ALS公的介護、家族の介護「過度に控除」 埼玉県吉川市に賠償命令

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山田みう
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 全身の筋力が低下する筋萎縮性側索硬化症(ALS)の男性(48)が埼玉県吉川市を相手取り、介護保険と合わせて1日24時間分となる重度訪問介護や約560万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、さいたま地裁であった。田中秀幸裁判長は「妻の介護時間を過度に控除した」とし、市の決定より約6時間多い約21時間分となる重度訪問介護を認め、市に約130万円の賠償を命じた。

 男性側代理人の藤岡毅弁護士は「適切な介護時間を認定しなかったことへの賠償責任を認めた判決は、例がないのではないか」と話した。

 判決によると、男性は2015年にALSと診断された。体をほぼ動かせず、たんの吸引や排泄(はいせつ)の介助も欠かせず、人工呼吸器をつけて生活してきた。市は20年6月と8月、重度訪問介護の給付費支給を決めた際、妻による1日約9時間の介護時間などを控除した。

 判決は、妻が子ども3人の育…

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