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大滝しおんの晴筆雨筆

大滝しおんの公式ブログです。本人が運営しています。晴筆雨筆とありますが毎日は無理なので、まったりと記事を書いていきます。(注意:このブログではGoogleから広告が自動で挿入されます。)

大滝しおんの新作執筆開始!

現役士業のライトノベル作家である大滝しおんの現在の活動についてまとめておきます。

 

私、大滝しおんは、新たな小説の執筆を開始します!

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録の続編を無事に書き終えましたので、新しい物語に挑戦します!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」は、女子大の消費生活相談員が悪徳商法や消費者トラブルの被害者を救うという物語でした。

 

新たな小説では、『悪徳商法や架空請求詐欺を仕掛ける側』からの物語を書いていきます。

 

この物語は、消費者トラブルに限定せず、会社を舞台にしたトラブルも扱います。

民法や会社法のほか、より広い範囲の法律を扱い、さらに、法律の抜け穴も知っていただける内容にしようと考えています。

 

もちろん、法律の知識を学べる物語でエンターテインメントも妥協しない内容です。

 

短期間でダイレクトに読者の皆様にお届けできるよう、電子書籍のみで出版します。

 

『リーガル・シャドウ』という仮タイトルを設定しました。

 

物語のあらすじは、まだ、極秘です。

このブログで少しずつ紹介していきたいと思います。

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)が書籍化!


2025年5月15日(木)に文響社から「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」が出版されました。

 

シジョセンの詳細は下記のページにまとめています。

ootakishion.com

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録の続編執筆完了!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠(通称:シジョセン)」の続編の執筆が完了しました!

 

「紫雲女子大学消費者センターの相談記録」第2巻の仮タイトルは、『コンフィデンス・ガール『テミス』の挑戦状』です。

 

7月中旬から9月にかけての物語で大学も休みになるため、実乃里たちは浴衣姿で夏祭りに参加したり、シジョセンメンバー全員で愛佳のふるさとである新潟県に合宿に赴いたりします。

もちろん、そんな中でも、訪問販売、訪問購入、悪徳リフォーム詐欺、オンラインゲーム絡みの消費者トラブルなどが起きます。

そして、9月には大学の後期が始まりますが、そこでタイトルに有る通り、テミスを名乗るコンフィデンス・ガールが挑戦状を突きつけてきて、シジョセンメンバーが翻弄されてしまいます。送り付け商法や未公開株商法などの消費者トラブルが起き、テミスの事件と複雑に絡んできます。

更に、実乃里はストーカー被害に巻き込まれ危機一髪の状況に追い込まれてしまいます。

その他、愛佳の家族が登場したり、琴音の過去が明らかになったり、新たなキャラクターが登場したりと、盛りだくさんの内容になっています。

 

文字数はトータルで255,000文字!

通常の文庫本の2冊分の長さに3つの物語を入れました!

 

第1巻の初回500円の甘い罠よりも、エンターテインメント性の高い物語です!

既に出版社に原稿を送りましたので楽しみに待っていてください。



『初回500円の甘い罠 紫雲女子大学消費者センターの相談記録』ベストリーダ1位!

愛佳「今日は、みんなにうれしいお知らせがあるわ!」

菜月「なんか、愛佳がうれしそうにしているのは珍しいね。司法試験に合格したの?」

愛佳「司法試験に合格するよりもうれしいことよ」

琴音「気になりますわね」

実乃里「私もなんだかドキドキします。愛佳先輩の事だから、きっと私たちに関係ある話ですよね」

愛佳「そうよ! なんと! 私たちの活動記録である『紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回 500円の甘い罠』が1位になりました! パチパチパチ!」

琴音・菜月・実乃里「「「1位?」」」

村正「はあ……?」

菜月「何で1位になったの?」

愛佳「これよ!」

 

東京都消費生活総合センター ベストリーダ (2025年8月1日~2025年10月31日貸し出し分) 1位 初回500円の甘い罠 紫雲女子大学消費者センターの相談記録

東京都消費生活総合センター ベストリーダ

(2025年8月1日~2025年10月31日貸し出し分)

1位 初回500円の甘い罠  紫雲女子大学消費者センターの相談記録

ベストリーダ | 東京くらしWEB

 

紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回500円の甘い罠

 

菜月「すごいじゃん」

琴音「私たちのお話が最もたくさん読まれたということですの!?」

実乃里「えー! そうなんですね! なんか恥ずかしいです……!」

 

村正「貸し出しかよ! 借りるんじゃなくて金出して買え!」

菜月「あれ? お前は、売れたら困るんじゃないの? お前の実乃里が知られて変な男ファンがつくと困るんだろ?」

村正「このブログを見ているお前ら! お前だお前! 『紫雲女子大学消費者センターの相談記録 初回 500円の甘い罠』を買えよ! 中古本や電子書籍じゃなくて、新刊の書籍で買え!

愛佳「ちょっと! 読者の方に、なに言っているのよ! あんたは!」

村正「痛てぇ! 俺と実乃里ちゃんのデートシーンがある2巻の話は、1巻がもっと売れねえと出版できないんだとよ! だから、1巻を買えよ!」

 

琴音「うふふっ。これは、私の狙い通りの展開ですわね」

実乃里「えっ、そうですか?」

琴音「このまま読まれ続ければ、私たちの事がもっと広く知られますでしょ。次の展開は、消費者庁のWeb CMに出演ですわ! 乃木坂46さんみたいに、私たちがいややんダンスで消費者ホットライン「188」をPRしますのよ!」


www.youtube.com

実乃里「乃木坂46さんみたいにダンスですか……。それはちょっと無理です……」

愛佳「はいはい。琴音ちゃんも妄想はそれくらいにしてね。私たちはアイドルではないのよ」

琴音「あら、私、こう見えて、ダンスが結構できますのよ。乃木坂46さんのダンスも完コピできますわ!」

菜月「それは初耳だな」

 

愛佳「私たちの使命はあくまでも、消費者トラブル事例や消費者法の知識を物語の形で全国の皆様にお伝えすることだわ

実乃里「はい。そうですよね」

愛佳「そこで、私たちの本をもう一冊出版する計画が進行しているのよ」

菜月「それって、2巻の物語とは違うの?」

琴音「私も聞いていますわ。実乃里ちゃんや私が受けた『紫雲女子大学消費者センター カウンセラー試験』の試験問題を出版する計画が進んでいますのよ!」

愛佳「そうよ。『紫雲女子大学消費者センター カウンセラー試験』は、消費生活相談員試験に準じる難易度の試験だから、リアルの消費生活相談員試験対策にも使えるわ

菜月「結構、難しい問題だから、本気で勉強したい人のためにもなるんだよな」

愛佳「そして、この問題集は、7月に実乃里ちゃんが試験を受けた後、答え合わせした時の私たちの話をまとめた形になるわ。問題だけでなく、私たちの会話も掲載されているのよ」

実乃里「えっ……。それって、私の成績とか、論文が載るんですか?」

愛佳「そうなるわね」

実乃里「ええっ! 恥ずかしいです……!」

菜月「8割以上の得点だったんだし、恥ずかしいことないじゃん」

琴音「1巻500円の甘い罠と2巻の中間の物語という意味もありますの。この問題集を読むことで、私たちの物語の理解も深まるはずですわ」

愛佳「そうよ。消費者法の基本的かつ体系的な知識を全国の皆様にお伝えする内容になるわ。というわけで、読者の皆様、楽しみに待っていてくださいね」

琴音・菜月・実乃里「「「楽しみに待っていてください」」」

村正「お前ら! 買えよ!」

 

この会話劇の登場人物は、小説『紫雲女子大学消費者センターの相談記録』のキャラクターです。

彼女たちの詳細は下記で紹介しています。

ootakishion.com

消費者法、特定商取引法、割賦販売法、民法の問題集を作成中!

現在、ある企画を考えていて、消費者法、特定商取引法、割賦販売法、民法の問題集を作成しています。

問題を考えて、解答を書いてという作業の繰り返して、約100問超の問題を作成しているのですが、小説の執筆と違って、とてもつない作業感!

小説の執筆では、頭の中にキャラクターのしていることや背景が思い浮かんで、それだけでワクワクしながら、執筆を進められます。

 

問題の作成は……。写経みたいですね。

もちろん、改めて条文を正確に確認しながら問題を作成できるので、知識の再確認としては、ものすごく有益です。

でも、すでに知っていることを問題化していくだけなので、小説執筆ほどのワクワク感はありません。

 

そんな時は、作業BGMを聞きながら奮い立たせるのが私のやり方です。

私の作業BGMは、歌詞のない曲だけの音楽です。

昔は、中国語の歌を聞いていましたが、中国語を勉強してからは、意味を考えてしまうので、作業に集中できません。

もちろん、日本語の歌詞がある歌も歌詞に引っ張られて、ミスが増えるから、NG。

そういうわけで、歌詞のない曲だけの音楽をリピートして聞き続けています。

私が一番好きな曲は、喜多郎氏の絲綢之路です。

 

 

聞いているだけで、雄大なシルクロードを旅している気分になる名曲ですね。

NHKのドキュメンタリー番組『シルクロード~絲綢之路~』のテーマ曲です。

この番組、古い映像ですが、井上靖先生が出ていたり、古い時代の中国の様子が残っていたりと、今でも鑑賞する価値がありますね。

 

そういうわけで、今日も、シンセサイザーの名曲を聴きながら、消費者法、特定商取引法、割賦販売法、民法の問題集の作成を進めています。

 

断熱性を高めるなら窓から! DIYでインプラス(内窓)を設置してみた!

最近の住宅は、木造住宅でも断熱性が高まっています。

ほとんどの住宅で外壁や耐力壁と内側の壁である石膏ボートの隙間に、断熱材が充填されているはずです。

そのため、外壁については十分な断熱性があります。

屋根も、構造用合板で覆い、内側にも断熱材を張り巡らしている家もあります。

そうでなくても屋根裏に断熱材を敷いていれば、室内の断熱性はかなり高まるはずです。

しかし、窓だけは、ガラス一枚ですし、夜もシャッターを下ろすだけです。

外壁に比べると断熱性が低いです。

 

最近では、ガラスもいろいろなタイプのものがあり、断熱性が高いものもあります。

ただ、サッシの入れ替えは、外壁も含めた大掛かりなリフォームが必要なので手軽にはできません。

 

そんな中、最も手っ取り早いリフォーム方法が内窓を入れることです。

内窓を入れれば、外の熱気や寒気が2枚のガラスの間の空気によって遮られます。

その結果、窓の断熱性が高くなります。

 

光熱費の節約にもつながるし、防音性や防犯性も高まるといいことづくめです。

最近の住宅であれば、サッシの窓枠は十分にあるはずなので、その窓枠内に、内窓を設置するだけ。

窓屋さんに依頼することもできますし、DIYをやったことがある方なら、ネットで注文して自分で設置することも可能です。

要件を満たしていれば、「先進的窓リノベ」の補助金を利用することもできます。

 

というわけで、我が家にも内窓、インプラスを入れました。

 


事務所の部屋で先行して内窓を入れていて、光熱費が下がったのと、防音性が高まることを確認済みだったので、今回は、DIYでやってみました。

窓枠の寸法を精密に測り、ネットショップで注文。

メーカーから届いたら、枠を設置して、はめるだけです。

利用したショップはこちらです。

 


 

注文するときのポイントは、寸法を精密に測ることです。

大雑把に測ってはだめですよ。

長さを測るときのメジャーは、100円ショップとかの安物ではなくて、本職の人が使う、精密なものを利用しましょう。

1ミリでも違っていると窓をはめられない可能性があるのでここが本当に重要なポイントです。

インプラスを設置したのは西側の窓です。

西日が当たるので、外側の窓にDIYでミラーフィルムを張って、ほぼカーテンを閉め切った状態でした。

今回、インプラスを入れて、さらに、外側の窓と内側の窓の隙間にブラインドも設置しました。

 

 

窓枠は普通の大きさですが、普通のブラインドを入れられるくらいの隙間ができます。

 

これで、常時、カーテンを閉めておく必要はなくなったし、断熱性もかなり高くなったはず!

今年の冬と来年の夏が楽しみ!

 

 

金木犀の一瞬の香り

令和7年度の熱中症警戒アラートの発表は昨日で終わったそうです。

今週から急に寒くなってきました。

季節の移り変わりが極端になっていますね。

私もついこの前までは、扇風機を出していたのですが、一気に片づけました。

 

そんな中、庭からは、とても良い香りが!

そう。きんもくせいです!

 

私の家の庭には、金木犀が一本だけ植えられています。

金木犀は、常緑樹なので、季節の大半は、緑色の葉っぱをつけているだけの、面白みのない木なのですが、この時期だけは、最高にいい香りを放ってくれます。

私の家の金木犀は庭の奥まったところにあって、道路からは見えないのですが、門をくぐった時点で、よい香りが庭の奥から漂うほどです。

この一瞬の時期だけのために、日々、太陽の光を浴びて養分を蓄えているのでしょうね。

金木犀の香りは日々鍛錬することの大切さを教えてくれているように思います。

 

私の家だけでなく、あちこちの家から金木犀の香りが漂っています。

紫雲女子大学消費者センターの相談記録の続編。3巻目を書くときになると思いますが、金木犀の香りの描写もどこかに入れる予定です。

 

英会話教室の校舎が閉鎖、統合されたことは債務不履行に当たるのか?(名古屋高判平成19年9月27日)

今日のテーマは、「英会話教室の校舎が閉鎖、統合されたことは債務不履行に当たるのか?」です。

英会話教室では、学校側は受講生に英会話のレッスンを提供する義務を負っており、レッスンを提供できない場合は債務不履行責任を負うことになります。

代表例としては、外国人講師を用意できずに、レッスンを提供できないというケースが挙げられます。

では、教室が閉鎖されたことでレッスンが提供できない場合はどうでしょうか?

 

Aさんは英会話教室の甲校が勤務先から近く、勤務の後に通うのに便利だったため、甲校でのレッスンを受けていました。

ところが、英会話教室側が甲校を閉鎖し、約772m離れた乙校に統合すると一方的に通告しました。Aさんが乙校に通うには所要時間で約10分かかってしまします。

なお、英会話教室の規約では、レッスンを提供する債務の履行場所については具体的な定めがありませんでした。

Aさんは英会話教室に対して、債務不履行責任を問えるのかという問題です。

 

判例の事例では、受講生は申込みをしたスクールの所属とされ、契約書及び生徒カードにも所属スクール名が記載されていました。つまり、Aさんは甲校の所属の生徒とされていたわけで、乙校で受講するには転学手続が必要でレッスン料の支払いも別に発生する仕組みでした。

そのため、裁判所は、Aさんは甲校でレッスンを受ける権利があり、英会話教室が甲校を一方的に閉鎖したことはAさんに対する債務不履行に当たると判断しました。

英会話教室がAさんにレッスンを提供する債務の履行場所は甲校だと認定したわけです。

なお、英会話教室がAさんに乙校でのレッスンを提供したとしてもその英会話教室が「駅前留学」を謳っている以上、受講契約の債務の本旨に従った履行とは言えないと判断しました(名古屋高判平成19年9月27日)。

 

英会話教室に限らず、予備校や塾でも当てはまる事例と考えられるので参考にしてください。

悪質商法から身を守る3つの武器!消費者3法(消費者契約法・特商法・割賦販売法)でトラブルを解決する方法

消費者トラブルの解決策というと、クーリング・オフを真っ先に思い浮かべると思います。

クーリング・オフの期間が過ぎてしまい、クーリング・オフができないと、消費者トラブルを解決することはできないと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、消費者トラブルの解決策は一つではありません。

クーリング・オフは、特定商取引法という法律に基づいた制度ですが、それ以外にも消費者契約法や割賦販売法といった法律があります。

この3つの法律は「消費者3法」と呼ばれています。

それぞれの法律には、消費者トラブルを解決する強力な手段が備わっています。それぞれの法律の概要とその使い方を分かりやすく解説します。

 

なぜ「消費者3法」が必要なのか? 消費者トラブル解決の全体像

 

契約の基本は、民法にルールが定められています。

しかし、事業者と消費者の情報・交渉力に大きな格差があり、民法だけで消費者を保護することはできません。

そこで、民法の特別法として、消費者との契約について特に規定した、消費者契約法、さらに、消費者トラブルが特に発生しやすい取引類型について特定商取引法を設けることで、消費者を保護しています。

 

また、今では代金の支払い方法として、クレジットカードや個別クレジット契約が締結されることが多いです。

販売業者との売買契約とクレジットカード会社とのクレジット契約は別の契約になるため、売買契約でトラブルが生じても、クレジットカード会社はそれとは無関係に消費者に支払いを請求できるのが民法上の建前になっています。

しかし、売買契約を消費者契約法や特定商取引法により取り消しても、代金は支払わなければならないというのでは意味がありません。

そこで、売買契約で一定のトラブルが生じた場合は、クレジットカード会社への支払いも拒絶できる旨の規定が割賦販売法により定められています。

 

そして、消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法の3つの法律は、それぞれの角度から消費者を保護するための手段を提供しています。



法律のグループ

法律名

法律が守る着眼点

取引方法規制

特定商取引法(特商法)

「どこで、どのように」契約を結んだか(訪問販売や電話勧誘など)。

契約内容規制

消費者契約法(消契法)

「契約の中身」と「勧誘行為」に問題がないか。

支払い方法規制

割賦販売法

「支払い方法」に問題がないか(クレジット利用など)。

 

例えば、訪問販売で契約したがクーリング・オフ期間を過ぎてしまっても、勧誘方法に問題があれば、消費者契約法により取消しが可能です。

また、クレジットカード会社からの支払い請求に対して、支払停止の抗弁権を主張することもできます。

このように、一つのトラブルについて、複数の法律を活用することで解決に導くことが可能になっているわけです。

まとめるとそれぞれの法律は、次のような解決手段を用意しているわけです。

 

  • 特定商取引法:契約を無条件で撤回できる(クーリング・オフ)。
  • 消費者契約法:悪質な契約を取り消し・無効にできる。
  • 割賦販売法:支払いを拒否できる。



特定商取引法(特商法):契約場所・手法に着目した「クーリング・オフ」の法律

 

特定商取引法は、消費者トラブルが生じやすい特定の取引方法を規制し、消費者を保護することを目的としています。

消費者の代表的な権利が、「クーリング・オフ」です。



特定商取引法の対象となる取引とは

 

特定商取引法が適用されるのは、以下の7種類の取引です。

 

  • 訪問販売
  • 通信販売(ネット通販など)
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引(マルチ商法、MLMなど)
  • 特定継続的役務提供(エステ、語学教室など長期・高額サービスなど)
  • 業務提供誘引販売取引(内職商法など)
  • 訪問購入

 

これらの取引は、消費者が冷静に考える時間がない状況で契約させられたり、情報が不十分だったりすることが多いため、特別な規制が設けられています。

販売者は、こうした取引を禁止されているわけではありませんが、法律の規制を遵守していない場合は、行政処分の対象となったり、業務停止命令を受けることがあります。



「無条件の契約解除(クーリング・オフ)」の使い方

 

消費者を直接保護するための代表的な規定がクーリング・オフです。

消費者は契約締結後、一定期間内なら、頭を冷やして契約内容を見直し、無条件で契約を解除することができます。

 

  • 無条件の解除: 理由を問わず、消費者が一方的に契約を解除できます。
  • 期間: 原則として、法定の書面を受け取った日から8日間(連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引などは例外的に20日間)です。
  • 通知方法: クーリング・オフの証拠を残すため、必ず書面(内容証明郵便が最も確実)で通知しましょう。



消費者契約法:悪質勧誘の契約を取り消し・無効にする法律

 

特定商取引法が適用されない取引や、クーリング・オフ期間が過ぎてしまった契約でも、事業者側の行為や契約内容に問題があれば、消費者契約法が使えます。



契約の「取り消し」:悪質な勧誘から契約を白紙に戻す

 

悪質な勧誘行為があった場合、消費者は契約を取り消し、契約を白紙に戻すことができます(消費者契約法第4条)。

 

  • 断定的な判断の提供: 「絶対に儲かる」「必ず治る」など、将来の不確実なことを断定して説明された場合。
  • 不実告知・不利益事実の不告知: 嘘をつかれたり、不利な事実を隠された場合。
  • 困惑: 居座りや退去妨害などで、帰りたいのに帰してもらえなかった場合。

 

【重要】 取り消しは、クーリング・オフと異なり、「追認をすることができる時(詐欺だと気づいた時など)から1年間」又は「消費者契約の締結の時から5年間」まで行使できます。



契約の「無効」:不当な条項(キャンセル料・免責条項)を効力なしにする

 

契約書にサインをしていても、消費者にとって一方的に不当な条項は法律によって無効になります。

 

  • 不当なキャンセル料: 解約時に事業者に生じる平均的な損害額を超える高額な違約金やキャンセル料は、その超える部分が無効となります(消費者契約法第9条)。
  • 免責条項: 事業者の責任(債務不履行や不法行為)を一方的に免除する条項は無効となります(消費者契約法第8条)。



割賦販売法:クレジット・ローン利用時の「支払いのトラブル」を防ぐ法律

 

割賦販売法は、クレジットやローンの分割払いを利用して商品やサービスを購入した消費者を守る法律です。



割賦販売法の役割:クレジット契約特有のリスクから消費者を守る

 

クレジット契約では、あなたは商品やサービスを提供する販売店と、支払いを代行するクレジット会社の二社と契約を結んでいます。

販売店からサービスが提供されないなどトラブルが発生しても、形式的にはクレジット会社への支払い義務は残ってしまいます。このリスクから消費者を守るのが割賦販売法です。



割賦販売法の「支払停止の抗弁権」の使い方

 

割賦販売法の最大の武器は、支払停止の抗弁権です。

 

  • 権利の内容: 購入した商品やサービスに重大な問題があったにもかかわらず、販売店が対応してくれない場合、クレジット会社への支払いを拒否できる権利です。(ただし、割賦販売価格が4万円以下の契約[リボルビングは現金販売価格が3万8千円以下]は対象外とされているので注意が必要です。)
  • 使い方: 問題の解決のため、まず販売店との交渉を試みます。解決しない場合、クレジット会社に対し、商品に問題があることを明記した書面で「抗弁権の主張」を通知します。



消費者トラブル発生時にあなたが行うべき具体的な対応ステップ

 

消費者トラブルに遭った際、どの法律を使うにしても、冷静な行動と適切な手続きが必要です。



ステップ1:証拠の保全(録音・書面)

 

事業者との契約書、広告、パンフレットを全て保管する。

勧誘時の会話や、トラブル時のやり取りは、可能な限り録音する。

メールやLINEなどのやり取りも全て保存する。



ステップ2:どの法律が使えるかを確認する

 

クーリング・オフ期間内か? → 特定商取引法。

勧誘や契約内容に問題がないか? → 消費者契約法。

クレジット契約で、商品に問題があるのに販売店が対応しないか? → 割賦販売法。



ステップ3:公的機関や専門家への相談

 

個人の判断で法律を適用しようとすると、かえってトラブルをこじらせる可能性があります。必ず専門家や公的機関に相談しましょう。

 

消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センターにつながり、無料で助言を得られます。

専門家(行政書士や弁護士):クーリング・オフや契約の取り消し・無効の主張は、内容証明郵便など法律的な手続きが必要であり、専門家に依頼することで確実に行えます。



まとめ

 

消費者3法は、私たちが悪質な取引に巻き込まれたときに、消費者トラブルを解決するための有効な手段になります。

クーリング・オフ以外にも解決手段があることを理解したうえで、状況に応じた適切な対策を取ることが大切です。

ただ、一人で解決しようとするとトラブルが大きくなることもあるので、まずは、最寄りの消費生活センターや法律の専門家に相談しましょう。



灯油の売買契約に附随する説明義務(浦和地判平成5年12月27日)

今日は「売買契約に附随する説明義務」に関する判例です。

Aさんはストーブの灯油を購入するつもりでポリタンクを持参してガソリンスタンドに赴きました。

その際、Aさんは誤ってガソリンを購入してしまいました。店員は不審に思ったものの言われるままにポリタンクにガソリンを入れて、Aさんに引き渡しました。

そして、Aさんがストーブにそのガソリンを入れたところ、火災が発生しました。

この場合、ガソリンスタンドの店員に何の責任もないと言えるのでしょうか?

 

消防法により、ガソリンを購入するには携行缶を使用しなければならないことになっており、ポリタンクに入れることは禁止されています。

この点を考慮すれば、お客さんがポリタンクでガソリンを購入しに来た場合は、店員は灯油の間違いではないかと確認したり、携行缶が必要であることを説明すべき附随義務があると言えます。

それにもかかわらず、漫然とポリタンクにガソリンを入れて販売した場合は、ガソリンスタンド側の店員には附随義務違反があることになるため、裁判所は、店員にも火災事故につき一定の責任があると判断しました(浦和地判平成5年12月27日)。