心の病専門の訪問看護に取り組む社長 自ら経験した危機と支えの言葉

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編集委員・中島隆
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 大阪市東住吉区に、「くるみ」という訪問看護ステーションがある。「こころ」の病の患者のところに看護師が出向く。早朝から夜まで、連絡が来たら断らない。

 それは、社長の中野誠子さん(43)も、こころの危機の経験者だからだ。

 スタッフは15人。150人余りの患者のもとに週1~3回、訪問する。

 訪れるのは午前7時45分から午後8時まで。早朝が都合のいいスタッフは早朝中心、というようなフレックスタイム制の勤務体系にしている。

 うつ病アルコール依存症、ギャンブル依存症などの症状の管理や援助をする。「症状が重い」などの理由で他の事業所で断られた患者も、くるみは受け入れる。

 記事の最後に、アルコール依存、ギャンブル依存、うつ病を患う人への接し方をそれぞれ聞いています。

 熊本出身の中野さん。彼女自身、2度つらい思いをしたことがあった。

 1度目は、バスケにのめり込んでいた中学2年のとき。練習中、他の部員のひざが顔にぶつかるアクシデントがあった。「眼窩(がんか)底骨折」と診断された。

 入院し、「レギュラーはもう無理だ」と塞ぎ込んだ。同じ病室の人たちと距離を取り、心を閉ざした。食事を拒否した。

「なぜ自分だけ?」 看護師の言葉は

 そんなとき、看護師に呼ばれた。2人っきりになり、聞かれた。

 「しんどいことある? 話…

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