能する役割分担を図るべき、という形で言及している。同書の第Ⅳ章「人と経済の流れを変える」の後半項目「工業再配置を支える交通ネットワーク」に並ぶ7つの小項目でも、鉄道をメインテーマとするのは2番目の「開幕した新幹線時代」で、その名の通り新幹線のメリットや将来性が紙幅を割いて語られている。 この「開幕した新幹線時代」の本文は、2つの小見出しによって二分されている。その1番目は「拡大する一日行動圏」というタイトルで、まさに新幹線の話題が凝縮されているのだが、2番目が「国土開発と地方線の再評価」となっ