皮膚炎の子どもを持つ親から、「クリーンイーティング」のためにグルテンや乳製品を断つインフルエンサーまで、アレルギーの原因となる食材(アレルゲン)を取り除く「除去食」を実践している人は多い。
しかし、研究によれば、特定の食物を除去すると、その食物を再び摂取したときの免疫系の反応が微妙に変化する可能性があるという。特に皮膚炎や食物アレルギーなどがある人は、耐性が失われることにより、命にかかわるアナフィラキシーを含め危険な反応を起こす恐れがある。
除去食が浸透するなかで、このリスクはしばしば見落とされている。米疾病対策センター(CDC)傘下の米国立健康統計センター(NCHS)によれば、グルテンフリーを含む特定の食事法を実践している人の割合は米国でかつてないほど増えている。米非営利団体の国際食品情報協議会(IFIC)の調査でも、その割合は2024年に54%と、2019年の38%から大幅に増えた。
しかし、免疫系にとって、食物のタンパク質にさらされ続けることは耐性の維持につながる。その食物がメニューから長期にわたって消えると、耐性が失われてしまう可能性がある。
このような変化がなぜ、どのように起きるかを理解することは、除去食が助けになるか、リスクになるかを判断するうえで重要だ。(参考記事:「食事で「何から食べるか」で健康に大差、おすすめの順番と効果は」)
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