「子煩悩だった」一家に何が、驚きと悲しみ広がる 品川4人死亡

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 東京都品川区の住宅で23日、幼い子ども3人と母親が心肺停止で見つかり、死亡が確認された。同じ場所に倒れていた父親の40代男性は、のどにやけどを負うなどして病院に搬送された。死亡した4人には胸や首に切り傷や刺し傷があり、現場からは凶器とみられる刃物が見つかった。室内は施錠されており、警視庁は殺人事件とみて捜査を始めた。

 警視庁によると、亡くなったのは母親の高波冬美さん(37)、高波さんの長女で小学1年生の後藤鈴さん(6)、いずれも保育園児で次女の後藤玲ちゃん(3)、長男の後藤信ちゃん(2)。両親は今月に離婚し、5人はその後も一緒に暮らしていたという。

 にぎわう商店街近くの住宅で起きた突然の事件に、周辺の住民からは驚きと悲しみの声が広がった。何があったのか。

 近くに住む50代男性は、両親が自転車に子どもを乗せ、5人で公園に行き遊ぶ姿を見かけるなど、仲の良い家族という印象だった。家族を最後に見たのは事件2日前の朝。冬美さんと鈴さんが家の前におり、男性が鈴さんに「(小学校で)何ができるようになった」と聞くと、鈴さんは「漢字を書けるようになった」と笑顔で話したという。男性は「上の子はお話し上手で、家族も仲がよさそうだったのに」と肩を落とした。

 一方で、鈴さんの同級生によると、鈴さんは学校を休みがちで、事件当日も休んでいたという。「あまり学校には来ていなかったけど、クラスの子とボードゲームで遊んでいたのは見たことがある」と話した。

 夫婦を昔からよく知るという女性によると、父親は子煩悩で、鈴さんを連れて外出する姿をよく見たという。冬美さんも「普通のお母さん」という印象だったという。女性は「子どもが生まれる前は夫婦でバイクを2人乗りして出かける姿をよく見て、仲がいいカップルだと思った。その後はベビーカーで子どもを連れる姿もよく見た」と話した。

 近くの飲食で働く女性も「2…

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    浜田陽太郎
    (朝日新聞記者=社会保障、定年後)
    2024年5月24日9時44分 投稿
    【視点】

    子どもを巻き込む凄惨な事件があると、いつも心に浮かぶ言葉が「ソーシャルワークの敗北」です。様々な感情がたまり、コップの縁からあふれ出てしまう前に、誰かが気づいて手が打てなかったのか。私自身も、7年ほど前に社会福祉士(ソーシャルワーカー)の資

    …続きを読む