■「ハンサムマザー」はとまらない:9

■今尾朝子

 生活に車が欠かせない主婦にとって、車は「よき相棒」であり、その小さな空間は「家の一部」といった感覚になります。子供ができてペーパードライバー教習を受けに行ったというのはよく聞く話。一日5回は出動するというママたちはざらで、最寄り駅までの送迎は、平日ご主人と会話できる大切な時間でもあれば、子供たち一人一人と向き合える格好の時間でもあると言います。

 車の中には、ぺたんこ靴を常備して、朝の手抜き顔をささっと直せるようメーク道具を置いているくらいは序の口。子供のお尻ふきから着替えまでを詰めたオシャレな収納ラックを運転席裏に取り付ける乳幼児ママもいます。子供がお稽古をかけ持ちする年齢になると、学校帰りにおやつを食べさせ、制服から着替えるのも車の中に。

 「家だと何かしら家事をしてしまうから、車の中が唯一の自分時間」と言い切る読者もいます。好きな曲を聴いてリラックスしたり、カフェ気分でランチを持ち込み、待ち時間を読書にあてたりと、小さな時間も無駄にしません。

 このように、平日は奥様が乗り回すことが多いからこそ、車選びをご主人が一方的に決めることは少なく、夫婦で納得して選ぶのが今どきのスタンダード。VERY読者は家族が増えるタイミングで車を買い替えることが多く、子供の安全や快適性はもちろんのこと、環境に優しい車かどうか、夫婦のオシャレ心を満たしてくれる車かどうかなどが重要視されます。

 車選びは、“男性のステータスの象徴”としてではなく、その家族がどういったライフスタイルを大切にしているかの証しになる“自己表現”として、今のママたちは捉えているように感じます。(VERY編集長)