米国時間2024年4月22日に、米国立標準技術研究所(NIST)が、米国の連邦政府機関のシステム向けとしての電子的な本人確認に係るデジタルアイデンティティガイドラインであるNIST SP 800-63第3版での、当人認証とその保証レベルについてのパートB(NIST SP 800-63B-3)用の補足文書(原文では「サプリメント」)を公表した[1]。 この補足文書は、複数の端末に同期して安全かつ便利な認証に使える(同期)パスキーといった「同期可能な認証器」(“syncable authenticator”)を、NIST SP 800-63B-3に取り込むためとされている。 これまでのNIST SP 800-63B-3では、「多要素暗号ソフトウェア認証器は秘密鍵を複数の端末に複製することを非推奨とするのが望ましく(SHOULD)、かつ行わないこと(SHALL NOT)」と規定されていたため、秘