第4回「生きる意味を一人ひとりが形に」ウクライナ出身の心理士は指摘した

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 ロシアによる侵攻を受け、約2千人のウクライナ人が日本に避難している。避難者はどんな思いを抱えているのか、どんな支援が必要なのか。ウクライナ出身の臨床心理士で、避難者のカウンセリングを続けている関西看護医療大の花村カテリーナ助教に話を聞いた。

 ――避難者へのカウンセリングを始めたきっかけは。

 私は小学生時代に数年日本で過ごした後、19歳のときに留学で来日しました。日本人と結婚し、それからずっと日本に住んでいます。日本で臨床心理士の資格を取り、大学で心理学を教えています。

 2022年3月に日本が避難者を受け入れると聞いたとき、日本に移り住んだ外国人の一人として、大変なことが待ち受けているだろうなと容易に想像できました。

 日本語の壁や文化の違いだけでなく、避難者たちはウクライナで経験した惨状による心の傷もあります。家族と離ればなれとなっている人もおり、生活を一から立て直さないといけない。

 臨床心理士として、何かできることがないかと考えました。外国人女性が集まる「外国人女性の会 パルヨン」とともに、7月末から避難者のカウンセリングを始めたのです。

【連載】ウクライナには帰れない 「日本で生きる」避難者たち

ロシアによる侵攻から2年が過ぎました。日本財団によるアンケートでは、帰りたいのに帰れないウクライナ避難者の苦しい立場が浮かんでいました。避難者たちは、なにを思い、どう生きていこうとしているのか、報告します。

回数増える傾向、50回ほど相談している人も

 ――ウクライナ語とロシア語…

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