ASCII Power Review 第291回
たたんでも8.9mmはもはや異次元だった
2億画素カメラを搭載しながら極薄化も実現した2つ折りスマホの完成形「Galaxy Z Fold7」実機レビュー
2025年07月26日 09時00分更新
サムスンは日本国内向けの折りたたみスマホ最薄、最軽量を実現した「Samsung Galaxy Z Fold7」(以下Fold7)を7月17日に発表した。予約は同日から開始されており、SIMフリーモデル、au、ソフトバンク、ドコモから8月1日より販売が開始される。
7世代目最大の特徴は極限の薄型、軽量化。またメインカメラの解像度が200MPに引き上げられ、画面サイズもついに8インチに到達している。
サムスンよりSIMフリーモデルの試用機を借用したので、主に前モデルからの進化点にスポットを当ててレビューしていこう。
下から「Galaxy Fold」、「Galaxy Z Fold6」、「Galaxy Z Fold7」。折りたたんだ状態の厚みは15.7mm→12.1mm→8.9mmと薄型化されている(説明会で端末を重ねる許可を得て撮影)
8インチ大画面&200MPカメラを搭載
薄型&軽量化を実現
前述のとおり、Fold7はSIMフリーモデルと、au、ソフトバンク、ドコモのキャリアモデルが用意。記事執筆時点の価格は下記のとおりだ。
SIMフリーモデル
(ブルーシャドウ、ジェットブラック、シルバーシャドウ、ミント)
・12GB/256GB:26万5750円
・12GB/512GB:28万3750円
・16GB/1TB:32万9320円
au
(ブルーシャドウ、シルバーシャドウ、ジェットブラック)
・12GB/256GB:27万6800円
・12GB/512GB:29万4800円
・16GB/1TB:33万9900円
ソフトバンク
(ブルーシャドウ)
・12GB/256GB:26万6400円
ドコモ
(ブルーシャドウ、ジェットブラック)
・12GB/256GB:28万9850円
・12GB/512GB:30万6900円
・16GB/1TB:33万5940円
基本スペックは共通。OSは「Android 16」、プロセッサーは「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を採用。メモリー(LPDDR5X)とストレージ(UFS 4.0)の組み合わせは12GB/256GB、12GB/512GB、16GB/1TBの3種類が用意されている。
ディスプレーはメインが8インチQXGA+ 有機EL(2184×1968ドット、120Hz)、サブが6.5インチFHD+ 有機EL(2520×1080ドット)を搭載。
メインディスプレーにはチタンプレート層、従来比50%厚の「Ultra-Thin Glass(UTG)」、サブディスプレーにはガラス構造内に微細な結晶を精密に埋め込んだ新素材「Corning Gorilla Glass Ceramic 2」を採用することで耐久性、保護性能を向上させている。
カメラはリアに200MP広角(F1.7、光学相当2倍ズーム)、12MP超広角(F2.2)、10MP望遠(F2.4、光学3倍ズーム)、インカメラに10MP(F2.2)、カバーカメラに10MP(F2.2)を搭載。
インカメラはパンチホール仕様に変わっているかわりに、画素数が4MPから10MPへと引き上げられている。
通信方式はデュアルSIM(nanoSIM+eSIM、デュアルeSIM対応)、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応。端子はUSB 3.2 Gen1 Type-C×1を装備している。
本体サイズは開いた状態で158.4×143.2×4.2mm、閉じた状態で158.4×72.8×8.9mm、重量は215g。フレームには「Advanced Armor Aluminum」、ヒンジには「Armor FlexHinge」が採用され、薄型&軽量化と堅牢性を両立している。防水・防塵性能はIPX8/IP4Xと前モデルと同じだ。
「Samsung Galaxy Z Fold6」(以下Fold6)との違いをまとめると下記のようになる。
プロセッサー
Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy → Snapdragon 8 Elite for Galaxy
メインディスプレー
7.6インチ → 8インチ
サブディスプレー
6.2インチ → 6.5インチ
厚さ
オープン時5.6mm/クローズ時12.1mm → オープン時4.2mm/クローズ時8.9mm
最大メモリー容量
12GB → 16GB
広角カメラ
50MP → 200MP
インカメラ
4MP → 10MP
Wi-Fi
Wi-Fi 6E → Wi-Fi 7
一方、前述のとおりインカメラがアンダーディスプレーカメラからパンチホールカメラとなり、Sペン非対応となった。薄型ボディーを実現するため、Sペンに必要なデジタイザー層(EMR層、Electromagnetic Resonance層)を収めることができなかったとのことだ。
大画面を搭載するFoldシリーズこそ、Sペンが使いやすい。また「Galaxy AI」でデッサンから生成画像を作る際などにSペンは便利だ。Fold7の薄型化は驚異的だとは思うが、次世代モデルでは再びSペンをサポートすることを強く期待したい。
2億画素広角カメラ搭載
画像処理エンジンにGalaxyの強みがある
Fold7には200MP広角(F1.7、光学相当2倍ズーム)、12MP超広角(F2.2)、10MP望遠(F2.4、光学3倍ズーム)が搭載されている。
Galaxyシリーズと言えばカメラ画質に定評があり、薄型化を追求した本製品でも高画質を継承。また広角、超広角、望遠カメラのいずれでも同じ色合いで撮影可能だ。やや色が強めに出る傾向があるが、補正可能。夜景は実際の目で見るよりも明るく、階調豊かに撮影できる。
Fold7はメインの広角カメラの画素数が200MP(2億画素)に大幅向上したのがトピックだが、画像処理エンジンのチューニングにこそGalaxyシリーズの強みがある。
AnTuTu V10の総合スコアは192万
Fold6の109%相当のパフォーマンスを発揮
Fold7はプロセッサーに「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載している。定番ベンチマークを実施したところ、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは1925653、CPUは485024、GPUは696790、MEMは409935、UXは333904だった。
また、CPUベンチマーク「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは8795、Single-Core Scoreは2376。3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のWild Life Extremeは5794、AIベンチマーク「Geekbench AI」のSingle Precision Scoreは471、Half Precision Scoreは448、Quantized Scoreは936を記録した。
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