自分は目立たないように図書館に移動します。これだけで理解出来ないほど、皆、馬鹿なのだろうか。図書館で待っているとリーコ先輩が現れた。王子様とクリスティーナ、それと退魔兵団の同期たちも一緒に。大勢でぞろぞろと、それも王子様とクリスティーナが一緒では、周囲の注目を集めてしまう。何かあるのかと思われてしまう。どうして分からないのだろうか。 とはいえ、文句は言えない。あとで二人に言えない分の文句も、断空に向けよう。 「その術式の解析? それはどういう術式なのかな?」 「転移魔法です」 「……カイト君。転移魔法には使用制限がかけられていることは知っているかな? 王国の許可なく使うと罪に問われるよ?」 「…