死亡1人は茨城の住民 体調不良の人は3人に コレステヘルプ摂取

張守男
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 小林製薬大阪市)の紅麴(こうじ)原料を使ったサプリメント「紅麹コレステヘルプ」が原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で、県は29日、摂取との関連が疑われる死者5人のうち、1人が県民だったと発表した。また、体調不良を訴える人は新たに2人増え、計3人になったと発表した。

 さらに、小林製薬から紅麴原料の提供を受けていた県内の業者は2社が新たに判明し、計3社になった。保健所を通じて原料を使った商品の調査と自主回収を促しているが、県は「ただちに健康被害が出るリスクは低い」としている。

 県生活衛生課によると、県内の死者は小林製薬の紅麴を使ったサプリを摂取していたという。しかし遺族が同意していないため、年代や性別、死因や死亡時期などは公表できないとした。28日に大阪市から死亡者の調査依頼がきて、29日まで調べていたという。

 体調不良を訴えている3人は、いずれもサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた。現時点で重症者はいないという。

 新たな2人は県内在住で、50代男性は昨年8月から12月ごろまでサプリを摂取していた。倦怠(けんたい)感があり地元の医療機関に通院中だという。40代女性は2021年か22年ごろから昨年8月ごろまでサプリを摂取していた。手足のむくみの症状があり、現在は経過観察中だという。いずれも本人や家族が最寄りの保健所に通報した。

 最初に県が確認した50代女性も昨年8月から今年1月までサプリを摂取していたという。県には複数の報告がきており、今後も増える可能性がある。

 また、県内の食品製造業者3社は、トップフーズ▽太洋▽角光化成緑の里工場と公表した。大阪市からの食品衛生法に基づく調査依頼を受けて発覚した。3社は保健所を通じて、原料を使った商品や流通先を調べている。大阪市からの情報提供によれば、3社とも商品に「有害な物質」は含まれていないという。

 自主回収対象の商品は摂取せず、各メーカーの返品方法に従って対応するように県は呼びかけている。健康被害がある人は、医療機関を受診して最寄りの保健所に相談してほしいとしている。厚生労働省にも問い合わせ窓口がある(03・3595・2760)。(張守男)

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