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新型コロナウイルスのニュースがひっきりなしに飛び込んできて、不安を覚えている人もいるかもしれません。感染地域が地球上にどんどん広がっているため、「自分の住んでいるところにも発生したらどうしよう」と思っているのではないでしょうか。パンデミック(世界流行)は脅威ですが、居住地域で感染が確認されていなければ、それほど心配する必要はありません。しかし、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)と世界保健機関(WHO)は、感染者数を減らすために基本的な対策をすることを全ての人に推奨しています。[1]

方法 1
方法 1 の 4:

ウイルス拡散を予防する

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    ワクチン接種を受ける ワクチン接種を受けられるのであれば、受けましょう。日本やアメリカ、世界の国々で数種類のワクチンの緊急使用が認可されています。居住地域の状況や規定によって接種対象者は異なりますが、医療従事者、介護老人福祉施設の居住者、エッセンシャルワーカーや持病を持ち高リスクの人などの優先順位が高いのが一般的です。[2]
    • 日本では、まずファイザー社のワクチンが供給されています。また、モデルナ社、アストラゼネカ社とも供給を受ける契約を交わしています。[3]
    • どのワクチンも、コロナウイルス感染症の重症化や入院治療を防ぐ大幅な効果が認められることが治験により示されています。[4]
  2. 大変シンプルですが、病原菌から身を守るには一番の方法です。流水で手を濡らし、石鹸を手のひらにつけます。20秒間手をよく擦りあわせ、流水で石鹸を洗い流します。[5]
    • アルコール性の手指消毒剤もウイルス予防に役立ちます。手洗いの代わりにはなりませんが、追加の対策として使用しましょう。アルコール濃度60%~95%のものがよいでしょう。[6]
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    可能な限り家に留まることで人との物理的距離を取る 人が複数いるところ、特に人ごみではウイルスが簡単に拡散します。しかし、ありがたいことに、家にいるだけで自分自身も、周りの人も守ることができるのです。外出は食料品の買い出しなど、どうしても必要な場合のみにとどめましょう。それ以外の時間はおうち時間を楽しみましょう。
    • あなたがハイリスク群の人で、家族にエッセンシャルワーカー(ライフライン維持に欠かせない仕事に従事している人)がいる場合は、その人との接触はなるべく制限し、細心の注意を払うことが必要です。
    • 人と集まる場合、米国では10人以下にすることが推奨されています。若い人や健康な人にもウイルスがうつり、拡散することを忘れてはいけません。日本では都道府県によって対応が異なりますので、調べてみましょう。
    • ゲームをする、何かを作る、本を読む、庭で遊ぶ、映画を見るなどおうち生活を楽しむ方法はたくさんあります!
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    公共の場では、人と2m以上離れる 買い物などで公共の場に出なくてはいけないこともあるでしょう。自分が感染しているかもしれないと考えて、他の人との距離をとりましょう。新型コロナウイルスは症状が出る前に人にうつることがあるので、念のために人に近づかないようにしましょう。[7]
  5. 一般的に、新型コロナウイルスは感染者のくしゃみや咳の飛沫を吸い込んだり、飛沫が付着した手で自分の顔を触ったりすることで感染します。手を洗わずに顔を触ることは避けましょう。さもないと、不用意に体内に病原菌を取り込んでしまうことになります。[8]
    • 手を汚さないように、できれば、鼻を拭いたり咳をする時にはティッシュを使いましょう。
  6. 残念ながら、新型コロナウイルスに感染した人は、症状が出ていなくても人にウイルスをうつすことがあります。安全のために、新型コロナウイルス感染が終息するまでは、人と握手することは避けましょう。「新型コロナウイルス感染を避けたいのです」と説明して、握手は丁重にお断りしましょう。[9]
    • 「はじめまして。普通でしたら握手をするんですが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)も感染が終息するまでは握手をしないように勧めていますので」などと説明しましょう。
  7. おそらく新型コロナウイルスに感染しているわけではないとしても、呼吸器感染症の症状が出ている人に気づいたら、念のため距離を置いた方がよいでしょう。さりげなく、失礼ならないようにその人から離れましょう。[10]
    • その人と話しているのであれば、「咳が出てるね。早く良くなるといいね、お大事に。でも、菌をもらっちゃうといけないから、ちょっと離れとくね」などと思いやりを示しつつ説明しましょう。

    ポイント:新型コロナウイルスは中国で発生しましたが、中国の人が皆そうだというわけではありません。悲しいことに、世界ではアジア系だというだけで人種差別的な扱いを受けたり、暴力行為を働かれたりという事例が報告されています。今や新型コロナウイルスは世界中に広がり、誰にでも感染や拡散の可能性はあります。人には親切に、公平に接しましょう。

  8. アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は家庭、職場、公共の場所を可能な限り清潔にしておくことを推奨しています。人が触れる可能性のある場所(金属、木などの固い部分)は除菌剤をスプレーするか、除菌ウェットティッシュで拭きましょう。可能な時には、布などの柔らかい部分を除菌スプレーで消毒しましょう。
    • 例えば、カウンター、手すり、ドアノブなどに除菌スプレーをしましょう。また、塩素系漂白剤でこういった金属や木などの表面を除菌することもできます。[11]
    • 除菌スプレーは布などの柔らかいものにも使えます。
    • 酢やそれ以外の「天然の」洗剤は、コロナウイルスに対する効果が確認されていないため、使用を避けましょう。[12] 「天然の」洗剤には様々な原材料が含まれていることがあり、ウイルス対策用に作られたものではありません。
  9. マスクは息を吐くときに出る飛沫をせき止めるため、着用すればウイルスを人にうつす可能性が下がります。人と2mの距離を取りにくかったり、不可能だったりする状況では、鼻と口を覆うことが特に大切です。布マスクは一度使用したら必ず洗濯しましょう。[13]
    • また、N95などの呼吸器系保護マスクは、医療従事者で数に限りがあります。使用しないようにしましょう。

    ポイント:通常よりも値段が高いマスクを購入してはいけません。これは便乗値上げであり違法行為です。インターネットよりも店頭で購入したほうがよいでしょう。

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方法 2
方法 2 の 4:

家庭で非常事態に備える

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  1. 自分自身が感染したり、地域で感染が拡大した場合は、家に留まらなくてはなりません。今のうちに長期間保存可能な食品を余分に買い、備蓄しておきましょう。さらに、腐りやすいものを冷凍しておくと、必要な時に解凍して食べられます。
    • ツナ缶などの缶詰、保存期間の長い食品を多めに買っておきましょう。[14]
    • 冷凍食品だけでなく、肉やパンなどの日持ちしないものを冷凍しておきましょう。
    • 牛乳が必要な人は、しばらく買い物に行けない事態に備えて粉乳を備蓄しておきましょう。
    • 感染拡大中だからと言って、健康的な食事作りをあきらめる必要はありません。生鮮食品は冷凍しておいて後で調理したり、食品添加物が少ない缶詰や冷凍食品などを利用するとよいでしょう。健康的な穀物類なども買っておくと便利です。

    一口メモ:アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、居住地域で新型コロナウイルス感染が流行した場合、家に留まり、人と接触しないことを全ての人に推奨しています。これは「物理的距離戦略」と呼ばれ、感染症対策に効果的です。[15]

  2. 家族が新型コロナウイルスに感染したり、地域で大流行が発生した場合、数週間家から出られないことも考えられます。そのような場合に備えて、日常的に使う生活必需品を買い置きしておきましょう。可能であれば、1か月程度の備蓄があれば安心です。必要になるものは以下の通りです。
    • ティッシュ(咳やくしゃみを押さえたり、鼻をかんだりする場合に備え十分に) 
    • 食器用洗剤 
    • ハンドソープ 
    • 紙タオル 
    • トイレットペーパー 
    • 洗濯洗剤 
    • 掃除洗剤 
    • 生理用品 
    • 洗面道具 
    • おむつ 
    • ペット用品

    ポイント:生活必需品を買いだめしすぎることは避けましょう。2~4週間分あれば十分です。地域の他の人々も、隔離生活を送るのに十分な物資が必要であることを忘れてはいけません。

  3. 新型コロナウイルスそのものに効く薬はありませんが、呼吸器感染症の主な症状に効く治療薬はあります。病気に備えて、鼻炎薬と、アセトアミノフェン(タイレノールなど)・イブプロフェン(イブAなど)・ナプロキセン(ナイキサンなど)などの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を一箱買っておきましょう。 咳を抑えるための喉あめや、咳止め薬もあるとよいかもしれません。
    • 家族が多い場合、複数人が感染した時のために多めに薬を備蓄しておくとよいでしょう。何箱用意すればよいか、医師に相談しましょう。
  4. 毎日薬を服用している人は、新型コロナウイルス感染が終息するまで、医師や薬局に相談して多めに薬を用意しましょう。自身が感染したり、地域で感染が蔓延したりすると、薬を買いに行けないかもしれません。念のために、手元に30日分は確保しておきましょう。
    • 処方薬の場合は1、2週間ごとに薬局に立ち寄って少しずつ購入しましょう。こうすれば常に30日分の薬を備蓄できます。
    • 自分に必要な薬を手に入れる方法を医師や薬剤師に相談しましょう。
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方法 3
方法 3 の 4:

学校・職場の閉鎖に備える

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  1. すでに多くの学校や幼稚園・保育園が休校・休園になっていますが、ウイルスの拡散を防ぐため、これから時間を短縮して再開する学校や園もあるでしょう。仕事を持つ親にとって、子どもを預けられないことは大きな問題となります。他の預け先を考え、前もって策を講じておきましょう。
    • 例えば、子どもの世話ができそうな親せきに頼む、職場で上司にリモートワークや有給休暇について相談するなどの方法があります。
    • 子どもがテレビを見たり、パソコンを使ったりする時間はどうしても普段より増えるかもしれません。新しくスケジュールを決め、子どもに合った番組や映画を一緒に選んであげましょう。
  2. 心配しすぎることはありませんが、地域に感染が広がった場合、出勤できない可能性もあります。感染を食い止めるため、 会社などが閉鎖される可能性もあります。このような事態に備えるため、感染拡大の際には家でリモートワークができないか上司に話してみましょう。 リモートワークでできる仕事、責任の所在、勤務可能な時間などについて話しましょう。
    • 「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、感染が広がってきた場合は家から出ないように勧めているそうです。もしそうなったら、私はリモートワークをしたいと思いますが、相談に乗っていただけますか?」などと話しましょう。
    • 全ての人がリモートワーク可能なわけではありません。それでも、選択肢として、家でできる仕事、できない仕事について考えておくとよいでしょう。
  3. リモートワークができない職種であれば、仕事が休みになった場合どうやって家族を養っていけばいいのか、心配になるかもしれません。そのような時に、各種団体や自治体の支援が受けられる場合があります。地域のフードバンクで食料支援が受けられるかもしれません。金融支援を行っている自治体もあり、都道府県の労働局では特別相談窓口を開設しています。調べてみましょう。
    • 困っている人を支援する宗教団体が地域にあるかもしれません。
    • 心配しすぎることはありません。このような事態にさらされているのはみんな一緒です。地域コミュニティーが力を合わせて、困った人に必要な支援をするでしょう。
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方法 4
方法 4 の 4:

情報を集め、落ち着いて過ごす

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  1. 厚生労働省は公式LINE、Twitterで最新の情報を発信しています。また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)と世界保健機関(WHO)は毎日新しい情報を発表しています。正しい情報を入手し、自分を守ることは大切ですが、新型コロナウイルスの恐怖に取り込まれてはいけません。常に新しい情報を探し回るのではなく、1日に1回か2回だけ、ニュースをチェックしましょう。
    • 世界保健機関(WHO)のライブアップデート(英語)はこちらです。
    • 感染地域でなければ心配しすぎることはありません。なるべく落ち着いて過ごしましょう。

    ポイント:人々の恐怖心から、様々な流言飛語がインターネット上にあふれています。不必要なパニックを避けるために、信頼できる情報源から情報を入手しましょう。さらに、情報の正誤を、厚生労働省、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)のウェブサイトで確認しましょう(注:CDCとWHOは英語サイト)。

  2. 家族が感染しないかと気が気でないかもしれません。また、「新型コロナウイルスって何?」と子供に聞かれることがあるかもしれません。しっかりと備えをし、状況を把握するために、感染が広がった場合にどうするか話し合う家族会議を開きましょう。議題は以下の通りです。
    • 食料や生活必需品は十分にあることを家族に伝え、安心させる 
    • 子供にはちゃんと世話をしてもらえることを伝える 
    • 感染が広がり、家から出られない場合に何をするか話し合う 
    • 非常時の連絡先を家族全員に伝える 
    • 誰かが感染した場合の隔離部屋を決める 
  3. 新型コロナウイルスの薬はありません。そのため、強力な免疫系が最強の防御策です。幸い、健康的な生活を送ることで免疫系は強化されます。持病などがある人は、お勧めの免疫強化策を医師に相談してみましょう。また、以下の方法も試してみましょう。[16]
    • 毎食、新鮮な野菜か果物を食べる 
    • 1日30分、週に5回は運動をする 
    • 医師の許可があればマルチビタミンを摂る
    • 7~9時間の睡眠時間をとる
    • ストレス解消をする
    • 喫煙は避ける 
    • まだであればインフルエンザ予防接種を受ける 
  4. おそらく新型コロナウイルスではないにしても、何らかの症状があれば軽く考えてはいけません。発熱、咳、呼吸困難などが見られたら医療機関に連絡しましょう。ただし、病原菌を拡散しないように家からは出ないようにします。可能性があれば、医師から新型コロナウイルスの検査を受けるよう指示があります。 [17]
    • 新型コロナウイルス感染の疑いがあれば、事前連絡なしに医療機関へ行ってはいけません。医療機関では、他の患者に感染させないように隔離されます。もしくは、家に留まるか、車の中にいるように指示される場合もあります。
    • 新型コロナウイルス陽性が確認されれば、入院して経過観察をすることになります。
  5. 専門家は不要な移動は避け、ウイルスの拡散を防ぐよう呼びかけています。[18] どうしても移動する必要がある場合は、外務省などが提供する海外安全情報を参考にして危険度を把握しましょう。[19] [20]
    • 特にハイリスク群の人は移動を避けることが大切です。高齢者、持病のある人、免疫不全の人は、感染のリスクを避けるため、必要のない旅行はやめましょう。
    • 心配であれば、旅行を中止して一部、もしくは全額返金してもらうこともできるかもしれません。旅行会社に相談してみましょう。
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ウィキハウ動画: 新型コロナウイルスに備える方法

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ポイント

  • パニックを起こさないようにしましょう。パンデミックは恐ろしいものですが、あまり心配しすぎる必要はありません。
  • 人には親切に接しましょう。中国の人だからと言ってその人が感染者だと考えるのは間違っています。今やウイルスは少なくとも200を超える国に広がっていて、国に関わらず多くの人に影響を与えています。また、咳をしている人を感染者だと決めつけてもいけません。
  • 生活必需品を買い込みすぎてしまったら、余ったものは地域の困っている人に寄付しましょう。
  • 社会的距離ではなく、物理的距離を確保しましょう。家族や友達とはFacebookやZoomなど、オンラインで連絡を取りましょう。
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注意事項

  • 感染したかもしれないと思う場合は、受診以外の目的で外へ出てはいけません。人にウイルスをうつす可能性があるため、人を守ることが大切です。[21]
  • わざと人に向かって咳をする、感染対策をばかにして従わないなどの行為を絶対にしてはいけません。このような行為によって新型コロナウイルスが拡散するだけでなく、地域によっては罰金や懲役刑の対象になることもあります。
  • 65歳以上の人や基礎疾患がある人は、可能な限り外出自粛をしましょう。
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このwikiHow記事について

Erik Kramer, DO, MPH
共著者 ::
整骨医
この記事の共著者 : Erik Kramer, DO, MPH. かかりつけ医のエリック・クレイマー医師は、コロラド大学にて内科疾患、糖尿病、体重管理の治療を専門的に行っています。2012年にタウロ大学ネバダ校整骨医学部にて博士号を取得。 この記事は24,041回アクセスされました。
記事のサマリーX

新型コロナウイルスに備えるには、感染拡大を防ぐため、日々予防策をとるのが一番です。定期的に石鹸と流水で手洗いをして、手についたばい菌を落としましょう。石鹸と水が使えない時は、代わりにアルコール性の手指消毒剤を使用します。手洗いをせずに目、鼻、口に触ると、ウイルス感染のリスクが高まるので注意しましょう。人との握手は避けます。咳やくしゃみをしている人がいたら、2mの距離を保ち、ウイルス感染を避けるようにしましょう。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は頻繁に触る場所、テーブル、カウンターの上、ドアノブ、電気のスイッチなどを家庭用消毒剤と水で毎日除菌するように勧めています。また、ウイルスの拡大を予防するために、30日分の生活必需品をストックしておくとよいでしょう。食品、洗剤、トイレットペーパー、掃除用洗剤などです。万一感染した場合に備えて市販薬を買っておくのもよいでしょう。風邪薬や解熱鎮痛剤が必要です。処方薬を服用している人は、買いに行けなくなる事態に備えて、今の内に少なくとも30日分を入手しておきましょう。また、家族で話し合って、誰かが感染した場合はどのように看病するか、計画を立てておきます。家族や親せきに、高齢者や持病のある人がいる場合は特に重要です。最後に、職場や上司と相談し、リモートワークを許可してもらいましょう。ウイルス感染の可能性を下げることができます。新型コロナウイルスのニュースは恐ろしく、ストレスが溜まるものですが、パニックになってはいけません。新型コロナウイルス感染症の大半は軽症で、簡単な予防策を実行するだけで、自分も家族も守ることができるのです。

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