本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「【prompt】学生向けで生成AI講義をした時にウケたコンテンツ」を再編集したものです
 本記事はFIXER Advent Calendar 2024(FIXER Advent Calendar 2024 ~ AI編 〜 )12月13日の記事です。
 皆さん、お久しぶりです。9ヶ月前に21歳になった男、須山颯己です。今回は、鈴鹿高専で生成AIについての講義を行った際に評判が良かった座学・演習の話をしていこうと思います。
そもそも
 鈴鹿高専で生成AIについての講義ってなんだよって話だと思います。
弊社の公式Youtubeにテレビで放映されたときの映像があったのでまずはそちらをご覧ください
https://youtu.be/kHwYhIN0h1k?feature=shared
 要するに高専生向けに生成AIについての授業が通年科目(一年間かけて行われる授業)で行われました。
 須山颯己は何と第3、4、5回で「プロンプトについて」を中心としたハンズオンを行いました。
ウケたコンテンツ その1 違いが分かるような説明
 大前提として、プロンプトにはFew Shot-PromptingやRole-Promptingなどの生成AIを効果的に活用するためのプロンプトエンジニアリング手法があります。鈴鹿高専の講義ではこのプロンプトエンジニアリング手法を5つ紹介しました。
 これらを紹介するにあたって、手法を使用していないプロンプトと手法を使用したプロンプトの生成結果を比較として見せながら、学生にも実際に生成してもらいました。自分の手で生成をすることで違いを実感でき、その後の演習でもスムーズに手法を使ってくれます。(やっぱり実際に生成しているところを見ると講義として面白いのでその点でもおすすめです)
↓こんな感じのスライド。これを見せたうえで学生の皆さんに同じプロンプトを質問してもらい生成結果を確認してもらいました。
ウケたコンテンツ その2 答えが分かる問題
 今回プロンプトについてのハンズオンを行う上で、いろいろとプロンプトについて調べました。その結果プロンプトを試行錯誤することこそ、一番プロンプトを学べると思いました。そのためには答えがあっているかを分かっている必要があると思います。「めちゃめちゃ分かりやすい解説だけど答えとして間違っている」は誤っているプロンプトです。答えが分かることで「プロンプトを少し変えただけで分かりやすさが2倍になった」や「文言を加えたけど、分かりやすさが変わらなかった」など、答えが分かるから見えてくる部分に焦点を当ててハンズオンの問題を作成しました。答えの内容を吟味するのなら選択式よりは記述式の問題の方が適していると講義を通して感じました。
 鈴鹿高専で行ったときは、中学校で習う数学・理科の問題を演習として用いました。
ウケたコンテンツ その3 難読漢字
 皆さん突然ですが「悉皆」は何と読むでしょうか。
 このブログを見ている方はコピペが出来るので、調べることができると思います。では、コピペができない状態だとどうでしょう。「番の上の部分に心が下に部首としてついている漢字は何ですか」と聞くのか「番の田を心に変換した漢字は何ですか」と聞くのか。意外とプロンプトの工夫が必要で「悉」が出てこないんですよね。
 これもその1で書いた答えが分かる問題と考え方としては似ています。「悉皆」をAIに認識してもらう(出力させる)ためにプロンプトを変えていくという経験は、プロンプトを最初に触るうえでは取り掛かりやすい問題だと思います(自論)。
↓2と3合わせてこんな感じ
終わりに
時が立つのは早いもので、GaiXerの案件に携わって1年半が経過しているわけですが「1年以上GaiXerやってるし生成AIのことだいたい分かるやろ」と言っている自分が心のどこかにいました。蓋を開けてみれば1㎜もわからないし、奥が深すぎる。しかも何がすごいって、生成AIについての分野(プロンプト、LLM、AIへの学習方法などなど)が多いにも関わらず、その分野すべてが深すぎるという「広く深く」が成立しているということ。「広く深く」は時に初心者を遠ざけてしまうケースがあります(実際、須山も生成AIに触れるのためらってた時期あるし)。この遠ざかってしまった心を引き戻すほどに生成AIは面白いと思うので、その面白さを伝えつつ生成AIという海に受講者を入水させるのも講師の役目であると思います。
おまけ ウケたか分からないけど個人的には革命だと思った演習
 以下の条件の演習です。
・学生の皆さんはGPT3.5を使用
・演習問題は誰でもわかる問題(鈴鹿高専講義では中学理科)
・事前に演習問題をプロンプトとして最新LLMに回答をしてもらう(鈴鹿高専講義ではBedock Claude 3 OpsとGPT-4o)
 ・(ここでのポイント)最新LLMに投げるプロンプトはスライドに提示する問題のみ
・最新LLMから返ってきた回答より分かりやすくなるようにプロンプトを工夫してみよう
 要するに「プロンプトを魔改造したGPT3.5」VS「プロンプトを何もしていない最新LLM」の構図を作りました。意外と五分五分になるので面白いです。最新LLMに勝とうという闘争心を掻き立てて演習をさせるという点では結構ありかなと思いました。
↓実際のスライド
須山颯己/FIXER
2023年度入社のにわかエンジニアです。
新目標:月一でブログを書く
 アニメ、マンガから声優にハマり、最終的にスーパー戦隊ヒーローと仮面ライダーにまで手を付けた男
所々に自己満足でコアなネタがあるので、気付いたら私と友達になれます。
この連載の記事
- 
							TECH アプリ開発、TypeScriptやCSSのコード作成もすべてGaiXerにお任せしてみた
- 
							TECH ユースケースが見つけやすい! 便利な「Microsoft 365 Copilot 活用ベストプラクティス集」を入手しよう
- 
							TECH 自治体業務でどう使う? 生成AIアイデアソンに自治体職員が挑戦
- 
							TECH 生成AIで360°パノラマ画像を作る! 最新研究でやってみた
- 
							TECH RAGの精度を改善する現実的な方法4つ、AWS Summitで学んだ
- 
							TECH 過去問から例題をAIで生成、データベーススペシャリスト試験に再挑戦
- 
							TECH ウェビナーの構成・タイトル・告知、すべて生成AIに手伝ってもらった
- 
							TECH 6種類のLLMに「ワンナイト人狼」をやらせてみた結果…
- 
							TECH 仕訳を生成AIが自動で行うプロンプトを作ってみた
- 
							TECH アスキーアートをいい感じに描けるLLMはどれだ! 選手権!
- この連載の一覧へ