第5回同期生それぞれの決断 「残って学びたい」「やりきったから次へ」

有料記事さとのば大学で旅して学ぶ

上野創
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 「別の町に移らず、もう1年ここで学ぶことにしました」。地方に移住しながら学ぶ「さとのば大学」2年生の中山珠緒(みお)さん(19)は、宮城県女川町で2年目を過ごしている。1年で移住先を変えるのが前提なので異例だが、悩み抜いた末の選択だった。

 長崎県出身。家族や地元の人が住みやすい地元であってほしいという気持ちがあり、県内の大学で地方創生を学ぶつもりだったが、進路面談の後に不安に襲われた。中学で不登校になって通信制高校のサポート校で学んだ自分が、大学の教室で授業を受け続けられるだろうか。

 さとのば大を知り、高3の夏に1カ月半、秋田県五城目町で暮らしながらオンライン講義を受けてみた。一人暮らしも、知らない町で人と話すのも初めてだった。「やりたいことを手探りで見つけていく日々は、生きている実感があった」と語る。

 4年制コースに入り、昨春、女川に移住した。催しや誘いにはなるべく参加し、毎日が慌ただしかった。学習支援のインターンシップでは想像以上に疲れてしまった。複数の子に対応するより、一人ひとりの子と向き合う方が、自分には向いていると感じた。

 「楽しかったのに充実感はなく、体もきつかった。目的が不明確なまま、あれこれやり続けても、地域に深く関われない」。そう気づいた。

 同期が次の移住先を決めてい…

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