映画「ら・かんぱねら」撮影終了 地域の炊き出し係が大活躍

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野上隆生
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 ピアノの難曲「ラ・カンパネラ」を独学で習得したノリ漁師をモデルにした映画「ら・かんぱねら」の現地撮影が12日、佐賀市で終了(クランクアップ)した。撮影準備や背景撮影などは昨年から続いていたが、俳優陣が参加しての撮影は3月17日から。鈴木一美監督ら50人ほどのスタッフは、1カ月弱のタイトなスケジュールをこなした。

 撮影がすべて終了すると、支援する会のメンバーが用意した小さいくす玉を割って、無事撮影が終了したことを祝った。

 主演で、自らピアノの特訓を続け、指の痛みに耐えながら演じたという伊原剛志さんは、「やればやるほど、ラ・カンパネラはむずかしか」と佐賀弁を交えて語り、周囲を笑わせた。

 鈴木監督は「親子3代で一緒に見て、会話を膨らませてほしい。また、夢を諦めずに努力する大切さを伝え、できれば全国で学校上映し、中高生にも見てもらえる映画にしたい」と、上映に向けた意気込みを語った。

 撮影は、ノリ漁の現場となる佐賀市川副町沖の有明海をはじめ、漁港、佐賀市内のパチンコ店や同市富士町の古湯温泉、福岡県柳川市など佐賀市を中心に各地で行われた。

 映画には、主演の伊原さんのほか、南果歩さん、大空真弓さんらが出演。今年秋から冬にかけて、佐賀県内で先行上映した後、全国の映画館で公開する予定。野上隆生

 東京からやって来た俳優陣や映画の撮影スタッフを支えたのは、「支援する会」を中心にした佐賀の地元住民らだった。特に、連日温かい食事を提供する炊き出しボランティアの女性たちの活躍に、スタッフからは「ここまで地域に応援された経験はない」と感激の声が上がった。

 「さあ、タマネギ刻もう!」「このトマト、真っ赤でおいしそう。丸かじりしたかね」

 最後の炊き出しとなった11…

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