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FIXER Tech Blog - AI/Machine Learning

同じLLMでも生成AIサービスによって回答品質が違う? その理由とは

2025年10月14日 15時00分更新

文● 渥美洋行/FIXER

 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「同じモデルでも成果が変わる理由とは?GaiXerで見えたLLM活用の差」を再編集したものです。

「複数のLLMが使えるって言っても、同じLLM選べば結果は同じでしょ?」

 正直、僕はそう思ってました。

 ChatGPTはChatGPT、ClaudeはClaude。「どこのサービスで使おうが、大して変わらないよね...」と。

 でも、この認識は完全に間違いでした。

 FIXERにジョインして、ふと自社のGaiXer使ってみたら同じプロンプトを投げても、オリジナルのChatGPTとは回答が異なるんです。

同じプロンプトでも回答品質が劇的に変化

■ユーザーの入力例

「プロジェクト管理のコツを教えて」
 
プラットフォームによる最適化のイメージ
・専門的な文脈の付与
・構造化された回答形式の指定
・具体例や実践的内容の要求
・適切な詳細レベルの調整

 この結果、シンプルな質問でもより実践的で構造化された回答が得られます。

実際の出力例比較

※下記はイメージであり実際の生成AIプラットフォームの動作とは異なります。

標準的なWebインターフェースでの回答例

プロジェクト管理のコツ:
1. 明確な目標設定
2. タスクの優先順位付け
3. 定期的な進捗確認
4. チームコミュニケーション


最適化されたプラットフォームでの回答例

# プロジェクト管理を成功に導く実践的アプローチ

## 1. 戦略的な目標設定とスコープ定義
- SMART原則に基づく目標設定
- ステークホルダー分析と要件定義
- リスク評価とコンティンジェンシープラン
## 2. 効果的なタスク管理手法
- WBS(作業分解構造)の作成
- クリティカルパス分析
- リソース配分の最適化
...

なぜこんなに違うのか?

プロンプト最適化の自動化

 最大の違いは、ユーザーが入力したプロンプトに、生成AIプラットフォームが自動で最適化を加える仕組みです。

あなたの入力

「プロジェクト管理のコツを教えて」


生成AIプラットフォームが自動拡張 

# マルチLLMプラットフォームの内部処理例
user_input = "プロジェクト管理のコツを教えて"

enhanced_prompt = f"""
あなたは経験豊富なプロジェクトマネージャーです。
以下の質問に対して、実践的で構造化された回答を提供してください。

質問: {user_input}

回答要件:
- 具体的な手法・ツールを含める
- 段階的なアプローチを示す
- 実際の事例や数値を織り込む
- 読者がすぐ実践できる形で提示
- 見出しと箇条書きで構造化

回答形式:
1. 戦略レベルのアプローチ
2. 具体的な実行手法
3. ツール・テンプレート紹介
4. よくある失敗とその対策
"""

※上記はイメージであり実際の生成AIプラットフォームの動作とは異なります。

 このように同じLLMを使っていても、適切な回答ができるようにプラットフォーマーは日々取り組んでいます。

家電業界でも同じことが起きている

 「同じLLMなのに結果が違う」って不思議に思うかもしれませんが、実は私たちに身近な家電業界では割と見受けられることです。

 例えば液晶テレビ。

 多くのメーカーが同じLGディスプレイ製のパネルを使っているのに、画質が全然違いますよね。

 ソニーのBRAVIAとジェネリックブランドのテレビ、 同じパネルなのに見た目は別物です。

 なぜでしょう?

 画質エンジンが違うからです。

 LLMサービスも同じです。同じGPT-5でも、「画質エンジン」にあたる最適化技術が違うから、 全く違う結果になるんです。
ここが各社の腕の見せどころになります。

まとめ

 GaiXerをはじめとする生成AIプラットフォームは、単に「複数のLLMが使える」だけではありません。同じモデルでも最適化技術によって劇的に性能が向上することが最大の価値です。

 同じLLMでも、サービスによって結果が違うということを、ぜひ実際に体験してみてください。

渥美洋行/FIXER
2025年9月 株式会社FIXERに入社。入社のきっかけはデッカイギとデッカイジャーです。元国家公務員、国や自治体のみなさまのAI活用を支援しています。

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