熊本・花岡山の「国内第1号」仏舎利塔、70周年 法要で平和願う

森北喜久馬
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 花岡山(熊本市西区)の山頂にある仏舎利塔の完成70周年を記念する法要が12日、塔の前で開かれた。

 仏舎利塔は、現在の阿蘇市で生まれ、日蓮の教えを奉じる教団「日本(にっぽん)山妙法寺」を創設した藤井日達聖人(1885~1985)が1954(昭和29)年に建てた。「平和な世界を作りたい」という趣旨に賛同した熊本県の戦没者遺族会も協力。つるはしを自らふるう藤井聖人に勤労奉仕をして手伝った。

 教団によると、教団が建てた仏舎利塔の第1号で高さ25メートル。南インドの仏塔であるパゴダを模した白い塔で、その後、国内では北海道から熊本、宮崎県まで、さらに海外で合わせて90カ所以上に建てた。花岡山では、当時のインドのネール首相から贈られた、釈迦の骨である仏舎利が尖塔(せんとう)部分に納められているという。

 この日の法要には、あいにくの雨の中、駐日のインド総領事やスリランカ大使も参加。また、米国やオーストリア、ポーランド、インドなどから信者が来日した。

 建設に参加した今井行康上人(93)は法話で、パレスチナウクライナで現在起きている戦争に触れ、「我々は戦後79年、平和な暮らしをしている。その意義を忘れずに平和憲法を守っていかねばなりません」と訴えた。(森北喜久馬)

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