メディア空間考 大村美香
小林製薬の紅麴(べにこうじ)原料を含むサプリメントによる健康被害問題を発生当初から取材している。問題を起こしたサプリは機能性表示食品として消費者庁に届け出されていた。現在、制度のあり方を見直すための検討会が開かれている。
機能性表示食品については、2013年に政府の規制改革会議で議論が始まった段階から取材し、導入前から問題点を指摘してきた。政府が制度の参考にした米国で取材し、機能性の根拠が薄弱な商品や低品質で時に有害な商品への歯止めが緩く、行政の監視も不十分だった当時の実情を報告したこともあった。
制度開始以後も折に触れ、機能性表示食品、また健康食品を取り上げ、リスクを説明する記事を書いた。ただあまり手応えはなかった。デジタル版で読者の反応が数字で見えるようになると、それはさらに明らかになった。実を言うと諦めに近い気分を抱いていた。
事件で、サプリや制度をめぐ…