F1日本GP初の春開催 鈴鹿との接続、混雑緩和へ近鉄が打った手は
江口英佑
自動車レースの世界最高峰フォーミュラワン(F1)の日本グランプリ(GP)が、今月7日、三重県の鈴鹿サーキットであった。決勝日は、国内自動車レースでは最大級の約10万人が訪れるため、公共交通機関の混雑緩和が課題だった。初の春開催となった今年、近畿日本鉄道の取り組みを追った。
鈴鹿市にある近鉄・白子駅は、F1開催時、鈴鹿サーキットまでを結ぶルート上の重要な拠点だ。近鉄名古屋駅からは特急で約40分、急行でも約50分の距離にある。下車後、同駅発の直通シャトルバスに乗ると約20分でサーキット近くのバス停に着く。他のルートより歩く距離が短く、混雑時を除けば最速ルート。そのため、利用者の数も多い。
昨年、日本GPは、決勝日に10.1万人が来場し2012年以来11年ぶりに10万人を超えた。白子駅の1日の乗降車数も3.5万人と、通常の3倍超となり、駅やバス乗り場は激しく混雑した。バスの待ち時間は2時間にも及んだという。
そこで近鉄は今年、新たな臨時列車の増発で別の駅の活用を目指す、初の混雑緩和策を打ち出した。
■徒歩45分の平田町駅へ列車…