第1言語の手話「奪われる悲しさ知って」 ろうの中学生が求めた権利

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上保晃平
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 幼い頃から使ってきた手話で授業を受けられず、学習権を侵害されたとして、聴覚障害がある北海道札幌聾(ろう)学校の小学生ら2人が道に各550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、札幌地裁である。手話にはどんな歴史があり、2人は何を求めているのか――。(上保晃平)

 手話はかつて、教育現場で禁止された歴史がある。

 日本のろう教育は1878年、京都にろう学校が設立されたのが起源とされる。当初は手話が使われていたが、イタリア・ミラノであった世界ろう教育者会議で、口の動きを読みとる「読話」や声に出す「発語」の「口話」のみをろう学校で使うことを勧める決議がなされた。

 日本でも口話教育が広がり、1933年には鳩山一郎文部大臣(当時)が口話で教えるよう訓示。聞こえる人と同じように育てるという教育方針で、ろう学校での手話は禁止された。

 ただ、60年代後半以降、口…

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